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ドリトル先生と春の花達

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第四幕その六

「日曜ですから」
「あっ、クリスチャンなので」
「この学園の教会に参ります」
 国教会のそちらにというのです。
「それで、です」
「それからお家に戻って」
「そのうえで、ですね」
「須磨の海に」
「そうされますか、ではです」
 日笠さんは思い切って切り出しました。
「先生のお家まで車で迎えに行きますので」
「日笠さんがですか」
「はい、キャンピングカーをレンタルして」
 動物の皆も見て言います、皆は日笠さんのその視線に気付かないふりをしています。ここはあえて。
「そうしてです」
「お迎えにですか」
「上がりますので」
「いえいえ、それはです」
「それいは?」
「女性の方にそうして頂くことはです」
 それはというのです。
「よくありませんので」
「だからですか」
「はい」
 それでというのです。
「僕の方からお迎えに上がります」
「いえ、それは」
「僕は車の運転は出来ませんが」
 それでもとです、先生はさらに言いました。
「友人の王子がキャンピングカーを持っています」
「アフリカからの留学生の」
「はい、あの王子がです」
「では王子にもお声をかけて」
「同居人のトミーにも声をかけて」
 先生の平等主義がよくも悪くも出ました。
「そして皆で行きましょう」
「皆で、ですか」
「はい」
 そうだというのです。
「そうしましょう」
「そうですか」
「駄目でしょうか」
「いえ、先生が言われるのなら」
 日笠さんも強く言えませんでした。
「それでは」
「はい、では」
「そうしましょう」
 内心がっかりして応えた日笠さんでした。
「それでお時間は」
「何時にしましょうか」
「朝の海はとても奇麗なので」
 内心のがっかりを隠しつつ言う日笠さんでした。
「ですから」
「それで、ですね」
「朝の早いうちに」
「ではです」
「それではですか」
「八時半までに王子やトミーと一緒にです」
 皆と一緒にというのです。
「教会への礼拝を終えて」
「そしてですか」
「八時半にです」
 まさにその時間にというのです。
「お迎えに参ります」
「私のお家までですか」
「今は社宅にお住まいですね」
「はい、八条学園の職員用の」
 そこにと答えた日笠さんでした。
「学園の傍の団地にいます」
「ではそちらにです」
「迎えに来てくれますか」
「はい」
 笑顔で答えた先生でした。
「そうさせて頂きます」
「それでは」
「はい、それでなのですが」
 さらにお話する先生でした。 
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