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ファンタジーな悪者の狩人日記

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序章・始まりの始まり

 
前書き
前回にて重症のところを謎の男に助けられたダークエルフのギラファ


はたして彼女はなにをされるのか? 

 
「店長ォ!!彼女の具合はどうですか!!」


「店長じゃなくて医院長です。安心してください、命に別状はありません。しっかりと休めばもとに戻りますよ。」


「そうでしたかぁ・・・」


「しかし、ひとつ疑問が・・・」


「?」


「彼女は一見竜人族に見えるようでしたが違和感を感じたんです。彼女の血液を調べてみたんですけど・・・」


「みたら?」


「・・・ちょっと信じれないと思いますが、彼女は竜人族でも、普通の人間でもない、私も見たことのない全くの別種のようなんです」


「・・・?」


「わからないようですね・・・まぁいつものことか」


「けど怪我人に越したことはないんですよね?」


「まぁそうなんですが・・・もし輸血しなくてはならない場合、竜人族の血でもないので最悪の状態が来るかもしれません。あなたが見つけたのは大変幸運なんです。」


「そっかぁ・・・でもあの場所にほかにも誰かいるか探してみたけどいなかったからなぁ、あの娘はなにをしていたんだろう?」


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「・・・・・ここは」


再び気を失って目覚めた私。


体がうまく動かない。首だけを動かしてみると体中に包帯を巻かれているのがわかった。


あの男は私を本当に助けたのか?


私のようなダークエルフは神聖なる通常のエルフにくらべ邪悪な存在として扱われている。


実際通常のエルフは光属性の魔法を主に使い、闇属性の魔法は使えない。

逆にダークエルフは光属性が使えないかわりに、闇属性の魔法を主に使用するからだ。


私を助けてなにを・・・・・



そのときある気配を感じた。


・・・この気配は私を助けたヤツの者だ。


魔王様とは違う強い気配。


私は出来るだけ身構えてその者を待った。


そしてその者の顔を見ることになった。



「・・・あっ、体調は大丈夫でしたか?」


実際に来た人数は二人、一人は白衣を着た女性。明らかに医者だ。


そして気配の元凶であるその者は、



袖がないが少し厚い紺色の道着、


腕には肘まで隠した紺色の手袋、


腰にはオレンジと紺の腰巻きに、


脚は紺のふかぶかなズボン、


手には帽子らしき薄い円状で真ん中に青い羽が着いていた。


顔は素朴という文字が似合うほどの成り立ちだったが、なにより目を引くのが、



その者の背中についている明らかに自分の背より長く、


しかし大剣というには細く、


紅いグリップに、


きれいな銀色の大きな鞘。



そのあまりにも大きな刀剣がその者の一番の特徴だった。


「・・・顔色はいいですね。どこか体調が特に悪いところはありませんか?」


「えっ、あ、あぁ・・・」


医者が話しかけてくる、正直それどころではない。


この刀剣をもった者の体から強い血の臭いを感じる。


人間の血は一切感じない、しかしこの臭い・・・竜だ・・・!

この者は竜を数えきれないほどの量を倒してきている・・・!!!

竜はわれわれ魔族でも倒せるものは限られている。人間なら倒すことができれば伝説級の称号を与えられるほどた。

しかしこの男・・・一体どれ程の竜を倒しているのだ・・!?

私から感じればとっくに全世界、魔界にまで名が確実に届く。たとえ表で存在が確認がされていなくても魔王軍の情報力ならよほどの結界魔術などの妨害をしない限りとどかないはずだ。

しかしなぜだ?なぜ今まで確認されなかったんだ?戦わなくてもわかる、私は直接戦って実際に実力を感じてから初めて納得をする、けどこの者は・・・間違いなく最強だ・・・!


「あの・・・大丈夫ですか?」


「ッ!!?・・・ッ・・・」


「え、えっと・・・」


「・・・・・な・・何とも・・・ない・・・」


「え、あ、はい」


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・・・・・・・なんか嫌われた?


顔はこわばってるし、腕も声も震えてるし、俺なんかやらかした?


「・・・なにをしたんですか?」


「なにもしてません・・・(汗)、てか俺もなにがなんだか・・・あ」


「あ?」


「見つけたとき怪我してたんで襲ったヤツのことを思い出してんじゃ・・・」


「あなたですか」


「ちゃうわ。まぁどうやら俺に対してなんかあるようですから・・・先に出ておきますね・・」


「まぁまってください、単に脅えている訳じゃ無さそうですし」


「お、脅えてなど・・・!」


「あ聞いてましたか?まぁ落ち着いてください、この人ただのバカですから」


「医者がそんなこといっちゃあかんやろ」


「拒否は?」


「しないけど」


「まぁともかく、そうえば名前がまだでしたね。私はアリサ・ウメモト、ここの医院長です。あなたの名前を教えてくれませんか?」


「・・・・・」


「・・・あぁ、言いたくなければそれで構いません。しかし、どうしても聞きたいことが、どうしてあなたはあそこにいたか覚えてますか?」


「・・・・・」


「・・・・・」ジー(´・ω・`)


「タローさん、顔がウザいです」


「」(;゜Д゜)


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

タロー、この者はタローというのか・・・・・


やはり聞いたことがない、本当に何者だ・・・?


「・・・・・あの、聞こえてますか?」


「!・・・あぁ・・・」


「まぁそのようすだと事故とかではなさそうですね。一応ここがどういうところなのか説明しましょうか?」


「あぁ」


そうだ、私は死んだはず。しかしあの光は一体なんだったんだ?


「聞いてますか~?じゃあこの村について、この村は《ユクモ村》、一番近い狩り場は渓流でこの村では温泉が特に有名なところなんです」


「おんせん・・・?」


「あれ、ご存知ないですか?まぁとりあえず、この村にはハンターズギルドがありますからそれなりに規模が大きい村なんです何となくわかりましたか?」


ギルド・・・冒険者ギルドではないのか・・・?場所によっては異なるということか・・・


「あぁ・・・」


「それじゃ、あなたはどこかのギルドに所属しているんですか?」


「いや・・・」


「あらそうでしたか、まぁ悪い人には見えませんし目が覚めたばかりでいきなり質問されても困りますよね」


見えない・・・この医者はダークエルフを知らないのか・・・?


「とりあえず今はゆっくりしてて、落ち着いたらまた話し合いましょう」


「わかった・・・」


一旦話しは終ったようだ・・・しかし、本当に私はどうしたというのだ・・・?そしてあのタローという者は・・・?



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

数日後 ユクモ村


ここにきてしばらくたったが私はどうやら根本的なところからおかしな場所に来てしまったらしい。


まずここは、この世界は私の知る世界ではないことだ。


怪我の件について私がいた世界では私の回復力は魔族なため怪我の大きさが人間と同じでもなおるスピードはこちらの方が断然早い。


しかしこの世界の人間は私よりも遅くてもハンターと呼ばれる存在はあまりにも早い、それも私を助けたタローという者の場合、基本的に長くても3日かければ完治できてしまう。


その他にも、この世界ではダークエルフのような亜人がいてもエルフという存在は架空のものでこの世界の亜人は竜人族と呼ばれている。


私もその竜人族を見たのだがたしかに竜の気配も感じる。


しかし私にとってそれらを凌駕する事実があった。


この世界ではハンターズギルドというのがありこの世界の狩人たちはそこでクエストを受注し、仕事を狩り場で行う。

私のいた世界の狩人は冒険者の中の職業として扱われていたがあまり人気のない職業だ。ここでは冒険者のことを狩人と呼ぶのが基本である。


この世界の狩人は普通の人間が殆どらしく竜人族は極めて少ないらしい。


ここまではまだ別に問題ない、しかしこの世界のある常識に私は耳を疑った。


この世界はなんと竜が存在するのが当たり前で、竜たちによって生活が成り立ったりしている。

当然ギルドに討伐対象として出てハンターに依頼が回るが、この世界のハンターはどんな竜でも基本的に四人までしか出撃できない。

この条件はかつて英雄が5人で狩猟に出た際、うち一人が死亡、その一人が英雄の許嫁でそれ以来5人以上は縁起が悪いだとかの理由だ。


四人しか行けないと思うが逆に考えれば『腕があれば四人だけで充分』という私なりにとらえた。


そしてこの世界の狩人には竜の血が当然のように漂っている。


若いにもかかわらず一人で倒した青年や、どう見ても気弱そうにしているのだが上級者の女狩人、ふざけた格好にもかかわらずベテランで最高難易度のクエストを受注できる者など、もとの世界から見れば無茶苦茶なものだった。


━━━━━━━━━━

今私は、自分を拾ってくれた狩人、タローの元でこの世界の狩人の基本を学んでいる。


このタローという男、あの医者ただのバカだといっていたが実際にはどんな状況でも単独で出撃し、ほぼ必ず達成して帰ってくることから《最強のハンター》と名付けられるほどでまさに生きる伝説である。


しかし彼自身、またはその一部の仲間はただの狩人と低く称しており本人いわく『単に狩友がいないだけのボッチ(ひとりぼっちのこと)ハンターなだけですよー』と半涙目で言っていた。


たが私からみればどの狩人よりも強大な存在だった。

命の恩人という理由でもあるが私はまず実力を知った自分より強い者しか従わない。


しかし医者の相談でこれから生きるために彼のもとにつくという選択を半ば強引に、半ば自分で選んだ。


私は強いものには逆らえない、彼は私に反発されても別に構わないといったが、私は彼に歯向かうことはまず出来なかった。


「ん?どうかしましたか?」


「・・・いや、なんでもない」


普段からとぼけた性格だが強大な力を持った狩人との生活、魔王様が今どうなっているかも気になるが、今はただ彼に従う生活を送っているのであった。 
 

 
後書き
行く宛もないから狩人になったダークエルフのギラファ、しかし自分以外にもモンハンの世界に飛ばされた者が?

次回『最強の狩人はかわいいものが好き』

いつになるかわかりません! 
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