ヘタリア大帝国
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52部分:TURN5 中帝国その九
TURN5 中帝国その九
「ご自身以上だと。あの方は」
「ううん、まさかね」
「そんなこと有り得ないと思うよ」
「それって人類の歴史上最高の天才?」
「そうなるけれど」
「はい、そうも仰っています」
久重は四匹の言葉の中でだ。人類の歴史上最高の天才という言葉に反応して言った。
「あの方こそはと」
「あの博士がそこまで言われるってことは」
「やっぱりあの総統さんって凄いのかな」
「それこそ本当に人類の歴史上最高の」
「そんな天才なんだ」
四匹もだ。まだ信じられないといった様子だがそれでもだ。
久重の言葉を受け入れてだ。そのうえで言うのだった。
そして田中はだ。今度はこんなことを話した。
「で、ドクツってな」
「はい、あの国自体ですね」
「ファンシズムの国だったよな」
「そうです。それがあの国のイデオロギーです」
「共有主義に似てるとも言われてるよな」
田中は久重にだ。ファンシズムと共有主義の類似性について尋ねた。
「そこんとこどうなんだよ」
「確かに似てますね。権限は一人に集中しますし」
「それで個人よりもだよな」
「全体を重要視しますから」
「しかも共有主義もファンシズムもな」
田中はさらに話す。
「女の子が主だしな」
「そうですね。ただです」
「ただ?違う部分もあるってんだな」
「そうです。ファンシズム、ドクツだけでなくはじまりの国であるイタリン共和帝国もですが」
久重はこの国の名前も出した。
「ああした国々は流石にソビエトまで強権ではないですね」
「ソビエトの話は俺も知ってるさ」
田中は忌々しげに答える。
「とんでもねえ国家だな、あそこは」
「はい、まさに究極の独裁国家です」
「あのカテーリンって娘のな」
「あの統率はファンシズムの偶像崇拝とはまた別のものではないですか?」
「アイドルとは違うってのかよ」
「私は猫ですから」
こう前置きしてからの言葉だった。
「学校には通っていませんが」
「学校?」
「学級会の様な感じがするいう話を聞いたことがあります」
「あっ、確かに」
暫く沈黙していた史羅がここでまた口を開いた。
「ソビエトの状況はそうね」
「そうですね。そんな感じらしいですね」
「あのカテーリンという娘が学級委員で」
「そしてミール=ゲーペという方が風紀委員だと」
「そうね。そんな感じだわ」
「そんなお話を聞いたことがあります」
「ではあのカテーリンという娘は国家全体を学校と考えているのかしら」
史羅はこう考えて述べた。
「そうなると」
「そうかもですね。ただ」
「ただ?」
「カテーリンという娘は悪意はないと思います」
久重はカテーリンのその面を指摘した。
「本人はよかれと思ってやっていますね」
「じゃあ悪人じゃないのかよ」
「私はそう思います」
こう田中に話す久重だった。
「あくまで推測ですが」
「けれどよ。ソビエトってよ」
「とんでもない国家だというのですね」
「だろ?どう見てもな」
「それはその通りです」
ソビエトの恐ろしさはだ。久重は否定しなかった。
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