ドリトル先生と春の花達
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第五幕その十一
「清少納言さんによるとね」
「明け方ねえ」
「つまりお日様が昇る時だね」
「その時が一番いいっていうのね」
「そうだよ、けれどね」
先生はその春の明け方についてこう言いました。
「僕は日の出前より起きるってね」
「うん、僕達もね」
「殆どないわよ」
「大抵起きるのは六時」
「トミーもそれ位で」
「もうお日様上がってるわよ」
「春だとね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「その言葉を実感することは少ないね」
「春は明け方っていうことは」
「どうしてもだね」
「まあ何ていうかね」
「明け方に起きる人なんていないね」
「今はね」
「そうだよ、昔の日本人は早起きの人が多くてね」
清少納言さんだけでなくです。
「日の出を見るならわしがあったんだよ」
「つまりその頃には起きていたんだね」
「そうだったのね」
「それで起きて一日をはじめていた」
「凄い朝方だね」
「このこと前にもお話したけれど」
「あらためて凄いって思うね」
「うん、今もお仕事で早起きの人が多いし」
このことは学生さんもです、中には本当に暗いうちから起きている人がいたりするのです。
「日本人は今でもね」
「早起きの人が多い」
「そういうことね」
「そうだよ、だから春の明け方をね」
そのよさをというのです。
「知っている人も多いよ」
「今の日本人でも」
「それは凄いね」
「僕達はそこまで早起きじゃないけれど」
「そうした人達もいるってことね」
「うん、けれど六時起きでもね」
明け方ではなくてもです。
「春の良さは実感出来るからね」
「食べてもね」
「そうだよね」
「その通り、じゃあ食べよう」
是非にというのです。
「今日はそれをね」
「お団子と桜餅とういろう」
「桜の和風ティーセットを」
「僕達皆で」
「うん、食べてね」
まさにそうしてとです、笑顔で言ってでした。
先生はこの日はお茶を飲んで和風ティータイムも楽しむのでした。日本の春の楽しみの一つを。
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