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スイミングスクール

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第二章

「一緒にいられますか」
「先生も大学の後はいつもここにいるから」
「だからですね」
「ええ、いられるわよ」
「それじゃあ」
 由紀恵に顔を紅潮させたまま話した。
「宜しくお願いします」
「それじゃあね」
 こう話してだ、そしてだった。
 由紀恵は界人に水泳を教え続け界人はいつも彼女に教えてもらって笑顔になっていた。その泳いでいる間にだ。
 自然と彼の水泳の技量は上達していった、六年生の中で最も速くなり実際に選手候補とも言われる様になっていた。
 しかしその彼の真意は選手ではなかった、それでだ。 
 スイミングスクールの中でだ、こっそりと由紀恵のことを聞くこともあった。
「そうなんだ、付き合ってる人はなんだ」
「いないらしいわよ」
 同じ六年生で親しい娘から聞いていて彼女も話していた。
「そうした人はね」
「そうなんだ」
「あとね」
 その娘は彼にさらに話した。
「お家は駅前の近くなの」
「この街のだね」
「そう駅前のマンションにね」
「そこになんだ」
「ご家族と一緒に住んでるのよ」
「そうだったんだ」
「大学は八条大学で」
 界人にこのことも聞かれていたので話した。
「中学も高校もそうだったのよ」
「確か大学の一回生だよね」
「よく知ってるじゃない」
 話している娘は界人の今の言葉に笑って返した。
「そうよ、お歳は十九よ」
「僕達より七つ上だね」
「大人よね」
 その娘はふとこんなことを言った。
「十九で大学生って」
「そうだよね」
「奇麗でスタイルもよくて」
「凄くいいよね」
 界人は自分から言った。
「ああした人ってね」
「そうね、あとこれ内緒にしてあげるけれど」
 ここでだ、女の子はくすりと笑って界人に言ってきた。
「あんたあれでしょ」
「あれって?」
「だから。先生のこと好きでしょ」
 こう界人に言うのだった。
「そうでしょ」
「いや、それは」
「わかるから」
 戸惑う界人の逃げ道を塞いできた。
「さもないと色々聞かないし、私にも」
「それでわかったんだ」
「まあ別にいいんじゃない?」
「いいって?」
「先生好きでも。私も好きな人いるし」
「そうだったんだ」
「同級生の子ね、同じ学校の」
 二人は通っている学校は違うのでこうした話にもなった。
「この前私から告白して」
「自分からなんだ」
「そうしてね」
「今付き合ってるんだ」
「そうなのよ」
 界人に笑って話した、幾分照れ臭そうに。
「今ね」
「そうだったんだ」
「だからあんたもね」
「自分から先生のお家に行って」
「そうしてね」
「僕からなんだ」
「アタックしてみたら?」
 こう界人にアドバイスをした。 
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