レーヴァティン
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第二十七話 騎士の参入その七
「実在人物で三銃士達も」
「実在かよ」
「モデルになった人達がいるんだ」
アトス、ポルトス、アラミス共にというのだ。
「そうした意味で三人共実在人物だよ」
「王様も王妃様もロシュフォールもだよな」
「実在していないのはミレディーだけかな」
作中で悪役であるこの魔女位だというのだ、妖艶で色々と暗躍するが何処か悲しいところのある美女である。
「鉄仮面も実在してたしね」
「ああ、あの」
「そう、一生牢獄にいたっていうね」
「正体今も不明だよな」
「王様の関係者って噂だけれど」
三銃士の時はルイ十三世だ、その子ルイ十四世の関係者だというのだ。
「太陽王のね」
「だとすると相当な重要人物だな」
「だから一生牢獄にいたのかもね」
「そうだよな」
「鉄仮面な」
正もこのフランスの歴史上最も謎に満ちていると言われているこの人物について言及した。
「王様の兄弟って聞いたぜ、俺」
「その説有力だよ」
「映画にもなってたよな」
「うん、日本のアニメでも出ているよ」
「映画だとディカプリオさんが主演でな」
「ダルタニャンと三銃士も出ていてね」
「凄い面白かったな」
正は映画の感想も述べた。
「何ていうか謎があるとな」
「実際どうなのか考えてね」
「面白くなるな」
「そうだよね」
「こっちの世界にもそうした話あるか?」
「そうかもね」
こうしたことを話しつつだ、久志達は自分達が得た情報を話していった。その中には五人目そして六人目のものもあった。
その話にだ、正は目を輝かせて言った。
「相当有益だったな」
「ああ、酒屋行ってな」
「図書館もでした」
今度は久志と順一が話した、二人共実によく飲んでいる。
「この島の現在の情勢の細部だけでなく」
「そっちの情報も入ったぜ」
「外の世界から来ているとなりますと」
「やっぱり目立つからな」
「だよな、俺達も名乗ったらな」
それこそとだ、正も言う。
「皆言うしな」
「異邦人は目立つものです」
順一は正に応えてこうも言った。
「カフカの変身の様に」
「あれ虫だろ」
朝起きると虫なっていた、ユダヤ人であるカフカが無意識的に欧州社会の中で生きている中で感じていた異邦人故の違和感から来る恐怖が作品を形成しているという説がある、
「人でもか」
「はい、異質という点ではです」
「同じか」
「ですから」
「あの虫みたいにか」
「目立つものなのです」
そうなるというのだ。
「異邦人というものは」
「そうなんだな」
「はい、人はです」
まさにというのだ。
「自分達の中に異質のものがあれば」
「注目してか」
「異質な者は目立ちます」
注目されて必然的にというのだ。
「そうなります」
「成程な、だから噂にもなるか」
「そうなのです、そして」
「その噂がだな」
「私達を助けてくれています」
情報となって出ていてというのだ。
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