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俺のペットはアホガール

作者:猫丸
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『女子部屋/恋バナナ』

「なんだろう……これ」
***

「ふぃ~いい湯だったしぃ~」

「おじさんですかっ」

「(……もう少しつかっていたかったのに)」

温泉を出るというしおたちに続けてあがって脱衣所♪
体をふきふきふいて、持って来たパジャマにお着換え~♪ レモン柄のパジャマ、可愛いっしょ?
ちらりと着替えているしおとみきを見てみると~

「もこもこ可愛い!」

「なっ!? いきなり話しかけないでくださいっイラン先輩!!」

みきがしおに(無理やり)着せようとしている羊のコスプレみたいな白いもこもこパジャマ超可愛いし!!
やっぱしおと言えばフードのふわふわは頭の左右にくるんとなった羊の角みたいのがついてて、お尻の方にはちっちゃなしっぽがふりふりで超可愛いし!!

「ふっふっふ」

みきと見つめ合い

「?」

ガシッと腕相撲するときみたいな感じで手を握り合うし。

「イラン先輩もやっぱりそう思いますよね!」

「これを選んだ、みきは見る目あるし!」

お互いの手を握る力が強くなるし。

「……でも真夏にふわもこはちょっと(さすがに暑い)」

「でもも、ちょっとも、ないですよっしーさん!!」

「しお。可愛いは我慢との戦いなんだし」

「は…はぁ…?」

キョトンとしたしおのことはみきが放っといても大丈夫ですから、しーさんの可愛さについて部屋で語り合いませんか? と言って脱衣所のドアを開けてコッチコッチって、てまねきするからしおの腕握って

「へっ?」

脱衣所を出てアタシらが泊る部屋へゴーゴーカレーだし♪


「あっ。しーパイセン!」

「およ?」

脱衣所を出てすぐ、白髪の女の子に呼び止められたし。誰だし? しおの知り合い?
女の子はしおに近づいて子犬みたいなカンジでじゃれついてるし。しおも飼い主みたいによしよーしって頭、ナデナデしてあげてるしぃ。

「えへへ~♪」

「ひーちゃん、なんでここにいるの?」

「ぁ……美希もいたんだねっ」

ひーちゃんって呼ばれた女の子はみきを見つけてまたとろ~んってとろけた顔してるぅ~、ほっぺたでも落っことしそぉ~。
しおたちとは昔からの仲良しさんで、今日は家族旅行でタマタマこっちの方に遊びに来てて、タマタマこの旅館に泊まることになったんだって~。で、タマタマ困っていたところに、タマタマしおを発見して嬉しくなってタマタマしながら話しかけてきたそーだし。タマタマ。

「困りごとって……何があったの」

「そ、それがですね…」

歯切れ悪く、アタシらに見えないように後ろに隠していたものを前にもってくるひーちゃん。

「棒?」

「あ……それ」

「アーーー!!?」

「っ!! なんですかいきなりっ!?」

「海の更衣室でロッカーの中にあった変な棒だ。ゴミ箱に捨てたはずなんだけど…」

「旅館の脱衣所のゴミ箱で拾って伝説的な棒じゃん。りつこにボッシュートされたのになんでここにあるし?」

「「へ?」」

しおと顔を見合わせるし。しおの瞳って綺麗な色しててうらやまだしぃ。ウィンクしたら顔赤らめてそっぽ向かれたし、しおってはウブで可愛いし♪

「なにしてるんですか……イラン先輩」

でもみきには冷たく見られたし。ひーちゃんはアゴに手を添えてきょとんと首傾げてるし♪

「えっと、美希はどう思う?」

「べつにどーでもいいですよー。あまりこの件に深く関わっちゃいけないような気がする」

「そうなの?」

「ひーちゃん。この世界で生きていこうと思ったら、深く考えるちゃ駄目なんだよ。
 魔界のモンスター達に食べられちゃうんだよ」

「えっ、僕達食べられちゃうの!?」

「こら美希、変な事吹き込まない。食べたりなんてしないから安心して」

「しーパイセン///」

「しーさんは知らないだけですよぉ~」

ん……楽しそうに話しているしおたち。そっちよりもアタシはひーちゃんちゃんが持っている伝説的な棒が気になるし。
アタシじゃないアタシがあの棒を手に入れろって言ってるような気するし~、そうでなくても伝説とか言われたら欲しくなるのがニンゲンってもんだし~。

「あっ。そうだし! イイコト思いついたし♪」

「イラン?」

「どうしたのですか??」

「(……なんだろう。嫌な予感しかしない)」


 
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