ヘタリア大帝国
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45部分:TURN5 中帝国その二
TURN5 中帝国その二
「そしてブルガリアさんやハンガリーさんも取り込まれましたね」
「その調子でいけばルーマニアも時間の問題だな」
「では、です。後はです」
それからだった。レーティアの目指すものは。
「ロシアさんです。あの方の広大な領域をです」
「ドクツの手中に収める為に」
「ロシアさんと戦争されるでしょう。だからこそです」
「ふむ。ドクツとの同盟か」
「それを考えられてはどうでしょうか」
「そうだな。悪くない」
宇垣は日本の提案に腕を組んだ。そしてだ。
そのうえでだ。こう言ったのだった。
「ではドクツ大使館にドクツの情報を詳しく報告してもらうとしよう」
「そうしてからですね」
「うむ、帝と相談のうえだ」
その帝に顔を向けてだ。宇垣は日本に話した。
「それを決めよう。帝もそれで宜しいでしょうか」
「はい、私もそれでいいと思います」
帝もだ。宇垣の言葉に微笑んで答える。
「ではまずはドクツの調査を行うということで」
「そうしましょう。では祖国殿は」
「私はですね」
「そろそろ出陣されるな」
戦争に出る、そうなるというのだ。
「では見送らせてもらおう」
「そうして頂けるのですか」
「出陣する侍を送るのは武人の礼儀だ」
宇垣は軍服を着る者として日本に答えた。
「ならばだ。是非共そうさせてもらう」
「有り難うございます。それでは」
「では私もです」
帝も楚々とした声で名乗り出た。
「御見送りをさせてもらいますね」
「帝もそうして頂けるのですか」
「いつもそうしていますが」
「それはそうですが」
「祖国さんや東郷は戦場に赴くのです。死地に」
だからこそだというのだ。
「その貴方達を見送らないでどうするというのでしょうか」
「それ故にですか」
「はい、では出陣は明日ですね」
「そうです。明日の予定です」
「武運を祈ります」
こう日本に告げてだ。そのうえでだった。
日本は東郷と共に出撃した。そこにはだ。
韓国と台湾もいた。彼等も今は海軍の軍服を着ている。その服でそれぞれの旗艦の艦橋にいた。そしてそのうえでだ。こうそれぞれ言うのだった。
「ううん、俺達まで提督になったんだぜ」
「何か急に決まったわね」
「それが信じられないだぜ。嘘みたいなんだぜ」
韓国は艦橋のモニターにいる台湾に対して言っていた。
「よく山下さんが許してくれたんだぜ」
「そうよね。どうしてなのかしら」
「私としてはだ」
その山下もいた。彼女は台湾の旗艦である台湾、まさに彼女の船の艦橋にいる。そこから言うのだった。
「貴殿達二人には陸軍に留まって欲しかったが」
「それがなんだぜ?」
「急に変更になったのですか」
「帝がそう決断されたのだ」
山下はここで帝の名前を出した。
「今は海軍の戦力を増強されるべきだと判断されてだ」
「ああ、帝が決められたんだぜ」
「そうだったのね」
「そうだ。だからこそだ」
二人が提督になったというのだ。
「では私としても異存はない」
忠誠心の塊の山下としては異存がある筈がなかった。確かに東郷、海軍への反発はあるがだ。
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