『ある転生者の奮闘記』
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エピローグ
前書き
遅れてすいませんm(__)m
「まぁ飲めや茂」
「そうだね。ラムダスクイーンの討伐完了を祝って乾杯だ」
「二週間連続やけどな」
あのラムダスクイーンとの戦いから一週間が経った。俺は今、無事に日本星域に帰還していた。
ラムダスクイーンを撃破した後、柴神様の仲間のノーブドックの艦隊がラムダスクイーンを討伐するためにやってきた。
柴神様も仲間との再開に喜んでいたそうや。その後、ラムダスの討伐をノーブドックの艦隊に任して帰還。
日本星域に帰還すると民衆が埠頭に陣取って万歳三唱をしていた。
連合艦隊は三日間、日本星域で修理と点検をしてからそれぞれの故郷へと帰還した。
「それと雪風の結婚式もいよいよ明日だね」
「まぁこんな早くになるとは思わんかったけどな」
そう、何と俺は明日に結婚式をする予定や。勿論相手は圭子さん、山下長官――利古里、マリー、キャシー、ラスシャラ、シャルロット、リディアの七人や。
本来ならこのような重婚は日本では認められなかったけど、先の第二次宇宙大戦での人的被害もあり、帝が重婚の法律を制定した。
これにより重婚する事が可能になった……んはええんやけど、何か釈然としないな。
「……そのうち何かありそうだな」
「ん? 何か言ったか?」
「いやいや別に?」
まぁええか。
「ま、明日は兎に角頑張れよ」
「仲人はお前にしてやろうか?」
「緊張するから止めてくれ。ところであの子を引き取るのかい?」
「まぁな。あいつも俺達がおったせいで犠牲者や。せめての償いやな」
俺と茂は遅くまで酒を飲んだ。
そして翌日、俺達は結婚式をした。
「おめでとう狹霧」
「どうもです東郷長官。早く二人目作ったらどうですか?」
「そうだな、真希もお姉さんにでもさせるか」
「ハゲに取られそうですけど?」
「秋山を殺すしかないな」
「……マジな表情をしないで下さい」
ちょっと恐かった。
「大変だな、嫁さんが多くて」
「子どもがたくさん出来たら大変そうだな」
「まぁでかい子どもがいますが……」
「……良かったのか? ハンナ・ロックを引き取って?」
茂との会話でのはこれやな。ハンナ・ロックは前にも言ったけど、クー・ロスチャを目の前で惨殺されたせいで精神が錯乱。何とか一命はとりとめていたけど、精神は幼児化していた。
調べではCOREも精神の錯乱に一枚噛んでいたみたいやしな。
流石に俺もハンナ・ロックは見捨てられなかった。なにせ、俺と茂、それに御波ちゃんというイレギュラーがおったせいで歴史の修正が外れてしまい、本来なら生き残るはずのクー・ロスチャを殺してしまった。
そこのところは俺の負い目やな。圭子さん達もハンナ・ロックを引き取る事に最初は驚いたけど、事情を説明すると納得してくれた。
「それに幼児化といっても小学一年くらいですからある程度は感情表現はありますよ」
何故かよく抱きついてくるけど。抱きついてくる度に大きい胸が当たるのが悩みやけどな。
「……そうか、なら俺は何も言わんよ。大家族になる覚悟はしとけよ」
「アハハハ……かなりカネが飛んでいきそうです」
俺は溜め息を吐いた。
『雪風』
その時、ウェディング姿の七人の嫁さんがやってきた。
「今からブーケ飛ばすよ」
「ほぅ、なら真希のためにも取ってやらねばな」
「いや東郷長官が取ってどうすんのすか?」
「クク、相変わらずの親バカだ」
利古里が苦笑する。ちなみに周りの女性陣はブーケに集中していた。
……怖いな。しかも出席している帝もブーケを取ろうとしているし。
相手でもいるんやろか……。
「じゃあブーケ投げるよッ!!」
『そーれッ!!』
そして七つのブーケが投げられた。ブーケを投げた時、空は青かった。
「……青いな」
「何がだ?」
「空ですよ長官。本当にこの空を守れたんですね」
「……そうだな。俺達は確かにこの世界をこの空を守れた。次は子や孫に託さないとな」
「それもそうですね。俺も津波と二人目でも作ろうっと」
「……おったんか茂」
「いたよッ!! 僕の扱い酷くねッ!?」
「気のせいや」
俺と東郷長官、茂は互いに青い空を見ていた。
それから七年が経った。
アドルフ総統のドクツ第三帝国はロンドン星域を除いてほぼヨーロッパ、アフリカ星海域を手中に治めた。
セーラ女王のエイリスは、腐敗貴族の数が多くて世界帝国だったエイリスは次第に衰退していき、やがてはドクツに組み込まれた。その時はセーラ女王と母親のエリザが日本に亡命してきて日本で過ごす事になった。
ソビエトは共有主義が崩壊していき、カテーリンはそれを建て直しを計ったがそれも失敗して日本へ亡命した。カテーリン曰く「日本が安全だったから」の理由らしい。
その後、友人のミーリャと共に学生生活を過ごす事になった。
二人の母親はミール・ゲーペであった。
ガメリカはCORE反乱の建て直しをしていた。新大統領のダグラスは悪戦苦闘しながらも、傍らに控えた妻のキャロルと共にガメリカの再建を行った。
最後に日本だが、第二次宇宙大戦の占領星域をそのまま日本帝国に組み入れて日本の活動圏を広めていた。
そして帝も退任して後任の帝が就任したらしい……のやけども何故か俺の家に居座っている。
追い出そうにも流石に気が引けるからそのままとなっている。
それと帝は退任前に、銀河連邦の提案を各国にした。ラムダス等のいざという時に備えてや。
各国も承認して銀河連邦が設立されて、外交部に東郷長官の妻であるスカーレットさんが就任している。ちなみに東郷長官は何故か学校の教師をしていた。
何をしてんの一体? まぁ真希ちゃんを見守るためやろかねぇ。
茂と津波夫婦の仲は相変わらずのようであり、娘二人、息子三人(三つ子)を産んでいたりする。
茂曰く「頑張っちゃった♪ (・ω<) てへぺろ」と抜かしていた。
そうそう、俺やけど今は日本海軍長官に就任していたりする。
田中が悔しがっていたけど知らん知らん。
それと……はい、子どもは七人とも頑張りましたとも。だって誰かが出来たら皆、目の色変えて恐かった……。
ちなみに一番最初は圭子だったりする。なお、皆は二人目も考えてたりする。ちょ、俺が持たないかも……。
それと、引き取ったハンナ・ロックは徐々に回復してきている。元々が優秀やったのか、今では中三くらいの精神まで回復している。
……まぁそれでもよく抱きついていたりするけどな。
「何してるんだい?」
「ん? あぁちょっとあの時の事を思い出していた」
圭子が俺にコーヒーを出す。
「そうか……あれから時が経ったね……」
圭子は思い出したかのように目を細める。
「さて、俺も仕事頑張ろうかな」
「頑張ってね貴方♪」
圭子はそう言って俺にキスをした。
「あーーーッ!! ちょっとケイコ、何してるんだよッ!!」
そこへマリーが乱入してきた。
「何って……キスじゃないか」
「条約違反だよッ!! 今日のキスはボクに優先権があるんだよッ!!」
「どうした?」
「何かあったのか?」
そこへ利古里やラスシャラ達も入ってきた。こりゃ収集がつかんな。
不意に俺は窓から見える空を見つめた。空はあの結婚式のように青い空やった。
「……これからも頑張っていこうか」
俺はそう呟き、喧嘩に発展しそうな皆の元へと向かった。
統一宇宙歴946年、世界は平和やった。
後書き
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