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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第六章 Perfect Breaker
  天空愛撃


純白戦BGM
PSP Fate/Extra CCC
サクラメイキュウ』


今までのあらすじ


各地での戦いは激化の一途をたどる。

その中でも、都市部にてネガ電王が呼び出したネガデンライナーより出現した無数の暴走イマジン・ギガンテスの軍勢が、平穏だった街並みを蹂躙していく――――


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青龍たちは即座に動いた。
蒔風の号令と同時か、それよりも一瞬早く。

人神体であった七人は、獣神体へと姿を変えて七体の獣となって空へと向かう。


しかしネガデンライナーから次々に飛び降りてくるギガンテス勢。

四足で、筋骨隆々の体躯をしたギガンテスヘルが重力に身を任せて大地へと飛び降りていく。
それを白虎の爪が引き裂き、獅子の鬣が絡め取って行く手を阻む。


対し、海竜型のギガンテスハデスと、怪鳥型のギガンテスヘブンは空での機動が自由だ。
青龍の雷撃、朱雀の火焔がハデスを落とし、追い回した挙句に天馬や麒麟、玄武がヘブンを撃墜していく。


だが


「白虎!!そっちに一匹・・・・」

「無理だよ!!あの電車、動き回りながら落してるんだもん!!」


「くっ、これはあまりにも・・・速くあの電車を!!」


「ああそうだな。俺らが八獣だったら出来たかもな!!」

「そう言っても仕方なかろう!!」

「こいつら、私たちの許容範囲を超えてるぞ!!!」


「・・・・マズイ!!!」

青龍の叫び。

それと共に、ついにギガンテスヘルの四肢が大地を踏みしめた。
口内から吐き出す黒煙に包まれた岩石のような塊が、一つのビルに向かって吐き出された。

それを、猛スピードで上空から飛来した青龍が、全身を持って受け止める。
ビルのその面を覆うように体をくねらせ、電磁バリアを張ってその一撃の爆散に耐えた。


だが、一匹落ちてしまったらそこからは止めようもない。
次々にギガンテスヘルは街中に投下されていき、上空の包囲網から逃れたハデスとヘブンも街を射程範囲に収める空域へと飛来してきた。



「ッッ!!!」

その光景を、蒔風は地上から見まわしていた。
もはやどちらを向いても、安全な場所などありはしなさそうだった。

その蒔風の脇を、周囲を、もう建物の中も安全ではないと悟った人々が一斉に飛び出してきては、駆け抜けていく。


怪獣映画のワンシーンのようだった。

襲い掛かる破壊の暴雨。
逃げ惑う人々。

そちらが安全だとわかっているわけではないのに、彼らは本能でそちらへと駆ける。



「ははは、街を守ると言って、結局はこの体たらく。おまえ、情けないぜ?」

ネガ電王の言葉に、もはや一言も返すことのできない蒔風。

ただ黙り、この光景を目の当たりにし、自らの無力を嘆く。
握られた拳は震え、噛まれた唇からは血が流れていた。


「もう・・・守れないのか」

「そうだ。お前は、護れなかった」

蒔風の、自身へと向けられた落胆の言葉にネガ電王が首肯する。

だが、ネガ電王の言葉には勝利の響きなどはない。
これはただの「悪とはかくあらん」事を示したデモンストレーションに過ぎない。


彼にとってこの男を倒すとは、このような回りくどいことではなくその心の臓腑を止めること以外にはないのだ。


それを理解して、蒔風は自らの無力を呑みこんだ。
周囲を見渡し、反乱狂になって逃げ惑う人々から敢えて目を逸らした。



彼等を見ていて、救えるか。
今自分がそちらに動いて、彼等を救えるか。

それは肯定されるだろう。


だが、それは解決ではない。
目の前の男を倒さねば、今のこの惨状はなくならない。


「お前を倒す」

「そうか。やっとかよ」


嘆きも悲しみも、反省も後悔も後だ。
今はただ、これだけがあればいい。

相手と自らに対する怒りと、そいつを潰すと言う行動目的さえあればいい――――!!!



「結局、正義ってのもその程度だ。守れないと知りゃ、簡単に投げ出すんだもんな!!」

蒔風の力を嗤うネガ電王。
だが、蒔風は黙ってそれに首を振る。


「一昔前なら、な。確かにこんなことはしなかった。俺は俺がどうなろうと、この街のために全力を尽くしたさ。文字通り、命がけで」

だが、今は違う。
彼にそのようなことをするだけの必要はない。

誰かの危険の代わりに、自分の命を投げ出すようなことは、もはやしない。


「一般人を見捨てるか・・・・」

「そいつもちげぇ」

はは、と笑いながら、蒔風は自信満々に言った。

自分は救わない。だが、彼らを諦めない。


「自分一人で頑張るの、やめたんだ。頼れる仲間は頼るぜ?俺は。仲間が危険に、なんてアホなこと言わんよ」


瞬間

蒔風の上空に、二つの穴が開いた。
それぞれそこから、電車のレールが構成されて展開される。

駆けだしてくるのは、もはやご存じ時の列車。

「電王に・・・ゼロノスか!!!」

しかも、それだけでなくビルの外壁がピラピラと剥がれていった。
底から現れたのは、城の体躯をした巨大な龍。


「キャッスルドラン・・・・キバまで来たのか!?」

「街のことは七獣とあいつらに任せた。俺はお前を倒す」


蒔風の視界に、すでに街の光景は映っていない。


在るのは、目の前の敵。
そして、自らにつながれた少女。


「俺が守って戦うのは、今ん所この子だけ。ほかはみ~んな、あいつらがやってくれる」

誇らしげに、ともいえる顔で、堂々と言い放つ蒔風。
彼自身が抱いた、新たな希望の形。

状況はいまだ押され気味だが、それでもなお、彼等を信じる。


「かかって来いよ、悪とやら。お前を倒して、それで終いだ!!」

「フン・・・・なるほど。だが、クライマックスはまだ決まってねぇぜ・・・・!!!」


ユラリと剣を構えるネガ電王。

街は阿鼻叫喚の絵図。
デンライナーとゼロライナーは人々の避難、七獣はその援護。

怪我人多数、大多数。
しかし、一人たりとも失うことは決してない。


問題は

(今のこの俺の状況で、果たしてこいつに勝てるかどうか、だ!!)



使えるのは、左手と両脚。
右腕は動かせるが、攻防の際に掌と上腕を負傷している。

動き回れば、響の身がもたないだろう。


ならば


「・・・・あれ、やってみるか」

拳を構え、蒔風が迎撃の体勢を取る。
そこに向かって、ネガ電王は剣を構えて駆け抜ける。


さて、この戦いは、如何に。



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冬木市上空

そこに、一気に駆け上がる二つの影がある。


一つは純白。神尾観鈴。
一つも純白。神奈備命。

放たれる衝撃波は、空で弾け、周囲の雲を霧散させながら幾度も幾度も打ち合わされる。
戦闘機によるドッグファイトのような機動を描いて、空に一対の飛行機雲を残しながら、二人は空を縦横無尽に駆け回る。



「そこッッ!!」

ドドンッッ!!と放たれる観鈴の衝撃は、拳大の砲弾の形をしてバーサーカーへと飛び出していく。
だが彼女はそれを羽撃き一つで掻き消し、そのまま大範囲への衝撃波で眼下の観鈴へと落していった。


「ヴォォオオオオオ!!!」

「ぐゥッ!?」

避けてはマズイ。
この衝撃波は、この広範囲にもかかわらず威力は拡散していない。

避ければ街が潰されてしまうだろう。
故に、観鈴は避けずに受けた。

翼を広げ、持てるだけの衝撃破をそこから発して相殺する。


だが彼女の身体はバチンと弾かれ、河に向かって頭から急速落下して行ってしまう。

それを、公園に犬の散歩やジョギングでやってきていた数人の住民が空を指さし、あれはなんだと騒ぎ始めた。



瞬間、点だったはずの観鈴は猛烈な勢いで彼らの視界にはっきりと移り込んできた。

激突する!!
そう思った彼等は、その場から逃げだそうとするが


ヴォ――――ォオオッッ!!!


観鈴が落下して行くのは、川辺ではなく、河だ。

水面に達する前に身体を翻し、翼を広げて制動を掛ける。
そして立つように水面へと。更にそのまま後ろ向きに河を橋の方向へと逆上った。

おそらく、勢いは殺しきれなかったのだろう。
ならば、その勢いを利用して、水面上で湾曲を描いてそのまま上空へと舞い戻る!!!


その観鈴に向けて、ブワァと一瞬身体を浮かせるバーサーカー。
それに対し、観鈴の周囲の大気も渦巻いていく。


「ガァア!!」

「ウワァああああ!!!」

咆哮と、叫び。


激突せんとする両者は、落下と上昇のまま正面から激突していく。

バーサーカーが拳に、観鈴が翼に。それぞれに衝撃波の螺旋を纏わせ、相手を貫こうと、斬り裂こうと、正面へと突き出した――――!!


バキィ!!!


交差する。
バーサーカーの拳は観鈴の肩を掠め、観鈴の翼はうっすらと彼女の脇腹を裂いていた。


ゴォ・・・と唸り声を上げるバーサーカー。
対し、観鈴は怯むことなく翻り、翼で羽撃き荒れ狂う衝撃波を竜巻のように噴き出した。

それを回避するバーサーカー。


観鈴の下方から、右側へと回るように上昇をしていく。
それを狙っていく観鈴だが、相手の機動にそれをすべて回避されていってしまう。


そして、雲を突き抜けその先へ。
それを追おうと観鈴も日光に目を細めながら空を見上げた。


ゴゥン・・・・・・

「え」

ゴゥン・・・ゴゥン・・・・ゴゥンゴゥンゴゥン!!


突如、空から響く何かの音。
まるで、巨大な工場の歯車が回るような音だ。

だが、この空にそんなものがないのは明らかだ。
ならば、これは一体何が唸る音なのか―――――


ゴゥンゴゥンゴゥンゴゥンゴゥン――――――ガゥンッッッ!!!


そして、音が一層大きくなって鳴りやんだ。

瞬間、雲の向こう側を何かが円形に打ち広がっていく。

それに合わせ、ズズズズ、と。
ゆっくりと、雲が円形に開かれていった――――――



「あれは――――!!!」

バーサーカー、最大開翼。

その円の中心にいたのは、間違いなく純白の翼。


その顔はすでに表情と呼べるものはなく、只々一撃を放つ一つの力の塊と化す。

剥きあがった眼球は、もはや目の前の観鈴すら映さない。
広げられた腕と翼は、刺し込む太陽光と相まって神々しさを増していく。

ただ、この姿は神々しくとも、破滅の天使というのがまさしく相応しい――――!!!


「・・・・みんな」

バーサーカーの口内に溜めこまれた衝撃波。
すでに口内から口の前へと出ている程の大きさだが、それでも抑えられているのだろう。

そのサッカーボールほどの大きさの、衝撃の球弾。
内部で幾重にも衝突と反発を繰り返し、その力はすでにこの冬木を破壊するだけの威力が十二分に溜めこまれている。


街が?否
土地が?否

この威力ならば、この地の土壌ごと吹き飛ばすくらいの被害は最低限――――!!!



目を閉じ、観鈴はそれに向かっていくことをやめた。

代わりに、呟いて思い描く。


この街を、この街にいる、すべての人を。
感じ取れるだけ感知する。

観鈴の翼も、大きく開かれていった。
だが、それは蒔風やクラウドたちのような、勢いのある最大開翼ではない。

そう、まるでそれは、花びらがゆっくりと開くような



「この街のために、戦った人がいた」

それは、この土地の管理者という義務か


「ここの人たちのために戦った人たちがいた」

それは、自らの正義に突き動かされてか


「すぐそばの、大切な人のために戦った人がいた」

それは、自分の愛する者を守るためか


「そして、今この瞬間に、私のことを思ってくれている男性(ひと)がいる!!!」

それは、無事でいてくれと祈る法術の男。



「この街に生きる、皆の・・・誰かを大切にしたいっていうキモチは、絶対に、絶対に!!!」

ゴォッッ!!!

「負けない!!!」

純白・神尾観鈴、最大開翼。


その開かれた翼の内に、幾つもの衝撃波が溜めこまれて一つになっては再びいくつも溜めこまれれる。

片翼に各四つずつ。
その八つを一つにしては、また八つ溜めてさらに加えていく。

そうしてかざした両手の前に、溜まり溜まるははこの地の想い。


彼女の翼は、愛を司る純白の翼。
愛は人が抱くだけのものではない。


愛には、様々な形が存在する。

それは人類愛か。
師弟愛か、姉妹愛か。
隣人愛か、異性愛か。
慈愛か、自愛か、それとも愛憎か。

そして、抱くのは人だけではない―――――



町中からあふれ出す、光の粒子。

街にだって意思はある。
この地に住まう、皆の幸せを願うのは、何も人だけではない。

雪のような淡い光が、煌めくような強い光が、観鈴の翼へと収束していく。




「ガァッっ!!」

「あァッ!!」

バーサーカー、咆哮。
同時、神尾観鈴は空を駆け昇った。

打ち出された衝撃砲に、真正面から突っ込んでいく。


衝突、轟音。

大気がその場からすべて弾き飛ばされ、そして一瞬で元の位置へと戻っていく。

そこそこ高いビルの窓ガラスはは割れ、鳥たちは一斉にその場を後にする。



今、この空は彼女たちだけの物だ。




「うわアぁぁアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

両手を突きだし、ため込んだ自身の衝撃球を、砲撃へと押し込んでいく観鈴。
対し、自身の打ち出した衝撃砲をさらに後押しして相手をつぶそうと全力を注ぐバーサーカー。

衝撃の波が、様々な角度で弾き出され、空に漂う雲を悉くかき乱す。


その嵐の中、それを止めようと全力で先へと進んでいく観鈴。

しかし、出力差は圧倒的だ。
今は拮抗状況だが、観鈴はピクリとも前に進めないのだから。


同じ純白。
同じ翼。

出力の違いは、セルトマンの存在か狂化のためか。



だが、違いと言えばこちらにもある。
バーサーカーにはない、決定的な違いが。




「観鈴!!帰って来い。勝てぇぇえええええええええッッッ!!!」

「うん・・・!!!行くよ、往人さん!!!」

グ・・・ヴォヴォヴォォオン!!!!


観鈴の足元に浮かぶ陣。
それは魔法陣などというものではない。それよりも、もっともっと尊い想いのもの。

法術陣。
すでにこの世界から失われた術。「想いを届ける力」を秘めた、奇跡の術式―――――!!!



かつて


蒔風は自身の翼を指して「原初の翼」だと言った。
いかような想いも、すべからく願いから始まると。

だが、それは少し違う。


この世に多々ある感情の中で、愛には理由がない。

否、正確には、愛とは始まりであり結論だ。
理由づけてから、愛があるのではない。

理由は「愛しているから」であり、その結果「あなたを愛す」のだ。


愛とはそれ一つですでに完成された物。
ならば、願いを「原初」というなれば、この愛情というものはまさに「元始」の感情――――!!!




「あなたを、救う!!!」

慈愛

「貴方のために、生きた人のために!!」

情愛


「私は貴方を、助けたい!!」

愛情




観鈴の、攻撃の形が変わる。

球体だった衝撃は、薄く広く広がって目の前で高速回転を始めたのだ。
衝撃砲を絡め取り、なお自らの力として増大させる。

そして吸収しながら、更に観鈴は先へ――――先へ!!!


バゥッ!!

「ハァァアアああああ!!!」


突き出していた両腕は、今は引っ張り上げるような体勢になっている。
上半身で持ち上げるように、そして、上空の彼女から、目を離さないように。


「行 く よ!!!」

ド ド ド ド ンッッ!!


幾重にも展開される法術陣。
その中心を通過し、観鈴の翼は更に輝きを増す。


ザッ!!

「これは、誰かを思う愛の形」

到達


ツゥ・・・・・

「もう悲しまなくていい。苦しまなくていい」





―――――ォウ

「だってあなたは、救われていなきゃ、いけないんだから!!」

そしてもう一人も、涙



ゴゥッッ!!

「ちょっと痛いよ、我慢してね―――――」

――――――愛には、それくらいがちょうどいいから!!!



天空轟くは一つの力。

それは武勇でもなく、轟力でもなく、雷鳴でもない。
しかし、それは目に見えぬものでありながら天空の光に煌めいている。

ただ一文字で表され、その一文字を以って完了される究極の形。



「純白衝撃法術大法―――――!!!!」


ゴッッ――――――

《Air!!!》


―――――ドンッッッ!!!!



衝撃波。
形のないはずのそれが、波にどころか光を伴い空に煌めく。


そして、その中には二人の翼人が



『すまんのぅ・・・迷惑をかけたようじゃ』

「ううん。いいの。私だもん」

『そうじゃったか?なら問題ないの!!』

「あら」

ガクッ、と崩れる観鈴。


『さて、話ができるのはいいが時間がないのが難儀じゃ。とはいえ、そう話すことはないのじゃが』

そう言って、神奈備命は振り返る。
まるでそこに、彼らが待っているかのように。


『じゃあの!!あんなじゃったが・・・・楽しかったぞ!観鈴!!』

「う、うん・・・・神奈!!」

手を振って、光の先へと消えていく少女。
それに、観鈴も手を振りかえした。


そう

まるで、ずっとずっと遊んでいた友達が、また明日と手を振って別れるように



『柳也~、お手玉教えてくれ~』

『ったく、まだ出来ねェのか?』

『あらあら、神奈様ったら・・・・・』



------------------------------------------------------------



「うにゅ?」

「お、起きたか」

木の根もとで、観鈴が目を覚ます。
どうやら、自分は往人に膝枕をしてもらっているようだ。

ポン、と頭を撫でられ、くすぐったそうにする。


「お疲れ」

「がぉ・・・」


と、観鈴は自分が何かを握っていることに気付く。

小豆の詰められた、石ころサイズの布だ。
だが、取り出し口はない。


「なんだこれ?お手玉?」

「・・・・・・・」

それを見て、口が呆けたように開いてしまう。
懐かしい、気がした。


「往人さん」

「ん?」

「お手玉!!」

「お、おう」

「教えて!!」

「・・・・つっても、一つじゃなぁ・・・・・」

ははは、と笑いながら、それでも悪い気はしない往人。


「EARTH」は大変だろうが、もう少しこのままでいよう。
あんなに頑張ったのだから、これくらいのわがままは良いだろう。


「あ、往人さん、悪い顔」

「るせ。そもそも帰る方法がねーだろうが」



セルトマンによる土地の入れ替え。
その場所が返らない限り、戻るのには時間がかかるだろう。

だったらそれまで、あの子の分まで、ちょっと遊んでもいいよね?




to be continued
 
 

 
後書き

純白戦はホントにもう・・・・勢いだけだよッッ!!
イメージしたのは、ニコニコ動画のMMD杯に出てた「天使と悪魔」。いいモーションでしたよ、あれ。




蒔風はというと、ネガ電王にロックオン。
もう他にわき目もふらずにぶつかります。



「でもそれで勝てるのか?」

おや、君は蒔風の背中にいながらなかなか台詞のない響君。


「しゃべったらした噛むし、しゃべっても台詞入れてくれないのは君だゾ!!」


まあ。
テンポずれるし。

でも君がいる意味は間違いなくある。


「ドユコト?」

蒔風
「翼人に人質は効かないんだよ。その所以をお見せしよう」

うわ、いたのか

蒔風
「いたよ」


というわけで。

蒔風
「次回。俺の――――」

???
(《《俺達の戦い!!》》)

ではまた次回
 
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