恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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91部分:第九話 陳宮、呂布と会うのことその一
第九話 陳宮、呂布と会うのことその一
第九話 陳宮、呂布と会うのこと
長安に戻った董卓はすぐに政務に戻った。そのうえで次々に政務を処理していく。だがその仕事ぶりは決して速いものではなかった。
だが彼女はそれを少しずつでも確かにこなしてだ。時間をかけてしていくのだった。
その横にはいつも賈駆がいる。その彼女が心配そうに見ながら言ってきた。
「月、無理はしないでね」
「う、うん」
「身体を壊したら何にもならないから」
「けれど詠ちゃん」
董卓はその彼女に顔を向けて言ってきた。
「仕事は全部終わらせないと」
「私だっているから」
自分もいるのだという。
「だから安心して」
「安心していいのね」
「そうよ。華雄将軍もいるし呂布だっているじゃない」
この二人の名前も出すのだった。
「だから安心して。それに」
「それに?」
「州の治安には犬や猫達が役立ってくれてるし」
呂布と共に来たその彼等である。
「それに人材も入ったしね」
「キムさん達ね」
「そうよ、キム=カッファンとあの三人」
賈駆の顔が笑顔になった。
「それと山崎竜二ね」
「あの人達強いから」
「山賊退治はお手のものだからね。ただね」
ここで賈駆の顔が曇った。
「あの面々はねえ」
「何をするかわからないの?」
「何かおかしいのよ」
腕を組んでの言葉だった。
「妙にね」
「他の世界から来たからじゃないの?」
「あのキムっていうのとジョン=フーンだったわね」
この二人の名前が出て来た。
「あの二人が後の三人だけじゃなくて山賊達も更正させるとか言ってスパルタ教育をしているわけだけれど」
「いいんじゃないの?それは」
「それが永遠に続くっぽいのよ」
そうだというのだ。
「何か自分達が完全にそうだと認めるまでやるタイプらしくてね」
「山賊さん達を」
「そりゃ山賊達に同情はしないわ」
この言葉は正直なものだった。
「けれど。何か凄いことになってるのよ」
「凄いの」
「灌漑や街造りにしょっちゅう駆り出して」
そうしていると話される。
「四六時中こき使ってるのよ」
「そうなってるのね」
「それに修行も入れて」
しかもこれもあった。
「治水や灌漑や街にはいいけれど。あの連中は大変ね」
そんな話をするのだった。そしてその頃長安近郊の村では堤防が修理されていた。白いテコンドーの服を着た二人の男が柄の悪い男達を厳しく指導している。
「そこ、動きが遅い!」
「それでは日が暮れてしまいますよ」
一人は黒髪を中央で分けた精悍な男でありもう一人は見事な長い金髪のやや中性的な男である。二人が厳しい声を出していた。
「この後には修行がある!」
「それに間に合わせますよ」
「うう、この世界でもキムの旦那と一緒かよ」
「しかもジョンの旦那までいるでやんすよ」
剥げた顎鬚の大男と帽子を被った小男がいる。二人もテコンドーの服を着ている。
「しかも今は修行だけでなくて勤労奉仕もかよ」
「あっし等の地獄は何時終わるでやんすか」
泣きながら作業にあたっている。山賊達もその周りでテコンドーの服を着せられてそのうえでこき使われている。かなり無惨な姿だ。
「起きて飯食ってすぐに修行と勤労奉仕」
「旦那達は同じことやっても全然平気でやんす」
「御前等はまだいいんだよ」
金髪をオールバックにし左右だけ黒いままだ。大柄で筋肉質のガラの悪い顔立ちの男もいた。彼の服だけシャツもズボンも黒である。
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