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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1877話

 ブフを得意とする臆病のマーヤと、アギを得意とする残酷のマーヤ。
 共にスライム状のシャドウで、強さも同じくらい。……若干残酷のマーヤの方が強いくらいか。
 外見で違うのは、臆病のマーヤは青い仮面を付けており、残酷のマーヤは赤い仮面をつけているか。
 ともあれ、そんな感じだけに敵としては丁度いい。
 こっちの戦力も有里、真田、順平と3人で、向こうも3匹。
 そういう意味では、丁度いい遭遇戦だったと言えるだろう。
 まず真っ先に突っ込んだのは、順平……ではなく、真田。
 まぁ、真田の武器は拳だ。長剣や大剣を使っている有里や順平よりも間合いが短いだけに、敵との間合いを詰める必要があったのだろう。
 そうして狙ったのは、3匹の中で最も強力な残酷のマーヤ。
 素早く振るわれた拳が、あっさりと残酷のマーヤの仮面を叩き割り、その本体も蹴散らす。
 真田も結構上の階まで来ているだけに、残酷のマーヤは相手にならないのだろう。

「順平、ペルソナで真田先輩の援護を! 僕もペルソナを使うから! ……オルフェウス、アギ!」

 その言葉と共に有里は召喚器を使い、吟遊詩人を思わせるペルソナが姿を現す。
 そして、真田に向かって攻撃をしようとしていた臆病のマーヤを牽制するかのように、炎の塊――アギ――が放たれた。

「ちっ、分かったよ! ……くっ、くそっ!」

 意外や意外。
 有里の言葉に分かったと叫んだ順平だったが、いざ召喚器を額に突きつけるも、ペルソナを召喚する事が出来ないでいた。
 最初の臆病のマーヤと戦った時は、大剣を手にして自分で攻撃したから……そして何より、勢い任せの攻撃だったことも影響し、そのままの勢いで臆病のマーヤを倒す事が出来た。
 だが、ペルソナを召喚するとなると、やはり勝手が違うのだろう。
 ……いや、俺はペルソナを召喚出来ないので、何とも言えないが。
 ただ、順平のあの様子を見る限りでは、何となくそんな感じに見える。
 そして当然のように順平が躊躇っている間にも、戦いは行われていた。
 有里のオルフェイスが放つアギは、真田に向かって攻撃をしようとする臆病のマーヤに命中し、その態勢を大きく崩す。
 放たれようとしていたブフは、そのままあらぬ方に飛んでいった。
 そして1匹の臆病のマーヤが体勢を崩している隙に、真田は残るもう1匹の臆病のマーヤに向かって突っ込んでいく。

「うおおおおおおおおおおおおおおっ!」

 雄叫びを上げつつ近づいてくる真田には、臆病のマーヤも恐怖を感じたのか……今までとは少し違った様子で、ブフが放たれる。
 一本の大きめな氷柱ではなく、指先程の氷柱が大量に放たれたブフ。
 だが、真田は走っている途中で強引に方向を変え、その氷柱の一撃を回避する。
 大きく回避した分だけ、臆病のマーヤに次の行動を取らせる余裕を与えたが、幸いと言うべきか臆病のマーヤの動きはそこまで早い訳ではない。
 身体を触手状にして伸ばし、そのまま真田を殴ろうとし……だが、その一撃が放たれるよりも前にヘルメスが飛ぶ。
 どうやら、ようやく順平がペルソナを召喚する事に成功したらしい。
 自分に近づいてくる人間とペルソナ。
 臆病のマーヤはそのどちらに攻撃するのかを迷い……やがて、次の瞬間には、真田の一撃がシャドウに向かって放たれ、シャドウの仮面は破壊されて致命的な一撃を与えた。

「よっしゃぁっ! やったぜ!」

 それを見て順平が喜びの声を上げるが……

「油断するな、まだだ!」

 有里の鋭い声が周囲に響く。
 そう、その言葉は正解。
 真田が倒した臆病のマーヤはともかく、もう1匹の……最初に有里が牽制した方の臆病のマーヤは、まだ倒した訳ではないのだから。

「分かってる!」

 一撃で臆病のマーヤを倒した真田はそう叫び、召喚器を手に取る。

「ポリデュークス!」

 その声と共に召喚されたのは……何と言えばいいか、マッチョなペルソナとでも呼ぶべき存在だった。
 ……そう言えば、真田のペルソナを見るのは何だかんだとこれが初めてだったか?
 ペルソナはその人の願望とかが反映されるとか、そんなのだったか?
 ともあれ、現れたペルソナはその巨体に似合わぬ速度で体勢を立て直した臆病のマーヤに近づき……一気に踏みつけた。
 いやまぁ、大きさの差というのもあるんだろうが、ちょっと予想外の光景だったな。魔法とかで攻撃するのではなく、まさか踏みつけるとは。
 圧倒的な質量差がある事もあり、臆病のマーヤはその一撃が致命傷となり、そのまま消えていった。
 こうして戦闘が終わったんだが……

「順平! 1匹シャドウを倒したからといって、戦闘の途中で気を抜くな!」
「……すいません」

 真田の叱責に、順平は頭を下げる。
 順平にとっては、ペルソナを召喚するのにも手間取り、ようやくペルソナを召喚してみれば、今度はその後の行動で叱られたのだ。
 当然のように、自分のミスに思うところはあるのだろう。
 だが、真田はペルソナの使い方で注意はしても、ペルソナを召喚するまでに時間が掛かった事を注意する様子はない。
 この辺り、ペルソナを使った初めての戦闘という事もあり、一応配慮はしているのだろう。

「取りあえず、その辺は場数を踏むしかないだろうな。それより、戦闘準備をしなくてもいいのか? 今の騒動が引き寄せたのか、またシャドウが来るみたいだが」
「何っ! 有里!」
「はい、すぐに戦闘準備を整えます。順平、しっかりして!」
「お、おう! お前に言われなくても、そのくらい分かってるっての!」

 有里の声で我に返った順平だったが、さっきの件をまだ気にしているのか、半ば喧嘩腰の口調で叫ぶ。
 そうして叫ぶ間にも、やがてシャドウが姿を現す。
 やがて通路の曲がり角から姿を現したのは、臆病のマーヤ。
 出てきたシャドウは一番弱いシャドウ。
 それを見て安堵の息を吐いたのは真田だったが……姿を現した臆病のマーヤの数が6匹ともなれば、話は違う。
 いや、これで真田だけであれば例え臆病のマーヤが6匹を相手にしても問題はなかっただろう。
 だが、ここには真田以外に有里と順平という2人の新人ペルソナ使いがいる。
 そちらを狙われれば、真田もどうしても出遅れてしまうだろう。
 しょうがない、か。

「俺が出る。3匹は任せろ。ただし、もう3匹はお前達で倒せよ」

 そう告げ、ゲイ・ボルグを手に1歩前に踏み出す。

「ちょっ、おいアクセル! お前、危ないって! 1人でシャドウ3匹なんて無理だから!」

 叫ぶ順平だったが、その言葉に一瞬力が抜けたように感じた。
 いやまぁ、順平はゲイ・ボルグは見ても、直接俺の力を知っている訳ではない。
 ああ、一応寮の屋上で模擬戦をしたし、真田との模擬戦もやったんだから、完全に何も知らないって訳じゃないと思うが……とにかく、それで知る事が出来たのは、自分よりは強いという事だけだった。
 だからこそ、俺が1人でシャドウ3匹を相手にすると言われ、叫んだのだろう。
 俺を心配しているからこその言葉だというのは分かっているのだが、それでもやはり思わず苦笑を浮かべざるを得ない。
 いや、この場合は俺の力を臆病のマーヤと同程度に見た……と、怒ればいいのか?
 どちらにするのかはともあれ、俺は順平の声を聞きながら瞬動で一気に前に出る。

「あ?」

 一瞬にして俺の姿が消えた事に、順平の口が間の抜けた声を発するが……俺はそれに構わず、ゲイ・ボルグを振るう。
 特に狙った訳ではないので、大ざっぱな一撃と呼ぶに相応しい攻撃。
 だが、ゲイ・ボルグという槍と、何より純粋な俺の膂力により、次の瞬間には3匹の臆病のマーヤは、纏めて消滅していた。
 それを確認し、ゲイ・ボルグを軽く振るう。
 いや、別に血がついてたりする訳じゃないから、意味はないんだけどな。
 癖のようなものだ。

「後は任せたぞ」

 それだけを言い残し、俺は再び瞬動を使って戦闘区域から離れた位置まで移動する。

「え? あれ? ちょっ……えええええ? 何があったんだよ!」
「驚くのは後でいいから、今はとにかく自分の戦いをしろ。ほら、来るぞ」

 何が起きたのか分かっていない……いや、その目で見ているので分かってはいるのだろうが、理解出来ていない順平に、そう言葉を返す。
 実際臆病のマーヤは仲間が倒されたにも関わらず、真っ直ぐこちらに向かってきていた。
 仲間が倒された事に気が付いていないのか、それとも単純に仲間が倒されても特に気にしていないのか……ともあれ、スライム状の身体は地面を滑るようにしてこっちに近づいてきていた。

「っ! 取りあえず1人1匹を相手に! それで、自分の敵を倒したら他の仲間の援護に! 順平、この敵は火が弱点だった筈だから、ペルソナでアギを!」
「分かってるよ!」

 自分だけに改めて念押しされたのが気にくわなかったのか、順平は苛立ち混じりに叫ぶと、次の瞬間召喚器に手を伸ばす。
 そんな順平の側では、有里もまた召喚器に手を伸ばしていた。
 唯一真田だけは、ペルソナを召喚するのではなく自分で真っ直ぐにシャドウに向かって突っ込んでいく。
 当然の事だが、有里がシャドウをそれぞれ撃破するように指示を出したからといって、シャドウがわざわざそれに従わなければならない義理はない。
 そして最下級のシャドウの臆病のマーヤは、自分達に向かって突っ込んでくる真田に対して3匹揃って集中攻撃をする事にする。

『ブフ』

 3匹の臆病のマーヤから、同時に放たれたブフ。
 それは合計で6本の氷柱となり、自分達に向かって突っ込んでくる真田に向かって飛んでいく。

「うおおおっ!」

 当然真田も、自分に向かって攻撃されるというのは理解していたのだろう。
 突っ込んでいった速度のまま身を低くし、地面を滑る。
 スライディングのような感じでブフの攻撃を潜り抜ける。
 もっとも、幾ら何でも無傷で済む筈がなく、何本かの軌道が低かった氷柱に何ヶ所かかすり傷を負っていたが。
 ともあれ、放たれた氷柱の一撃を回避しながらスライディングをした真田は、一番近くにいた臆病のマーヤの身体に思い切り足をぶつける。
 スライム状の身体をしている臆病のマーヤだけに、当然その一撃で倒すという訳にはいかず……いや、それどころか、足の大部分がスライム状の身体に飲み込まれたかのように動きを止めてしまっていた。
 だが、それが半ば真田の狙いだったのだろう。
 そのまま半身をスライムに埋めつつ、拳を振るう。
 身体全体を使った一撃ではなく、あくまでも腕の力だけを使ったパンチ……いわゆるテレフォンパンチという奴だったが、それでも臆病のマーヤの仮面を砕くには十分な威力があった。
 そして真田は転がるようにしてその場を離れ……そのタイミングを待っていたかのように、2発のアギが飛ぶ。
 いや、実際に有里と順平はそれを待っていたのだろう。
 2人のペルソナから放たれたアギは、転がった真田を追おうとしていた臆病のマーヤに命中し、その場でバランスを崩させ、転ばせる事に成功させる。
 ……何度か見てるが、スライム状の臆病のマーヤが転ぶというのが、奇妙な光景に見える。
 ともあれ、そうして転んだ臆病のマーヤは、既に起き上がっていた真田や、追撃を放とうとしていた有里、順平のの敵ではなく……2匹揃って3人の手でボコボコにされて、やがて倒される。

「今回の連携はそれなりに上手くいったな。順平も怖がってペルソナ召喚が出来ないって事はなかったし」
「ばっ、怖がってなんかいねえよ!」

 俺の言葉に、順平が叫ぶ。
 最初の戦いで怖がってペルソナの召喚が遅れたというのは、順平にとっては忘れたい出来事なのだろう。
 怒鳴り、何とかなかったことにしようと必死な様子だ。
 取りあえず武士の情けとして、その辺は突っつかないでおこう。

『アルマー、そちらはどのような具合だ?』

 順平からそっと視線を逸らすと、丁度そのタイミングで桐条からの通信が入る。

「そうだな。取りあえず2階、3階といった場所なら何とかなるだろうな。ただ、シャドウが纏めて出てきたりするから、注意が必要だと思うが」
『……だろうな。いきなりシャドウ6匹の反応があった時は、私も驚いた。もっとも、私よりも先にアルマーが察知していたので、言葉を挟む隙もなかったが』

 どうやら俺の察知能力は、桐条のペルソナよりも上らしい。
 まぁ、俺が桐条のパーティと行動を共にしていないのであれば、十分索敵とかを任せる事が出来るのだろうが。

「とにかく、この調子でもう少し戦って戦闘に慣らして、それからそっちに戻ろうと思うんだけど……それで問題ないか?」
『ああ、それで構わない。……世話を掛けるな』

 最後に付け足すように呟く桐条の言葉は聞かなかった事にして、俺は新しいシャドウを求めてタルタロスの探索を続けるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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