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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません

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第二十三話 軍務尚書のお仕事


すみません、卒業式がなかなか来ません。二十四話こそ卒業式に。
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第二十三話 軍務尚書のお仕事

帝国暦478年5月21日    

■オーディン  ノイエ・サンスーシ   謁見室   ハーロルト・フォン・エーレンベルク 

 皇帝陛下がお呼びとの事ゆえ参内すると国務尚書と余り仲の良くない同僚達も参内していた。
国務尚書リヒテンラーデ侯は相変わらずの苦虫をかみつぶしたような顔をしている。
宇宙艦隊司令長官ベヒトルスハイムは元帥杖を持つ手が落ち着かない様子であり。
統帥本部長のシュタインホフは相変わらず捉え所のない顔をしながらなにやら考えてるように見える。
 
暫く待つと陛下がご登場なされたため、全員で挨拶をし陛下からお言葉があった。
陛下は深刻に話し始められた。

其れは今年中に叛徒共がイゼルローンへ侵攻する可能性が有るとのことであった、陛下なりに情報をどこからか手に入れたらしいが、シュタインホフの情報部からであろうか?
嫌違うなシュタインホフも初耳の様な驚きをしている。

ベヒトルスハイムが『恐れ多いながら可能性だけで軍を動かせません』と言うと、
陛下が『それならば新規士官を研修するために遠洋航海という形で軍の準備をするが良い』と仰った。
なるほど良い考えだ此なら叛徒にも悟られずに準備が出来よう、陛下も旨いことを考える物だ。

最近の陛下は以前と比べて精力的に成られている。
以前ならば二日酔いで謁見しておられた物だがいまは確りと謁見しておられるのだから。
お変わりに成られたのは、グリューネワルト伯爵夫人が寵姫に成られてからであるから、伯爵夫人の何かしらの影響なのだろう。

シュタインホフにはイゼルローンでの作戦の立案をご命令成された。

自分の番になり、陛下より『今年度卒業生は従来のような一年間デスクワークではなく半年間はイゼルローンヘ配置し戦場の息吹に曝すようにいたせ、成績優秀者は旗艦に乗せ研修させるよう』勅命を受けた。

その後『今度の士官学校卒業式にテレーゼが出たいと言っておるから頼むぞ』と仰られたのです。
皇太子殿下ならば緊張もするが。テレーゼ様は何度かお会いし何度も話し、ブリギッテとも仲の良いお方であるし過度の心配はないでしょうな。

皇帝陛下は我らに『叛徒共やフェザーンに知られぬように防諜を確実な物として準備せよ』と仰った。
此には我らも驚きの表情をしてしまっわい。
シュタインホフが口を開けて目を見開く姿は滑稽であった。
陛下はお変わりつつあるという感覚を持ち、自身の職責を益々精進する気になったのが今日という日であった。


帝国暦478年6月15日    

■オーディン   軍務省     軍務尚書室      ハーロルト・フォン・エーレンベルク 

 陛下との謁見から早三週間我々は急ピッチで準備を続けていた。
新規任官士官5078人の辞令準備やイゼルローン要塞における配備場所への準備を宇宙艦隊総司令部とやりとりしながら行ってきた。

|練習艦隊《イゼルローン増援》がオーディンを発つのが7月10日であるから大変なことであるがやりがいのある仕事だが、この種類の量は何とかならんのだろうかここ一週間は判子押しばかりしている。
面倒だからと適当には押せんしいい加減疲れてくる物だ。
ベヒトルスハイムやシュタインホフはある程度部下に丸投げ出来るが儂はできんからな仕方のないことだ。
此で叛徒共が来なければ、内容を知らずに残業の連続の部下達から文句が続出するだろう。
この状態では士官学校の卒業式は軍務次官代理をさせテレーゼ様をエスコートさせねばならんな。


帝国暦478年7月8日    

■オーディン   軍務省     軍務尚書室      ハーロルト・フォン・エーレンベルク

 取りあえず早朝から士官学校の入校式だけは参加し訓辞を述べてきたが、疲れから貴賓席で居眠りしてしまった。

 先ほどシュタインホフから情報部が叛徒共のイゼルローン攻撃を察知したとの連絡があった。
彼奴も役に立つときがあるのだな。
これで今までしてきた苦労が報われる、部下達も納得してくれるだろう明後日は出撃だし肩の荷がやっと下りた気がする。
此から先は、ベヒトルスハイムと艦隊司令ミュッケンベルガーとイゼルローンの連中の仕事だ。
12日は久しぶりにブリギッテと何処かへ出かけるとしよう、どこがよいであろうかの。

 
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