ヘタリア大帝国
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131部分:TURN13 オフランスへその四
TURN13 オフランスへその四
「スエズ総督もなのか」
「はい、残念ですが」
「噂では南アフリカの総督も酷いらしいな」
「現地の少女を虐待しているそうですね」
「本当なら許せないことだ」
モンゴメリーはその端整な顔を歪ませて言った。
「断じてな」
「その通りですね。全く以て」
「私もできればそうした輩は成敗したい」
騎士らしくだ。モンゴメリーは毅然として述べた。
「だが今はだ」
「それはできませんね」
「そうだ。その余裕は今はない」
今度は苦い顔になってだ。モンゴメリーは述べた。
「我がエイリスにはな」
「それが残念であります」
「軍は女王陛下、そして祖国殿に忠誠を誓っている」
無論モンゴメリーもだ。しかしだった。
「だが。貴族達はだ」
「戦わない者達はですね」
「確かに私も貴族だ」
モンゴメリーにしてもそうだった。彼とて名家の嫡男だ。そうした意味ではロレンスもネルソンも同じだ。しかし騎士提督に選ばれたのはその資質からである。
その彼がだ。こう言ったのである。
「だがそれでもだ」
「戦場に身を置かれ」
「戦いの中にあればまた違うのだがな」
「問題は安全な場所で私腹を肥やす者達ですね」
「あの者達は自分のことしか考えていない」
それもだ。私腹を肥やすことだけだというのだ。
「全くだ。だからだ」
「許してはなりませんね」
「断じてな。だが本当にだ」
「今は何もできませんね」
「その余力がないからな」
戦争中だ。戦争が最優先されるのは自明の理だ。
それ故にだ。貴族達の処遇もだ。今は後回しにせざるを得なかった。
だがそれでもだ。モンゴメリーは忸怩たる顔でこう言うのだった。
「しかし。彼等がこのまま放置されればだ」
「我がエイリスにとって」
「癌になるだろう」
このことを危惧しての言葉だった。
「頭の痛いことだ」
「全く以て」
彼等はこう話してだ。頭を悩ませていた。そしてそれは。
北欧で勝利を収めたドイツも同じだった。彼はプロイセンにだ。笑顔でこう言われたのだ。
「遂にイタちゃん達が動くぜ」
「今何と言った?」
「だからな。イタちゃんも軍を動かすんだよ」
「あいつがか」
「俺達に負けられないって言ってるぜ」
プロイセンは実に嬉しいといった顔でだ。ドイツに話す。
だがドイツはそう聞いて暗澹たる顔になりだ。プロイセンにこう言い返した。
「相棒は何故そこまで明るくなれるんだ」
「そう言う相棒は暗いな」
「暗くならない筈がない」
イタリンが動く、そう聞いてはだというのだ。
「全く。あいつとロマーノだな」
「そうそう、ロマーノもだよ」
「二人の妹達はいいのだが」
彼女達についてはだ。ドイツはこう言えた。
「だが。それでもだ」
「それでもかよ」
「あいつの上司は」
「ムッチリーニさんだよな」
「大丈夫なのか?」
心から心配する顔でだ。ドイツはプロイセンに問うた。
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