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ヘタリア大帝国

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51部分:TURN5 中帝国その八


TURN5 中帝国その八

「僕達も艦隊指揮頑張るから」
「一緒に活躍しようね」
「ああ。じゃあ宜しくな」
 自分でも驚く位あっさりとだ。田中は彼等を受け入れた。そのうえでだ。
 今度は久重にだ。こう言うのだった。
「で。手前は何でここにいるんだ?」
「私がここにいる理由ですか」
「そうだよ。いつもあの博士と一緒じゃねえのかよ」
「そうですよ。私は博士の口ですから」
 それはそうだとだ。久重は田中にはっきりと答える。
「同行させて頂いています」
「じゃあ博士もここにいるのかよ」
「そうです。今は艦の研究室に篭もっておられますが」
「何でここに来てるんだ?」
「満州の資源を調べる為です」
「この満州のかよ」
「はい、満州には既に多くの資源があることがわかっています」
 久重はあらためて田中に話していく。姿勢もきちんと座って礼儀正しい。
「ですがどうやらさらにです」
「資源があるってのかよ」
「その資源の調査にです」
「博士は満州に来てるのかよ」
「そういうことです」
 やや誇らしげな声になってだ。久重は田中に話した。
「おわかり頂けたでしょうか」
「まあそれならな。しかしな」
「しかしですね」
「あの博士資源の調査にも頑張ってるよな」
「博士の専門分野の一つですから」
「兵器の開発とか生物だけじゃないんだな」
「えっへん、津波様は天才なのですよ」
 何故かだ。久重は自分も胸を張って述べる。
「ですから何でも出来ちゃうのです」
「それでメタン何とかも見つけたんだな」
「日本周辺の宙域に多くあるあれですね」
「あれ見つかって。全然違ってくるらしいな」
「我が国の資源問題がかなり好転します」
「すげえよな。あの博士が色々やってくれてな」
 それでだとだ。田中は唸る様に言っていく。
「日本帝国が違ってきてるよ」
「そうですよね。いや、津波様は本当に凄いです」
「全くだぜ。これで満州の資源が見つかったらな」
「さらに凄いことになりますよ。ただ」
「ただ?何だよ」
「津波様は自信のある方ですがそれでもです」
 どうかとだ。久重はここで言ったのだった。
「ドクツ第三帝国のレーティア=アドルフ総統には負けると仰っています」
「あの人ね」
 史羅はその名前を聞いてだ。眉を少し動かしてから述べた。
「あの人は確かに」
「はい。物凄いですよね」
「科学者としても数多くの特許を得ているし」
「多くの賞も受賞されています」
「そのうえで政治家としてもあのドクツを立て直したから」
 先の大戦の敗北で荒廃したドクツをだというのだ。
「まさに天才ね」
「津波様もいつも仰っています」
 久重は史羅にさらに話していく。
「あの方こそは真の天才だと」
「いや、津波様以上っていうのは」
「幾ら何でもないんじゃないかな」
「そうだよね。あの方より上って」
「それこそどんな人なのか」
 動物達はだ。久重の今の言葉を聞いてだ。
 それぞれ首を捻ってだ。こう言ったのだった。
「褒め過ぎ?過大評価?」
「そう思うんだけれど」
「日本帝国を科学面から支えられている津波様以上って」
「ちょっと」
「いえ、本当にそう仰ってるんですよ」
 久重は彼等にもはきりと話す。
 
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