Angel Beats! 空を駆ける銀の翼
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配属先は・・・
ガチャッ
「よう、ゆりっぺ」
「あら、日向くん。いつも早いわねぇ、まだ時間まで十五分ぐらい有るわよ。」
「まぁな、ところで何か有ったのか?いつもよりそわそわしてる気がするぞ。」
「良くわかったわね、実は新人が入ったんだけど少し面倒事があるのよね。皆んなが集まったら話すわよ。」
「おうよ。」
それから少しして、幹部が集まったところでゆりが口を開いた
「さて、みんな。今日私と遊佐が一人新人を捕まえたのだけど・・・少し面倒なことがあるのよ。それについて注意して欲しいのとがあるのよ。」
「俺はゆりっぺのためならなんでもするぞ!変な奴なら叩き斬ってやる!」
「はいはい、そう言うのは良いから聞いてね。」
さらっと切られる野田、哀れである
「それでね、彼・・・北上君が言うには『大日本帝国海軍のパイロット』だと言うのよ。見た限り彼が嘘を言うような人には見えないし・・・実際に遊佐さんが戦闘機を見てるのよ。」
「この目でしっかりと脚を出して着陸しているところを見ました。」
「うわっ!遊佐か、本当いつも唐突に出で来るな。」
「通信士なので。」
「日向くん、話をそらさないでちょうだい。それでね、旧海軍のパイロットだって事は間違えないと思うのよ。
だから、彼には戦後の事・・・つまり日本が敗戦したって言うことを言わないで欲しいの。それと、そういう情報に触れられる場所に行こうとしたらそれとなく止めて頂戴。もしそれを知ったら・・・この世界では誰も病まないけど心が持つか分からないから・・・」
「おうよ。」そう最初に言ったのは日向だった、更に他の戦線のメンバーも頷いていた。
「ありがとう。それじゃあ岩沢さん、ガルデモのメンバーにも伝えといてくれるかしら。」
「分かったよ。」
「それじゃあ遊佐さん、彼を呼んでくれるかしら。」
「その必要は無いかと、もう少しで17:10になりますので。」
「あら。もう10分だったのね」
そうゆりが言った瞬間、カチリと鍵が開く音がして扉が開いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
そこには真っ白な制服に身を包み、腰に短刀を差した北上の姿があった。
「会議中だったか?もしそうならすまない。」
「いえ、今終わったところだったからいいのだけど、その服は何なのかしら?」
「これか?死んで士官に昇格していたみたいでな、コレが届いたから他の隊員と顔を合わせするなら正装の方がいいと思って着替えて来たのだが、駄目だったか?」
「いえ、そう言うわけでは無いのだけど少し驚いただけよ。それは置いといて、本題に入るわよ。 紹介するわ、今日新しく入った北上 晃くんよ。」
「北上 晃だ、此れからよろしく。」
「それじゃあみんなの紹介をするわね。」
「そこの青い髪の男の子が日向くん、やる時はたまにやる男よ。」
「よろしくなっ! ってゆりっぺその紹介の仕方はないと思うぜ。」
「だってそうじゃない、たまにやる男って言ってあげたんだから感謝しなさいよ。」
「それで、そこにいる背の低い男の子が大山くん、特徴がないのが特徴よ。」
「へへへ、よろしく。」
(人なっこいそうな笑みを浮かべているな。)
「その隣の木刀を持った目つきが悪いのが藤巻くんよ。」
「よろしくな。」
[目つきは悪いがいい奴そうだ。)
「その隣の体格の良いのは松下くん。
柔道5段だからみんなは敬意を持って松下五段と呼んでいるわ。」
「よろしくな」
(確かな体格が大きい、頼りになりそうだ)
「それで、部屋の隅のくノ一っぽい格好をしているのがるのが椎名さんよ。」
「あさはかなり」
(よくわからん人だ・・・)
「Came on! Least' dance!!」
「うわっ!なんだ?」
「彼はTKよ。本名もわからない謎の男よ。」
(さっきの椎名さんよりわからない人だな・・・)
「そしてそこのソファに座っているのが岩沢さん。彼女の事はすぐに耳にすると思うわ。」
「よろしくな。」
(普通に良い人・・・だと思ったらいきなり「降りてきた!」とか言ってブツブツつぶやき始めたぞ・・・ここにはまともな奴がほぼいないのか?)
「あとは「新人!俺は貴様を認めなグボォ!!」
「自分で仕掛けた罠に引っかかるとは、アホだな。」
「何やら変な刃物を持った男が飛んで行ったのだが、あれは?」
「あれは野田くん、覚えなくても良いわよ。」
「そ、そうなのか。」
「それよりもゆりっぺ、こいつの制服は?」
「日向、制服というのはお前らの着てるやつのことか?」
「そうだよ、もうできてると思うぜ。」
「本当か?俺が戦線に入ったのは今日のことだぞ、なのにもう制服が出来上がってるはずが「出来てるわよ」何っ⁉︎」
「これです、どうぞ。」
「遊佐さんか、有難う。」
「じゃあそこで着替えて来て。」
「了解」
それから数分後、SSSの制服に身を包んだ北上が出て来た。
「着替えて来たが、落ち着かんな。」
「意外と似合ってるわよ。そうそう、一つ決めることがあるんだった。」
「なんだ?」
「貴方の配属先よ、今は通信班と実行部隊が空いてるのよねぇ。北上くん、貴方の飛行機に無線機ってあるのかしら。」
「あるぞ、ほぼ毎日使ってたから使い方も理解してる。」
「そうよねー、ただ貴方個人の戦闘力も高そうなのよ。そうだ!椎名さんと北上くんで戦ってみてちょうだい。それをみてどこに配属させるか決めるわ。」
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所変わって此処はグラウンド、
「それじゃあ初めて頂戴、殺すのは無しだけどそれ以外ならしていいから。合図は私が出すわ
行くわよ、よーい・・・初めっ!」
初めに動き出したのは椎名だった。
「(速い、しかもあいつの顔つき完全に獲物を狙う目だ。)」
「ふんっ!」
クナイが北上に向けて飛んで行く、それを叩き落とし、近づいて来た椎名に回し蹴りを食らわそうとするが、間一髪のところで後ろに飛ばれてしまう。今度は北上から接近戦に持ち込もうとするが、またもやクナイが投げられる、これを体を傾けることで躱し接近せる。が、
ボンッ!
「煙玉か⁉︎」
辺り一面が白くなり、視界が奪われる。煙から逃れるために素早く横飛びを行う。それでもどうやら切られてしまったようで、左腕に赤い筋ができてしまっている。
「チッ、切られたか。」
煙が晴れて見えてきたのはクナイを構えた椎名と、腰を落とした北上
「さっきの私の攻撃を避けられるとは思わなかった、貴様何者だ?」
「ただの軍人だ、先ほどのには肝を冷やしたが次の一撃で仕留めてやろう。いくぞ!」
それを合図に二人が一気に駆け出す。傍目から見れば椎名の方が武器を持っているのと、北上より動きが早いため有利に見える。が、北上には空戦で鍛えた”眼”がある。突き出してきたクナイを体を捻るようにして避け、捻った時の動きを使って拳を突き出す。
狙うは椎名の顎…の少し手前である。
そこにまるで吸い寄せられるように顎が来る。
椎名の目が限界まで開かれ、紙一重の差で躱したところで一瞬視界ので天と地がひっくり返った。
「そこまで!」
そこでゆりから制止の声がかかった。
「大丈夫か?なるべく痛くならないように投げたのだが。」
「凄かったわね。椎名さんとあそこまで渡り合えるのはそうそういないわよ。」
「最後のあれは浅はかでなかった。
むしろ私が浅はかだったな…」
「椎名さんがあんなに喋るなんて!これは凄いことだよ! ところで野田くんは何であんなに震えてるの?」
「あー、アイツ椎名に昔ボコされたからな。その時のトラウマが蘇ったんだろ。ところでゆりっぺ、結局北上はどこの班に入れるんだ?」
「そうねぇ、あの戦闘力は欲しいけど通信班も人が足りてないのよね。・・・よし!決めた!北上くん、あなたには実働部隊と通信班の両方に入ってもらうわ!」
「それはどういうことだ?」
「基本は実働部隊にいてもらうけど、状況によっては通信班に入ってもらう。ってことよ。」
「そういうことか、ならこれから宜しくするぞ。」
「おうよ、じゃあいい時間だしメシ食いに行くか!」
空を見れば日が落ちて、少し暗くなっている。夕食を食べるにはいい時間だろうということで、ゆりを先頭に食堂に向かって行った。
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