憑依先が朱菜ちゃんだった件
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第8話 改訂版(2018/11/07)
前書き
2ヶ月振りのおはこんばんにちは。沙羅双樹です。
読者の皆さん、9月は更新できずに申し訳ありませんでした!orz
実は私、グラブルで騎空団の団長をやっていて、刀○乱舞とのコラボイベントや古戦場などで忙しかった為、更新できませんでした。
そして、今週からまたCCさ○らとのコラボイベントが始まるので、執筆が滞りそうです。(笑)
その点を先に謝罪させて頂きます!orz
(まぁ、執筆が滞った原因はグラブルだけでなく、新しく買った小説を読み進めていたことにもあるんですが……
読者の皆さんは「ありふれた職業で世界最強」という作品をご存知でしょうか?今回の話で朱菜が「ありふれ」の主人公の影響が出ていることが十二分に分かると思います。(笑))
まぁ、何はともあれ第8話が無事に完成したので、更新を待っておられた方は今回もお楽しみ下さい。
【視点:ゴブタ】
どうも。つい先日、人鬼族から大鬼族に存在進化した奈良ゴブタッス。
現在、オイラは蜥蜴人族の戦士と相対している状態なんッスけど、正直何でこんなことになったのか、オイラも全く分かってなかったりするッス。
ただ、白老さんの鬼鍛錬を終えてから東門付近を適当にぶらついてて、東門の外が急に騒がしくなったから右近衛兵として様子を見に来ただけなのに。
「ゴブタ、その蜥蜴人族を殺さん程度にぶっ飛ばせ。それができたら、朱菜に頼んでお前用の魔導具か宝貝を作って貰ってやる」
「ホントッスか!?かなりやる気が出たッス!!」
「ちなみに、お前が負けた場合は朱菜がキレてこの辺り一帯が焦土になり兼ねない―――」
「超死ぬ気でぶっ飛ばすッス!!」
オイラの負け=朱菜さんがキレるって、オイラが来る前にこの蜥蜴人族が絶対に何かしてるッスよね!?一体何をしたんッスか!!?
朱菜さんをキレさせるとか、唾を吐きかけた竜種の逆鱗を踏んでグリグリする様なもんッスよ!?暴風竜様に唾を吐いて、中指立てる様なもんッスよ!?
今のオイラの全力で何としてもこの蜥蜴人族をぶっ飛ばすッス!でないと、この辺一帯がどうなるか……、想像もつかないッスよ!!
【視点:朱菜】
どうも、こんにちは。現在進行形で木龍に拘束されている大筒木朱菜です。現在、私の目の前でリムル様を愚弄した駄蜥蜴とゴブタさんの戦いが始まろうとしています。
もし、ゴブタさんが負ける様なことになれば、この場にいる駄蜥蜴を仙法・超尾獣螺旋手裏剣で殲滅してから、尾獣化して蜥蜴人族の洞窟がある湖へと尾獣玉を放とうと思ってるんですが、問題ないですよね?
少なくとも私は問題ないと思ってます。あっ!どうせなら、豚頭族達が蜥蜴人族の洞窟に最も近付いた時に尾獣玉を放ちましょう。そうすれば、豚頭族と蜥蜴人族を一網打尽にできます。
そういう訳でゴブタさん、その駄蜥蜴に負けて貰っても全然構いませんよ?というか、寧ろ負けて下さい。
私が切実にゴブタさんの負けを願っているにも拘らず、ゴブタさんは相手と同じ長物である槍を手にして、気合十分といった感じです。
というか、気合と共に体外にチャクラが漏れ出してますよね?八門遁甲の第一門・開門でも開いたんですか?八門遁甲のことは教えてないですよね?
………そういえば、街を発展させる前に行った忍術講義の時、現在の夏官に属する方々に忍体術講義も行った気が……。その時、お兄様相手に獅子連弾、お父様相手に表蓮華を使った気が……。
もしかして、その時に八門遁甲の第二門・休門までの開き方を見様見真似でコピーされたのでしょうか?もしそうなら、ゴブタさんの名字は見取り稽古が得意な某姉の鑢か、某学園の98・99代生徒会長の黒神にすべきだったかもしれません。
っと、私がそんなことを考えている内に勝負が始まりました。ゴブタさんが手に持っている槍を駄蜥蜴へと投擲して、自分から意識を逸らすと同時に嵐牙狼族が得意とする影移動を使って移動しました。
移動先は駄蜥蜴の足元。ゴブタさんを見失い周囲を見回している駄蜥蜴は足元の影から現れたゴブタさんによって顎を見事に蹴り上げられ、その体を十数m程上空に打ち上げられます。
今更ですが、数mから十数m上空に打ち上げる蹴りを顎に喰らった場合、普通の生物なら顎の骨が砕けた上、脳が揺さ振られて意識を失う―――というか、脳に障害が出るレベルの衝撃が伝わってると思います。
表蓮華や裏蓮華、獅子連弾の予備動作で顎の骨が砕けないどころか、意識すら失わないNARUTO世界の忍って、ある意味人外ですよね。
まぁ、この世界の魔物はその名の通り人外なので、顎の骨が砕けなかったり、意識を失わなくても不思議ではないんですけど。……あれ?よく見てみると駄蜥蜴は気絶してる?白目を剥いた状態で打ち上げられてる気がします。
当然のことなんですが、影舞葉で駄蜥蜴の背後を取っているゴブタさんはそのことに気付いていません。いいですよ、ゴブタさん!そのまま駄蜥蜴をオーバーキルして下さい!!
私の要望を知ってか知らずか、ゴブタさんは駄蜥蜴に獅子連弾を撃ち込み始めます。蹴り、裏拳、ボディーブロー、回し蹴りと繋がる連撃。でも、全て攻撃を放ってもまだ高さに余裕があります。
あっ!回し蹴りで地面に急降下していた駄蜥蜴に晒しが巻き付いて、空中にいるゴブタさんへと引き戻されます。これはまるで裏蓮華―――
「まだまだ、ここからッスよ!」
ゴブタさんはそういうや否や、自分の下に引き戻した駄蜥蜴に更に晒しを撒きつけ、抱き着くと同時に高速回転を始めました。これは表蓮華!裏蓮華ではなく、獅子連弾と表蓮華の融合体術ですね!!
「ゴブタ連華ッス!!」
技名を叫びながら駄蜥蜴を地面に叩き付けるゴブタさん。地面に叩き付けられた駄蜥蜴は完全に陸上犬神家状態です。というか、ゴブタレンゲって何ですか?しかも、ニュアンス的に蓮華の蓮が獅子連弾の連っぽいんですけど。
…………まぁ、何はともあれ良くやってくれました!見事なフルボッコ具合で私も気分爽快です。ブラボーです!クライマックスブラボー!!木龍に拘束されてなければ盛大な拍手を送ってます。
「よくやったな、ゴブタ。約束通り、お前用の魔導具か宝貝を作ってくれる様、朱菜に頼んでやる」
「やったッスー!!」
あれ?いつの間にか私がゴブタさんの魔導具か宝貝を作ることになってます。そういえば、勝負が始まる前にリムル様がゴブタさんに耳打ちしていた様な……。
いや、別にゴブタさんの魔導具や宝貝を作るのが嫌って訳ではないんですけどね。むしろ磁双刀弐型を作ってから改造魔導具や改造宝貝を作りたい衝動に駆られてたりするんですが……。
私がそんなことを考えていると、リムル様は駄蜥蜴がやられたことに唖然としている蜥蜴人族達に視線を向け、口を開きました。
「お前らもちゃんと見てたと思うが、勝負はウチのゴブタの圧勝だ。約束通り、そのガビルって奴を連れて帰ってくれ。あと、配下ではなく対等な立場の同盟を結ぶというなら豚頭族の軍勢との戦いに協力する旨を伝えといてくれ」
「こ、これで終わりと思うでないぞ」
「い、いずれまた来るぜ」
蜥蜴人族達は三下のチンピラみたい捨て台詞を吐くと、犬神家の駄蜥蜴を地面から引っこ抜き、去って行きました。
「………やっぱり尾獣化して蜥蜴人族の住む湿地帯に尾獣玉を叩き込みましょう」
「だから、止めいっての!」
私が蜥蜴人族殲滅を口にすると、リムル様が私の頭頂部にチョップを放ってきましたが、私を軽く諌める為のチョップなので痛くはありません。
……なんか、恋人同士がじゃれ合う遣り取りみたいでいいですね。リムル様とそういう遣り取りが出来たので蜥蜴人族達のことは許して上げましょう。
【視点:リムル】
蜥蜴人族達を追い帰して早数時間。豚頭族の軍勢に関する情報収集をさせていた蒼月と蒼影が戻って来た為、幹部メンバーを宮殿に召集し、会議――というか軍議を行うことになった。
あっ!ちなみに朱菜の拘束は既に解いている。というか、俺がチョップしてから何故か機嫌が良くなったので、拘束しておく必要が無くなったんだ。
どうしてチョップで機嫌が良くなったんだ?紅麗と紅丸にそれとなく朱菜がそういった性癖なのか聞いてみたんだが、返って来た答えは―――
「私がそんなことをすれば、確実に昼虎を繰り出されます」
「俺がそんなことをしたら、裏蓮華でボコボコにされます」
というものだった。取り敢えず、朱菜がM気質でないことには安心したんだが、だとするとどうして機嫌が良くなったのかが謎だ。
…………まぁ、別に気にするべきことでもないか。そんなことより今は豚頭族の軍勢のことだ。蒼月と蒼影の話によると、その総数は―――
「……20万って、そんな馬鹿げた数の豚頭族がこの森に進攻してるのか?」
「はい。敵方の動向については自分と蒼影の影分身20体が四体一組で監視しているので、何かしらの変化があればすぐに分かる手筈になっています」
「……大鬼族の里に襲撃を仕掛けてきた豚頭族の数は数千。1万にも達していなかった筈ですが……」
「穂乃花様の仰る通り、我らの里を襲撃した豚頭族は数千でした。ただ、あの豚頭族共は別動隊だった様です。まぁ、その別動隊も朱菜様によって大半が塵も残さず殲滅された様ですが……」
「害意をもって襲って来たんです。容赦なく殲滅するのは当然ではないですか、蒼影?それに私の大切な存在に手を出す存在は、この世に存在する価値もありません」
「「「「「「「「「「「………………」」」」」」」」」」」
「………ゴホン。豚頭族の軍勢本隊についてですが―――」
覇王の様な朱菜の過激な発言にその場にいる者全員が絶句してしまった。そして、その中で最も早く復帰した蒼月は咳払いを1回すると、何事も無かったかの様に話を再開した。
「―――大鬼族の里から少し離れた東側のルートを北上し、蜥蜴人族の支配領域であるシス湖へと向かっています」
「……豚頭族本隊の目的がシス湖にあるとするなら、大鬼族の里は何で襲われたんだ?本隊の進路の妨げにもなってないし………。もしかして、お前ら豚頭族に恨まれる様なことをしてないよな?」
「ワシがこの世に生を受けて数百年、大鬼族が豚頭族に恨まれる様なことをしたという話は見たことも聞いたこともありませんな」
「ふーん。……って、数百年?大鬼族ってそんなに長命な種族なのか?」
「一般的な大鬼族の寿命は100年前後ですよ。数百年生きてる白老は異常なんです」
「年長者に向かって異常なんて失礼にも程があります、お兄様。それに大鬼族の上位種である鬼人族は寿命が1000年、鬼人族より上の上位種となれば、その寿命は数千年から数万年になるじゃないですか」
………数千年から数万年の寿命って、一体どこの異星人?まるで梶○ワールドのキャラじゃん。もしかして、ジュラの大森林って、樹○本星の皇都なんじゃね?ジュラだけに。この森のどこかに皇家の樹とかあるんじゃね?……取り敢えず―――
「朱菜。宇宙一の天才科学者を自称する哲学士にだけはならないでくれよ」
「はい?」
「……ただの妄言だ、気にしないでくれ。…………で、恨まれてないとすると、豚頭族が別動隊を使ってまで大鬼族の里を襲ったのは何でだ?何が目的だ?」
「豚頭族は基本的に知能が高くない魔物だからな。本能以外で侵攻してるってんなら、バックに何かしらの存在がいると考えるべきだろうな」
「数万の軍勢を支配できるカリスマ持ちってなると、魔王か?」
「「「「「「「「「「………」」」」」」」」」」
カイジンの発言から俺が豚頭族のバックにいる存在の候補を口にすると、この場にいる全員が黙り込んだ。まぁ、下手すれば魔王を敵に回すかもしれないんだ。黙り込むのも当然だな。
「ま、飽く迄可能性だ。根拠も確証もないし、今の話は忘れてくれ。…………そういえば魔王じゃないけど、怪しい奴はいたな。魔人ゲロメットとかいう奴。
お前らも最初はそいつが豚頭族を大鬼族の里に嗾けたって思ってたんだろ?そいつが何かしらの目的で豚頭族を利用しているって可能性は無いのか?」
「リムル様、ゲロメットではなくゲルミュッドです」
「お、おう。そうか。……で、そこの所はどうなんだ?蒼月」
「………ゲルミュッドが豚頭族を利用している可能性はあると思います。ただ、数万の軍勢を支配できるかといえば、それ程の能力があったとは思えません」
「……ぶっちゃけ、今のお前らと比べてどうなんだ?」
「………正直言って、自分達より格下です。鬼人族以上であれば、個人で瞬殺できる相手でしょう」
「成程。確かにそんな三下が20万もの豚頭族の軍勢を支配できるとは思えないな。それじゃあ、誰が豚頭族の軍勢を支配してるんだ?」
「……魔王でないとすると、可能性としてあり得るのは豚頭帝でしょうか」
「豚頭帝?それは人鬼候や大鬼候の豚頭族verか、穂乃花?」
「どちらかといえば、人鬼王や大鬼王の様な統率種です。ただ、数百年に一度生まれる特殊個体で、その異常な統率力は味方の恐怖心を喰らうことで得ているとの話です」
「……魔王が統率している可能性よりかは高いか。ちなみに豚頭族が名付けで豚頭帝に進化する可能性はあるのか?」
「まぁ、魔素量がそれなりに多い魔人が名付けをすれば、進化する可能性もあると思いますけど」
「なら、魔人ゲルミュッドが豚頭帝を裏で操ってると考えるべきだな。三下の魔人でもそれくらいはできる可能性も高いだろう。取り敢えず、豚頭帝が存在していることを前提に軍議を続けよう」
俺がこう告げた数分後、俺達はとある存在から豚頭帝が実在していることを告げられることとなる。
後書き
………という訳で、トレイニーさんの登場は次回に回してみました!(笑)
今回のメインはゴブタvsガビルといった感じなんですが、どうだったでしょう?
私的にはガビルならこのコンボを喰らっても「あ~、死ぬかと思ったである」とか言って復活する気がしたので、書いてみました。(笑)
そして、何気に組み込んだ梶○ネタ。(笑)読者の中に何人くらい○島ワールドを知っている人がいるでしょうか?
異世界○聖機師物語へと繋がる天地○用!魎皇鬼の第4期OVAが発売されたことで、地味にテンションの上がった作者が何の考えもなくネタを組み込んだ訳なんですが……。(笑)
建国時の名前も原作通りではなく、樹○連邦国にしてもいいかな?とか思ってます。ジュラの大森林だけに(笑)
(その場合、首都名は始祖樹からとって津○魅―――はないですね(笑))
次話はトレイニーさんの登場から豚頭族の軍勢との大戦手前まで話を書く予定です。期待し過ぎない程度に期待してお待ちください。(笑)
追記
作中内における梶○ワールドネタが分からない人はT●TAYAかGE●で天○無用!魎皇鬼シリーズを見て下さい。(笑)
哲学士云々は3期以降や外伝とも言える天地●用!GXPなどを見れば分かると思います。(笑)
まぁ、端的に述べるとマッドサイエンティストなんですけどね。(笑)研究対象を手に入れる為なら破壊活動も辞さなかったり、同期との軽口の賭けから軽い気持ちで銀河連合最大規模の王政国家の転覆を目論んだりする連中がいるので……。(笑)
(当然、そういう奴らばかりという訳でもないんですが………)
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