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レーヴァティン

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第三十二話 六人目の手掛かりその七

「海の魔神は」
「それは間違いないな」
「けれど他のことは本当にな」
「悪い意味で見事にな」
 正もこう言った。
「わかってないな」
「そうだよな」
「何もわかってない相手に戦うってのは」
「それだけでまずいからな」
「まず相手を知ることだ」
 正は飲みつつも酔いを感じさせない声で話した。
「敵を知ってな」
「自分も知ってな」
「そうして戦うものだからな」
 今度は孫子の言葉だった。
「だからな」
「魔神のこともか」
「今のままじゃ十二人揃えて島を統一してもな」
「戦っても負けるか」
「そうなるぜ」
 絶対にというのだ。
「結局は」
「拙者もそう思うでござる」
 進太は正に同意して久志に話した。
「ですから」
「魔神のこともか」
「知っておくべきでござる」
「やっぱりそうなるよな」
「魔神のことも何とか」
 今は何もわからないが、というのだ。調べても。
「わかる様にしていきましょう」
「そっちもかなり難しそうだな」
「難しくとも勝ちたいなら」
 海の魔神、彼等にだ。
「やはりでござる」
「魔神を知ることなら」
「我々が倒すべき敵でござるから」
「だよな、けれどまずはな」
「魔神のことも気になりますが」
「十二人揃えてな」
 再び順一に応えて述べた。
「島を統一していくか」
「そうしていきましょう」
「魔神のことを調べるのは並行、しかもな」
「はい、情報収集にしても」
「今は残る七人とな」
「島の各勢力の状況を」
「詳しく調べていくか」
「そうしていきましょう」
 こうしたことの方が先だというのだ。
「まずは」
「そしてな」
「その次にです」
 残りの七人と各勢力の情報のというのだ。
「そうした順番になります」
「まだ後回しか」
「はい、今は」
 実際にというのだ。
「そうなります」
「じゃあな」
「はい、優先順位は付けていきましょう」
「何でも同時って出来ないからな」
「若しそうすれば」
 それこそとだ、順一は久志に話した。
「その時は諺にありますが」
「虻蜂取らずってな」
「実際にそうなります」
「だから優先順位を付けてな」
「まずやるべきことしてな」
「そのやるべきことを果たし」
 そうしてというのだ。
「そのうえで、です」
「次だな」
「そうしていきべきです」
「絶対にやらないといけないことを見極めてだよな」
 正も言ってきた。
「そうしてな」
「はい、そうです」
 順一はその正にも応えて述べた。
「まずはです」
「その絶対にやらないといけないことをする」
「複数あればです」
「いざとなれば最優先課題をやってだな」
「他は余力と時間があればとなります」
「時には捨てる決断も必要か」
「そうした状況にならない様にしていくのも政治ですが」
 しかしというのだ。 
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