恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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97部分:第九話 陳宮、呂布と会うのことその七
第九話 陳宮、呂布と会うのことその七
「だから」
「呂布殿・・・・・・」
「恋でいい」
真名も告げた。
「これからはこう呼ぶといい」
「そうなのですの」
「恋もねねと呼ぶ」
既にその名前は知っていた。
「ねね、これからずっと一緒」
「恋殿・・・・・・」
こうしてであった。犬と共に身体を清めた。そのうえでベッドに入った。二人は同じベッドの中にいた。
「ねねの部屋とベッドも用意する」
「今日はなのですか」
「そう。一緒に寝る」
そうするというのだ。
「部屋は分かれるけれどずっと一緒」
「ずっとですの」
「そう、ずっと一緒」
こう言って陳宮を抱いてそのうえで寝るのだった。陳宮は呂布の温かさを感じながら静かに眠った。それは彼女が今まで感じたことがないまでに温かかった。
その温かさを感じながら眠り起きてだ。翌朝呂布と共に董卓との面会になった。董卓は彼女を見て静かに微笑んで言うのであった。
「それならこれからは恋ちゃんと一緒にですね」
「はい、頑張ります」
董卓の顔を見上げての言葉だった。
「恋殿と一緒に」
「わかりました。では恋ちゃん」
「うん」
「陳宮さんを御願いしますね」
「恋殿は最高の武将、ならねねは」
ここで言った。
「最高の軍師になりますぞ!」
「あれ、あんた軍師だったの」
「そうですぞ!」
こう賈駆にも返す。
「これでも兵法を学んできておりますぞ。呂布殿の足手まといにはなりませんぞ!」
「だといいけれど」
賈駆の目はあからさまに疑っているものだった。
「あんたみたいな小さな娘がね」
「御前に言われたくないですの!」
早速言い返す陳宮だった。
「御前だって小さいですの。軍師は年齢ではないですぞ!」
「何ですって!?」
そしてそれに怒らない賈駆ではなかった。
「今何て言ったのよあんた!」
「御前が小さいって言ったのですの!」
本当に言う始末だった。
「御前なんかには負けないですぞ!」
「言ったわね!じゃあやってみなさいよ!」
引く賈駆ではない。
「若しできなかったらね!」
「大丈夫」
ここで呂布が言った。
「陳宮はしっかりとしている」
「そうですね。恋ちゃんが認めるのですから」
董卓は静かに微笑んでいる。
「間違いはありませんね」
「じゃあ月はそれでいいのね」
「はい」
賈駆の問いに微笑んで返す。
「それで」
「わかったわ。月が言うんだったら」
いいというのであった。
「好きにしなさい。僕はもう言わないから」
「有り難う、詠ちゃん」
「詠は月に弱い」
ぽつりと陳宮に言う呂布だった。
「覚えておくこと」
「わかりましたですの」
「ちょっと、わかったって何よ!」
すぐに突っ込みを入れる賈駆だった。
「僕はね、ただ月が牧だから仕方なくね」
「そうは言っても断ったことはないから」
完全にわかっている呂布だった。
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