レーヴァティン
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第二十七話 騎士の参入その二
「そちらになります」
「あんた達の方に引っこ抜くのか」
「そうなります」
「騎士団から、どうやらあんた達冒険者だな」
「そうですが」
「そっちに引っこ抜きたいか」
「駄目でしょうか」
こう兵士に尋ねた。
「それは」
「騎士は収入がいいんだよ」
それはというのだ。
「それこそな」
「冒険者と比べると」
「別格でな」
「並の冒険者とはですね」
「何しろ貴族だからな」
騎士イコール貴族である、下級ではあるがそれでもこちらの世界でも騎士は貴族になるのだ。
「土地も貰えてな」
「そちらの収入で、だね」
源三も言う。
「かなりの収入があるんだね」
「そうなんだよ」
「ううん、僕達もね」
源三は自分達の収入のことを話した。
「お金については」
「あるのかい?」
「これだけね」
この世界での資産を述べた、すると兵士は仰天した顔になってそのうえでこう彼に言った。
「いや、そこまでいったら」
「街位変えるよね」
「このケーニヒスベルグは無理でもな」
それでもというのだ。
「ちょっとした街ならな」
「変えるね」
「領地だってな」
それこそとだ、兵士は源三のそちらの話もした。
「変えるよ」
「そう、じゃあもうちょっとお金を貯めて」
源三は驚いている兵士にくすりと笑って話した。
「このケーニヒスベルグも買おうかな」
「よくそんなに貯めたもんだ」
「強いモンスターを倒してるからね」
「ドラゴンでも倒してるのかい?」
「ドラゴンゾンビだよ」
「おいおい、そんなの倒すなんて」
言うまでもなくモンスターの中でも最強クラスだ、それは死して動く躯になろうとも変わらない。
「あんた達凄いな」
「他にも色々倒してるから」
「だからかい」
「うん、それだけのお金を持ってるよ」
「凄いな」
「それだけあればだね」
「本当にちょっとした街や領地を買えるよ」
兵士は源三に本気で話した。
「いや、あんた達お金持ちだね」
「僕は入って間もないけれど」
それでもというのだ。
「結構モンスターを倒してきてるから」
「冒険者ってもっと金ないんだがね」
それ程強いモンスターとの戦闘は身の安全の為に避けるからだ、幾ら生き返られてもむざむざ殺されに行く者もいない。
「あんた達は別か」
「そういうことだよ」
「ドラゴンゾンビを倒せる位強いからか」
「お金もあるよ」
「じゃあ領地も買うといいさ」
「街でもだね」
「そうなればもう一角の領主さんだ」
この島ではかなりの地位だ、当然ながら。
「大きいぜ」
「じゃあ大きくなる為にね」
「もっと貯めるか」
「四人目を仲間にしてね」
そうしてというのだ。
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