ヘタリア大帝国
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44部分:TURN5 中帝国その一
TURN5 中帝国その一
TURN5 中帝国
日本は帝にだ。こう言われた。
「あの、今我が国は同盟国がありませんね」
「はい、残念ですが」
日本もだ。帝のその言葉に残念そうに答える。
「そうした国は今は」
「そうですね。それでなのですが」
帝は共にいる宇垣も見た。そのうえで彼にも言ったのだった。
「それで外相、同盟を結べそうな相手は」
「はい、残念ですが周辺にはいません」
そうした国はないというのだ。
「中帝国、ガメリカ共和国は論外ですし」
「そうですね。あの二国は」
「中帝国とは戦争中であります」
まずこの国の可能性が消えた。
「それでどうして同盟なぞ」
「そしてガメリカとは」
「今にも開戦に至りかねません」
そうした緊張した状況ではだというのだ。
「ですからあの国ともです」
「同盟はとても無理ですね」
「はい。その他にはですが」
「タイはどうでしょうか」
帝はこの国の名前を出した。
「あの国は独立国ですね」
「そうです。しかしです」
「しかしですか」
「エイリス帝国に囲まれております」
その国にだとだ。宇垣はここでも残念な顔で帝に述べる。
「それではとてもです」
「同盟を結べませんか」
「エイリスは今は我が国を警戒しておりますので」
「かつては我々は同盟国同士だったというのに」
「あれもまた残念でした」
宇垣は苦い顔で帝にだ。また述べたのだった。
「我等にとっても日英同盟は非常に大きな利益がありました」
「そうですね。世界最大の国との同盟だったのですから」
「しかしそれがです」
「あの同盟解消はガメリカの横槍でしたが」
「その通りです。あの国は太平洋の市場独占を狙っていますので」
「それ故にですね」
「はい、そうです」
まさにその通りだとだ。宇垣は今度は忌々しげに言った。
「それからです。我が国は孤立しています」
「困ったことですね。しかしです」
「これからはですね」
「何処かの国と同盟を結びたいと思います」
帝は切実な顔になり宇垣に答えた。
「何処かあるでしょうか」
「私としてはです」
ここでだ。日本が帝に言ってきた。
「ドクツ第三帝国が気になります」
「ドクツといいますと」
「はい、今レーティア=アドルフ総統の下急激に勢力を伸ばしている国です」
「オーストリアを併合したそうですね」
「そしてハンガリーさんやブルガリアさんも取り込まれました」
「ドイツ、プロイセンに加えてですか」
「今では飛ぶ鳥を落とす勢いです」
日本はこう帝にだ。ドクツの現状を話す。
「あの国はどうでしょうか」
「ドクツですか」
「そうです。私としましてはソビエトが気になります」
日本の顔がここで曇った。
「ロシアさんのことを考えますと」
「そうだな。ロシアこそが我が国最大の脅威だ」
宇垣も日本のその言葉に頷いて答える。
「あの国は油断できぬ」
「そうです。だからこそです」
「ドクツと手を結び東西から挟撃するか」
「少なくともソビエトを牽制できます。それにです」
「それにとて?」
「レーティア=アドルフさんは常にドクツの生存圏確保を主張されています」
これがその彼女の主張だというのだ。
「東方に大きくです。ドクツの生存圏確保をです」
「ドクツから見て東方というとだ」
「はい、ポッポーランドにです」
「ロシアだな」
「既に同じ民族国家のオーストリアさんを併合されました」
このことが大きかった。まずはだ。
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