ドリトル先生と春の花達
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第四幕その四
先生はお昼に食堂に入るとです、不意にです。先生の前に来た日笠さんに言われました。
「あの」
「あっ、暫く振りですね」
「そうですね」
実はこの日先生にお話したいことがあってここに来たのですがそのことは隠して言う日笠さんです。
「今日はたまたまです」
「こちらに来られたんですね」
「それはその」
嘘を言えない日笠さんは返事に困ります、ですが。
先生にです、周りの皆が言いました。
「折角だから一緒に御飯食べましょう」
「ここでお会いしたのも縁よ」
「縁は大事にしないとね」
「だからね」
「そうだね」
先生は気付かないまま皆に応えました、そのうえで日笠さんに言いました。
「宜しければご一緒に」
「今からですね」
「はい、お食事をしませんか?」
「是非」
日笠さんはお顔を明るくさせて先生に答えました。
「お願いします」
「はい、それでは」
こうしてです、先生は日笠さんと一緒にお食事を摂ることになりました。先生の今日のお食事は天丼に木の葉うどんです、勿論どちらも大盛りです。そして日笠さんはお好み焼き定食です。
そのお好み焼き定食を食べつつです、日笠さんは先生に言いました。
「先生は今度の和歌会に参加されますよね」
「はい、そうです」
その通りとです、先生は日笠さんににこりとして答えました。
「そうさせて頂きます」
「そうですね、実はです」
「実は?」
「私も参加させて頂く予定でしたが」
「予定でした、とは」
「実は急に論文を書くことになりまして」
そちらのお仕事が入ったというのです。
「それで忙しいのですが」
「それでは」
「和歌会の参加が微妙になっていました」
「なっていました」
「ですが先生の参加は決まっていますね」
「もう絶対にです」
それはというのです。
「決まっています」
「そうですか、では」
先生のお言葉を聞いてです、日笠さんは確かな顔で言いました。
「私も論文を書き上げて」
「そうしてですか」
「参加します」
こう言うのでした。
「元々参加の予定でしたし」
「そうされますか」
「先生が参加されるなら」
それならというのです。
「是非」
「それでは」
「それで、ですが」
日笠さんは先生にさらに言いました。
「先生は和歌は」
「はじめてです」
「そうですね」
「はい、それが何か」
「インスピレーション等は」
詩に必要なそれはというのです。
「どうして得られているでしょうか」
「それですか」
「はい、どうされていますか」
「それでしたら」
先生は日笠さんの言葉にこう答えました。
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