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魔法少女リリカルなのはエトランゼ(異邦人) 再構築

作者:南條 綾
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8部 StrikerS
3章 葛藤
  摸擬戦~恋人たちの喧嘩

 あれから特に何事もなく過ぎていった。
表面上は、やはりティアナは無茶な自主トレを続けていてスバルまでがそれに協力しているとのことだった。
身体を動かせば何かが吹っ切れるかもと思い俺も黙認したけれど、頑張りは認めるけれどあれはオーバーワークじゃねえ
多分今日の摸擬戦で納得いく結果が出ればきっといい方向に行くと信じたい。
 
 まずはスターズの摸擬戦だけど、俺はまだスバルとティアナみたいに連携がうまくいかないので俺は一人ですることになった。

 スバル・ティアナがなのはと向かい合っていた。
俺は少しだけ離れてみているフェイトの方に向かって聞いてみた。

「私もたいがいだけどなのは隊長大丈夫なの?」

 俺はフェイトの方に顏を見てそう言った。

「そうだよね。だから,スターズと綾の模擬戦も私が相手しようと思ったんだけど、なのは部屋に戻ってからもモニターに向かいぱなしなんだよ。訓練メニュー作ったり、皆の陣形チェックしたり」

 フェイトが心配そうになのはの方を見ながらそう言った。
俺も何度か一緒の部屋で寝てるので知ってるけれどオーバーワークな感じはするんだよなぁ


「なのはさん訓練中も僕たちを見てもらってるんですよね」

「本当にずっと」

 エリキャロも気づいているようだった。
そうこうしているうちに模擬戦が始まったようだった、

「おー,クロスシフトだな」

 ヴィータの発言とともに動き出した。
スバルがウィングロードで空中のなのはに向かっていくのと同時に、
ティアナは射撃でなのはを牽制する。

「あれ?キレがねーな」

「そうだね。狙いはいいみたいだけど・・・」

 ヴィータとフェイトの会話を聞きながら俺は小さく舌打ちをした。

≪ティアどう見る≫

≪明らかに体調不良による魔力の低下ですね≫

≪今の状況でなのはに勝てる要素は?≫

≪1%以下だと思います≫

 なのはの正面に回ったスバルがなのはに肉薄していく。
あれ幻影じゃなく実物じゃん
なのはは砲撃を加えるが,スバルはシールドで防ぎながら
なのはに攻撃を加える。

「ねえ,私や住んでいる間にあの二人のコンビネーションって増えたの?」

「無い・・・綾さん。初めて見るンビネーションですよ」

 俺の問いに対して,エリオは意外そうな口調で返してきた。

「なのは隊長のガードが堅いってあるけれど、危ないね」

「だな」

 ヴィータも心配そうに答えていた。

「ところで,ティアナはどこに行った?」

 シグナムの言葉で,全員がティアナの姿を探した。
すると,なのはの顔に狙撃ポインターが見えた。
出処の方を見ると,砲撃をしようとしているティアナの姿が見えた。

「砲撃!?ティアさんが?」

 キャロが驚いた口調でそう言った。
その間にも,スバルはさっきと同じようになのはに肉薄し,
また,攻撃を加えていたが,なのはのシールドに阻まれている。

「ティア~」

スバルが叫んだ瞬間,砲撃しようとしていたティアナの姿が掻き消えた。

「あっちのティアナは幻影?じゃあ本物は・・・」

 そのとき俺はなのはの後方でウィングロードの上を走るティアナの姿を
発見した。
右手のクロスミラージュには魔力刃が生成されている。
ティアナがなのはの上方からクロスミラージュで切りかかると
ふいに爆煙がなのは達3人を包んだ。
頭の中で警報が流れてる
俺は無意識に手すりを乗り越え,爆煙の方に向かって飛んだ。

「なのはぁ~」

「綾~お願い」

フェイトも出遅れたみたいで俺に任したと言ってきた。
なのはの声が聞こえるが何を言っているのか聞き取れないけれど何かがおかしい
間違ってるとか・・・
俺は嫌な予感がしてスピードを上げた
爆煙が晴れてくると,ティアナとなのはがお互いを砲撃しようとしていた。
ティアナは後ろに飛び、

「私は誰も傷付けたくないから、強くなりたいんです」


「・・・・・・少し、頭冷やそうか」

『クロスファイア、シュート』

 ティーダさんの得意呪文かよ

『ファントム…』

 なのはの方が一瞬早く砲撃を放ち,ティアナはダメージで意識が朦朧としているようだった。
終了か、ギャンブル性は高いけれど戦略自体は悪くないなぁ、
でもまだ早い。
今のレベルじゃ体を壊す可能性が・・・
それか体調が万全なら・・・
そこら辺を注意して反省会となのはの手の治療かなと思っていたら

「なのはさんっ! え、なにこれっ!? ・・・・・・バインドっ!!」

「じっとして、よく見てなさい」

 何をしようとまさか。

「クロスファイア・・・・・・シュート」

「なのはさん~」

「ティアァァァァァァァァァァァッ!!」

 空の道の上でふらつくティアを襲うのは、桜色の魔力の奔流。いわゆる砲撃魔法。
俺は咄嗟に飛び出し、光線白羽取りで明後日の方向に投げ飛ばした。
そしてティアをフェイトの方に転送これぐらいは、制御がかかっていても出来る
でも怒ってるねぇ。俺もそれ以上に怒ってはいるけれど

「どうして・・・・・・邪魔、するのかな」

「なんのつもり,なのは?」

「教導の邪魔だよ綾ちゃん」

 威圧感ばりばりじゃんこわ~

「あれが教導?あそこで終わってたのに追い打ちするのが教導?」

 あれは教導じゃなくリンチだ
俺が良く敵にやる方法じゃん

「何度も言わせないで欲しいな?綾ちゃん」

 監理局白き魔王。
個人移動砲台
でも俺の可愛い彼女
彼女が間違っていて治すのも恋人の役目だ
頭に血が上っているときに俺まで血が上ったらシャレにならないからまずは話し合い
必要なのは、わかってもらうことだ。どっちも、間違ってるんだって。
ティアも間違ってるけれど、なのはも間違ってるんだってわかってもらわないと。

「あと、なのは間違ってるのかって聞いたよね。だったら、答えてあげる。今回は間違ってるって」

「綾ちゃん、どうしてそう思うの? 綾ちゃんだって分かるよね。こんなの、凄く危なくて、ダメなことだって。今を使い潰すような選択をしたって」

言いたいことはわかるがでも・・・なのはは信じられないような顔で俺の方を見てきた

「別に俺は、ティアの事は心配だけど、どうでもいい。潰れたいなら、勝手に潰れてりゃあいいでしょ
それがティアの決めたことなんだから」

 俺はフェイトの方に飛ばしたティアナを見てやっちまったと後悔しながら会話を続ける
なのはは表情を険しくするけど、気にしない。

「だって、心配はするよ故人の妹なんだからでも私の部下でも何でもないんだから干渉する必要はない。
ティアの基本方針にどうこう言う理由も無い」

「冷たいね。仲間じゃないの?」

「冷たいよ?俺はこの人だと思える人以外は基本冷たいよ。それにいつもこうだよね。なのは達が管理局に入るときも止めたけどなのはの人生だからといったよね」

 心配するのは本当はティアの事じゃない。

「でも、『なのは』には言えるよ。俺の大切な人なんだから?なのは、ただ戒めるための、ただ踏みつけるだけの、魔法撃ってどうしたの?」

「それの何がいけないのかな。これが・・・・・・私の仕事だよ」

「ダメに決まってるよ。そんなのなのはの魔法じゃないじゃん。それは俺が敵にやるやり方だ」

 仕事のために、自分の魔法の意義おいてけぼりでしょうが。
そんな事のために魔法を学んだはずじゃないでしょ
目的と手段を間違えないで

「なのは、今撃ったのが心から自分の魔法だって胸張って言える?」

 出来れば、これで止まって欲しい。そんな願いがあった。
何時だってわかってくれたのだから
ばれちゃったと思うけれど、今はもういい
なのは気づいて・・・
でも、その願いは叶わない。
だってクロノが言ってたっけ、
「現実は何時だってこんなはずじゃなかったことばかりなんだから」

「言えるに決まってるよ」

 即答で、答えた。
どうやら、話し合いは無理かな。目の前に居るのは、俺のこの世で大切な人じゃない。
目の前に居るのは、時空管理局の魔導師・高町なのは一等空尉。教導隊に所属する若手NO1の空戦魔導師。
そして、この部隊、機動六課の教導担当でありスターズ分隊の分隊長。それが高町なのは一等空尉。
肩書や環境って怖いねこんなに変えてしまうんだから
だから最後に、恋人の間違いをただすよ
サヨナラ言われても
元に戻ってほしいあの時受け入れてくれたなのはに
だから俺はこのなのはの姿をしたドッペルを打ち倒す

「綾ちゃん、一旦降りようよ。この話は、他の隊長達と一緒に」

「嫌」

「いいから、降りて。スターズ分隊の隊長として命令する。ここから、降りて」

「嫌だね、今はスター03の綾じゃなく、俺として話している。
隊長が間違っているならそれを問い正すのは同格のものか上の役目。
今はやてはいないからそれは俺が問いただす。
破壊者の異名をとるこの俺が!」

 俺は物わかりの悪い恋人に向かって大げさにため息を吐く。
それを見て、なのはの視線がまた厳しくなる。

「これは、なのはと私との話なの。それに自分の都合のいい時だけ隊長になるのひきょうだよ。」

 本気で隊長であるつもりなら、ティアナやスバル、エリオとキャロにさんなんて呼び方を許していいわけない。
だっていくら親しいって言ってもここ軍隊色強いのに基本ダメでしょうが
親密感が高くなるのはいいけれど軍隊や警察機構がフラットな状況がいいわけないでしょうが
普通の会社でもダメか。でもこんな時だけ立場を使う。許されるはずがない

「綾ちゃん、お願いだからちゃんと話そうよ。私は、教導主任なんだよ?、綾ちゃんが言いたいことわからないよ」

「本気で分からないようだよね。私にも撃ってみたらティアみたいにさ、一応なのはの部下だし俺にも教育的指導ってやつをしてみたら」

 なのはの表情が僅かに歪む。でも気にしずに言葉を放つ

「自分の仕事を邪魔した私を戒めるために、さっきティアやスバルに対して行ったのと同じように。
教導官として、分隊長として、組織の人間として、修正してみてよ。そして、自分の仕事を遂行しなよ。いくら俺が5段階落としているからってそんなのに屈する俺じゃないよ」

 すごく泣きたい気持ちなんで恋人になって初めての喧嘩が
こんな他人のためにしてるんだろう
俺はなのはを見た。
愛おしいなのは、元に戻ってほしい
愛してるでも今のなのはは間違ってる。
もしかしたら俺の方が間違ってるかもしれないけれど俺の愛したなのはじゃない。
理想を押し付けてるだけかも・・・

「あれが本当に高町なのはの魔法なわけない、あんな暴力だけの魔法がなのはの魔法じゃない。証明してあげるよ」

「わからずや、もういいよ。分かってもらうから」

 今からが本当の初めての喧嘩だね

「私は、私の仕事をするだけだから」

仕事かっ
そして、なのははゆっくりとレイジングハートをセットアップ。
そうしてすぐに砲撃仕様の形態へと姿を変えた。

『ショートバスター』

 連続で来るけれどこんな暴力だけの魔法が俺のシールドを抜けれるはずがない。
こんな思いのないただの破壊に負けない
なのはがすごいのは、
ううん、高町家の人がすごいのはやっていることに想いを乗せてることだ。
それは剣術であったりお菓子作りであったり魔法であったり、
だからすごくてみんな高町家の人にあこがれてしまう。
だから認めないこんな暴力だけの魔法を

 なのはがカートリッジ付きで1発こちらにぶち込もうとしている。ご丁寧に、カートリッジは3発もロードした。

「ディバイン・・・・・・!」

 チャージされた本当の意味での高威力砲撃が来る。

「バスタァァァァァァァァァァァッ!!」

火炎砲(キャノンボール)

夕姫の相乗効果付き

桜色の魔力の奔流を燃え盛る火炎球で相殺した。

 爆風に圧されるけど、一歩も引かない。
いいや、絶対に引かないと、足を前へ進める。
俺の呪文と同格腕あげたなぁ
こんなときに知りたくなかったけれど
どちらも制御がかかってるからどうかはわからないけれど

「ぶつかる事で心を通じ合わせて、目の前の誰かと『お話』してきたんでしょうがそうやって無二の親友を手に入れたから凄いんだ。
それを、エース・オブ・エース? 教導隊所属のオーバーSランク魔導師?
一等空尉階級の局員? 機動六課の分隊長?」

 なのはのシューターを俺は魔法の(マジックミサイル)の呪文で相殺していた。

「そんなのは高町なのはの一部であってすごさじゃない」

 その価値は心・・・魂にあるんだ。局員の地位じゃなく心がすごいのに

「それなのに、なにあれ!?」

 俺は泣きながらティアなの方を指を指し声を上げて叫んだ

「ただ撃っただけじゃん」

 ちっ砲撃でシールドが破られた。
さすが、B+とAAの違いか?
俺はダメージを受けながら話をつづけた

「それはティアナ達が危ない事をしたから」

「違う! 同じようになってほしくないから・・・撃ったんでしょうが」
 
 なのはが一瞬固まる。

「なのはは、ティアナにそれをしても誰も喜ばないからそれは違うってそう言いたくて撃ったんでしょうが、今までも友達になりたい。
何故襲って来たのか知りたいって想いで撃ってきたのになんでそれなのに、
戒めるためっ!? 違うっ! 絶対に違うっ!!」

 その返事はカートリッジの音が聞こえた

「違う。私は、教導官として」

「だったら、もういい。俺にも全力で撃ってこいよ。
高町教導官の魔法なんて俺には通用しないところを見せてやるよ
高町なのはの魔法はすごいけれど今のお前の魔法は暴力だけの魔法に屈しない。あの時負けた俺はこんな暴力だけのお前に負けたわけじゃない!」

 俺が惚れた、俺が全てを使って負けた女はこんなくそ女じゃない

「いいよ。ディバイ~ンバスター」

 そのまま、今までで最大出力の砲撃が飛んで来る。
俺はシールドを張り直し耐えきるが大爆発

「邪魔が入ったけど、演習は終了。今日は三人とも、撃墜されておしまい。
スバル、ティアナが目を覚ましたら」

「な、なのはさん」

「なに? というか、人の話を聞くときはこっちを見て」

「まだ終わってないのに終わった気になるな。教えたよね
きちんと確認してから終わったって思わないといけないって・・・」

 煙の中から見えたのは・・・・・・驚く様子でこちらを見ているあの女。
そして、がんじがらめにしばられているスバルの姿。
俺のバリアジャケットの大半が吹き飛び、身体中に痛みが走る。
半裸になりかけてるがまぁ基本女性ばかりだから別にいい
エリオ、15歳以下は黄金の獅子帝が言ってたまだ子供だから良いと

 近距離バスターでシールドを破壊して終わったと思っていたようだが甘いこれぐらいで倒れるわけないでしょう
なのはとの喧嘩は始まったばかりだ
ぜったいにみとめてやらねぇし、喧嘩で負けたくない

「バカにしてるの?なめるんじゃねえよ」

「うそ」

「嘘じゃないさ。お前みたいなただの魔力が強いだけの馬鹿に倒されるわけないでしょ、そんな軽い砲撃で人が倒れると思うなさぁ続き・・いこうか?」

 俺はなのはに目を向け立ち向かうが少しだけ身体が揺らぐ

「綾ちゃん!!やめてぇ」

 俺の周囲に桜色の縄。それが、俺の身体を縛る。

「もう、いい。こんなことする意味が分からない。だから、私や他の隊長達とちゃんと話そう?」

「ふざけるな。こんな暴力だけの魔法で俺が止めれるわけないでしょうが」

俺は速攻でバインドを破壊した。
ふざけてるでしょ、数年いなかったから弱くなったと思ってるのか、それとも自分たちはそれほど強いと思ってるのか、どちらにしろなめてやがる。
どうせもう抵抗するだけの呪文が放てないと思ったのか

「やめるだぁ? ふざけた事抜かすな。俺はお前という存在を否定して喧嘩を売ったそしててめぇはそれを買ったんだろうが。この喧嘩の止め時はたった一つ。
お前と僕のどっちかが潰れる瞬間だ。それ以外は、ありえない」

 そういやネイも同じようなこと言ってたような

「やめて」

 そう言いながら、レイジングハートのマガジン式カートリッジを入れ替えた上で、また撃つ。
ピンク色の砲撃が俺の後頭部目がげて飛んできた。
俺はそれをシールドを外し受けてみた。

「所詮暴力なだけの攻撃なんて効かねえよ」

 少しフラつくがまだまだ元気一発

「俺にもティアナがやったように戒めるために魔法撃ち込んでいいって、修正してみろや。どうせまだ、魔力有り余ってるんでしょ?監理局若手NO1、オーバーSランクの天才魔導師なんだからさ」

 左手をなのはに向け、くいくいと挑発するかのように指の先を曲げる。

「天才だから、なんでティアナが無茶しようとするかも、理解出来ないでしょ。ほら、撃っていいから、俺に解らせるために撃ってくればいいじゃん」

 目の前の女は、首を横に振り、後ずさりながらレイジングハートの穂先を下ろす。

「嫌だよっ! お願いだから、話を聞いてよ」

「いいから撃てって言ってるだろうがっ! さっきティアナにしたみたいに修正してみろや、高町教導官」

 それでも撃たない。その様子に、もういい。

「ほら撃ちやがれ、 お前は教導官で、分隊長なんだろっ!?仕事なんだろうがっ! これが自分の魔法だ胸張って言い切ったんだろう。自信と誇りを持って、自分の不屈の心とともに自分の仕事を通せよっ!!」

「どうしてっ!? なんでそこまでするのっ! そこまでして、私が間違ってるって言いたいのかなっ!!」

「そう言ってる」

 俺がそう返すと、なのはがそれまでとは違う、悲しげな顔をする。
俺は空間に通信画面を開く。
それは俺と何回も秘め事をした友人はやて。

「はやて、悪いけど今すぐになのはのリミッターを解除して」

 地上本部で行われる会議に出るために、隊舎を留守にしていた我らが部隊長。
ビックリした目で画面を俺を見る。

『なんやって言うか、なんで綾ちゃんボロボロなん。それになんで正体ばらしてるんや』

「なのはに喧嘩売ったから。でも、当のなのはは俺を見下してるのよ。リミッターありでも、数年に出てない俺なんて押さえつけられるってタカをくくってる」

敵を見据えつつ、僕は右横に開いた画面に声をかけ続ける。

「違うよっ! 私、見下してなんてないっ!! お願いだから、ちゃんと話してっ!? どうしてこんなことするのか、私」

「てめぇ、ティアナに対してさっき自分がなにしたか、もう忘れたのかっ!!俺に対して今言ってることが、どうしてティアナに出来なかったっ! 」

一喝すると、なのはの瞳から涙が零れた。だけど、知らない。そんなの知らない。
俺の心を護ると言ってくれた、俺が全力で戦って敗北をしたなのはじゃないのだから

『とにかく、リミッター解除は認められるはずないやろ。
ちゃんとうちに状況を話して』

「じゃあもういい。我が部隊長殿は会議の準備で忙しいはずだから切るわ」

 俺は強引に、通信を切る。

「ほら、若手NO1六課の切り札の天才魔導師の高町教導官とっとと来いよ。頭冷やしてくれるんでしょう?」

俺はテリー・ボガードの挑発のように手招きをする

「さっきのティアナに対してしたように、力で踏みつけて修正してみろって、それがお前の夢で仕事なんだから。だから、胸を張ってやれよ。ほら、撃て」

「お願い。やめて・・・違う、私は踏みつけたんじゃない。そんなことしてない」

 だけど、それは気にせずに僕は言葉を続ける。

「撃てよ。お前はその選択をした。だから撃ち続けるしかない。軍隊式で俺に解らせてみろよ」

「嫌だ、撃ちたくない。だって、綾ちゃんは親友で恋人で・・・」

「もういいそこから訂正してやるわ」

 なのはの身体が震える。そして、声を上げようとする。だけど、その前に俺は言い切った。

「あ・・・や・・・」

「お前なんか、友人でも恋人でもない」

 そして、目を見開いて僕を見る。なのはも泣きだしているが
俺も心で泣いていた。
好きな人を泣かせることしかできないふがいなさ
こんな力だけでいう事を聞かせるやり方は認めたくない
愛してるよなのは
でもそれは今のなのはじゃない

「綾それ以上なのはを悲しませるのなら」

「最終警告だ。嘱託魔導士綾 二等空尉として命令する。すぐに下がれ」

そんな階級で俺を止めれるとでも思ってるの?
とりあえず無視

「南條、なのはの気持ちも察してやれ恋人なんだろうが」

「そうだよ、こんな悲しい喧嘩意味ないよ。綾ならわかってるんでしょなのはが撃った理由も、ならやめて」

「喧嘩の横やりするな!いつぞやの二の舞になるぞ」

そして俺はなのはの方を向き

「俺が愛し焦がれた人は高町なのはであって、階級におぼれ、時空管理局の局員でも、エースオブエースでもなくただの女「高町なのは」だ、」

「綾いい加減に」

「あぁ、痛い目を見てもらうぞ、あの時と同じと思うな」

「う・る・さ・い」

 俺は氷のような目で二人を睨みつけた
殺気とプレッシャーで相手を止める方法
フェイトはしゃがみこんでしまった。
歴戦の勇者であるシグナムも足を止めた

「喧嘩の最中に横やりとは無粋な、それ相当の覚悟を持ってきな貴様たちがつけてくれた字の通りに破壊してやるから」

「あ・・・や」

「本気か」

≪まぁ以前は友人としてこられたので私も綾様を止めようとしましたが、立場で来られるのならそれ相応の覚悟で綾様に向き合ってください。その結果どうなろうが知りません。友人で来ないんですから、なら敵としての情けは私もしません≫

「二人ともおかしいよ」

「なぜそこまで高町を否定する」

≪烈火の将よ公私混同もほどがあるのでは?≫

「何?言わせておけば」

 今にも襲い掛からん形相だ
うん、鬼の形相だね

≪これがほかの上司がやった事なら止めるはずなのに、友人フィルターで曇ってるのでは?
それでよく言えますね。そして気に入らないと力で踏みつけようとします。
権力を使って。これがはやて嬢の目指した組織ならこんな組織潰れた方がいいですよ。≫

「何?」

≪一回考えたらどうですか≫

 さて仕切り直しだね

「俺が愛した女性高町なのはは」

 俺は空を見ながらそしてなのはの方に顏を向け慈しむように見てから

「いつも俺の心を護ってくれた女性は、護るための力は使っても、権力で力で踏みつけようとはしないはず」

 いつも俺が暴走したときに止めてくれた人
こんな潰すだけで先が見えない悲しい事を止めないといけない
他の武装隊の局員ならそれでいい
修正っていう言葉があるぐらいだから
ガンダムでもそれはやっていることだからでも
高町なのははそれをやってはいけない攻撃かもしれないけれどわかりあうための思いを込めてやるのが彼女の魔法なんだから。

「だからなのはは、こんな事を絶対にしない」

俺は魔力の渦を吐き出した。

「きさまみたいに、これが自分の仕事だからと言い訳して、人を踏みつける重さから逃げたりなんてしない」

もう少し、もう少しだけでいいからもって欲しい。

「お前や、俺を力ずくで止めようとしたライトニングの分隊長みたいなことは絶対にしない。
・・・・・・てめえらは普段はフレンドリーを装って、隊員やおれに隊長呼びなんてさせてないくせに」

 ふらつく身体を保って言い放つ。

「自分の都合のいい時だけ隊長・上司面して、人の気持ちを踏みつけるようなことは、絶対にしない。
『高町なのは』は、俺の心を癒してくれた女性(ひと)はバカみたいに優しいやつなんだよ」

踏ん張るけど、ふらつく。さすがになのはの魔法はきびしいね

「俺の知ってる『高町なのは』は、お前とは違う。
もしも相手のことが分からないなら、理解出来ないなら、ちゃんと話そうとする」

 戒めるために撃つようなもんじない。そんなクソみたいな魔法の使い方、
絶対にしない。
手を伸ばして、全力全開で知ろうとする。自分の想いを、
言葉を届けようとする。
自分から、バカみたいに手を伸ばそうとする。
俺には絶対に出来ないやり方
そうやってアリサやすずか、フェイト、ヴィータと仲良くなってきたのだから。
わかったことがあるなのはにしろ、D・Sにしろなんであんなにすごいのか、力もそうだけどやはり想いや魂がすごいからだ、他の主人公もそう。
こんな力だけで権力を盾にする屑の魔法なんて俺は屈しない

「てめぇがどこの誰かは知らないけど、この最低の偽者が。
俺の大事な女性(ひと)を、歪めた罪は死をもって償いやがれ」
 
 俺は一歩進みながらそう言い放つ

「俺の知ってるなのはは、俺の恋人は…あんな風にしなくてもティアナと分かり合えるはず・・・
高町の魂を受け継い出る女性だよ。
貴様ではないもう一度言ってやる。俺は、お前の恋人なんかじゃない」

俺はなのはを正面から見て言い放つ

「俺は貴様のような権力の女の恋人じゃない。俺の恋人は「高町 なのは」だ」

権力に倒れる俺様じゃない

「だから・・・・・・『高町なのは』を貶め、侮辱するお前を、ぶち殺してやる。てめえは敵だ」

レイジングハートを両手に持ったまま、俺をみて涙を流している『偽者』を。

「いや」

もうティアナの事なんかどうでもいい
俺が恋し焦がれたなのはが、俺を護ってくれているなのはがあんな馬鹿な真似をするところは見たくない

ただ僕は・・・・・・あのバカが、あんな真似するとこなんて、もう二度と見たくない。
俺はその可能性を殺す。


「もう、いや。・・・お願いだから、やめて欲しいのお願い」

「いいや、お前は分かってない。そんな逃げなんて通じるはずがないだろうが。
偽者のお前が、わかるはずがない・・・」

 俺は正しいのかなおやっさん
生前言っていたように俺が思うように行動してみるから少しだけ力を貸して
俺は奴に向かって指をさした。

「さぁ お前達の罪を数えろ」

 俺はなのはの少しだけ上に位置を取るために上昇していく

「どうしてもやる気が出ないなら俺がその気にさせてやるよ」

 俺は手を上の方にしあげてクロスさせる。


「カイザード・アルザード・キ・スク・ハンセ・グロス・シルク」

「おい、ばかその呪文は」

今まで黙っていたヴィータが何か言っているが無視
なのはは、魔力を集束して行っている。

「灰燼と化せ 冥界の賢者 七つの鍵をもて開け 地獄の門」

『スターライトブレイカー』

 俺に向かってピンク色の星を破壊するかの砲撃がやってくる。
俺はただ魔力を集めただけで詠唱を言っただけ、あの時のお返しをしよう

≪綾様むちゃです≫
≪馬鹿な主人でごめんね。ガードは無用、あの時のなのはが出来て私にできないはずがないから、やっぱりおれはなのはに甘いみたい≫

 俺はピンクの光の渦の中を歩き出した。

くっなのはよくこの中を歩いたよなぁ
意識が持ってかれる。
魔法は一度吐き出すと途中でやめることが出来ないそれはミッド式だろうが同じ。俺が鬱になって自暴自棄になった時に立ち向かって手を広げてくれた天使を取り戻すために俺はこのピンクの道を通って迎えに行くんだから


「綾なんて無茶だよ。わかるけれどいくら何でもそれは無茶でしょ」

フェイトが何かを言ってるけれどもう聞こえない・・・
俺は俺に向かって言い放つ

「必ず助ける・・・」

「あ・・・綾」

 フェイトは名前を言うだけで精一杯だった
フェイトにはわかる、あれの最初に受けたのは私だからそれは10年前それとは比べ物にならないなのはのあれをガード付けずに受けきるなんて自殺行為だ

俺は一歩一歩なのはとの思い出を思い出しながら歩いていく
弁当の事
花見の事
母の日の事
俺が暴走したときの事
あれ俺の泣いている所しか思い出さない?
あんな力だけの傲慢な魔法は俺の知っているなのはじゃない
あと少しあと少しだけ持って
P・T事件の時無茶しないでって約束したっけ
俺はすべてを受けきりなのはのもとにたどり着いた
俺はなのはの方に倒れこみ
抱きしめる。

「こんな・・・ばかななのはを殺すよ・・・なのはが俺にしてくれたみたいにおれも・・・」

「ごめんね・・・ごめんね」

「うん、戻ってきてくれたんだ。愛してるなのは」

そうしてなのはの胸で安心して俺は意識を放した。
 
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