レーヴァティン
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第二十話 新妻その九
「汗かいてすっきりするか」
「じゃあ全員で行こうか」
源三は二人の子御t場も受けてまた笑みになって言った。
「そうしようか」
「そうするか、そういえば風呂ってな」
話が決まったところでだ、久志はこんなことも言った。
「あれだろ、お姉ちゃんん達もな」
「ここは市庁がやってるからそうした人達はいないけれどね」
「やっぱりいるよな」
「そうだよ、温泉街とかはね」
「そうだよな」
「うん、けれど君は」
「ああ、もういいさ」
そうした店、そして女達はとだ。久志は答えた。
「あの人がいるからな」
「だからだね」
「もういいさ」
その彼はというのだ。
「別にな」
「運命の出会いだったんだね」
「何かな」
首を少し捻ってだ、久志はこうも言った。
「そうみたいだな」
「あの人のところに行くまでは誰でもいいって言ってたのに」
「それが変わったな」
実際にとだ。久志自身で言った。
「確かに女の子好きだけれどな」
「一人でよかったんだ」
「そうみたいだな、俺は」
「それがわかったんだね」
「あの人に会ってな」
ハンナのことを思い出しつつ言うのだった。
「それで変わったさ、というかな」
「わかったんだね」
「そうだな、じゃあ明日にでも行くか」
「おそらくですが」
順一がここで言うことはというと。
「私達は四人共遅くまで飲んで」
「翌朝二日酔いだな」
智は笑って言った。
「そうなるよな」
「それもかなり酷い」
「じゃあ二日酔い解消にな」
「お風呂屋さんに行きましょう」
こう提案した。
「そしてお風呂で二日酔いを解消し」
「それと一緒にな」
「情報を集めましょう」
「それがいいな」
「四人目だけでなく五人目、六人目と」
そしてだった。
「各地の情勢も」
「今以上に知る為にだよな」
「はい、聞くべきです」
久志にも言った。
「直接聞く訳ではないですが」
「噂を聞く形だな」
「そうした形で、です」
まさにそうしてというのだ。
「聞いていきましょう」
「それじゃあな」
「今は飲んでいきましょう」
「ワインは一杯あるよ」
言いながら実際にだ、源三はボトルを出してきた。それも何本もだ。
「幾らでも飲んでいいよ」
「用意がいいな」
「肴もね」
それも出してきた、ソーセージやハム、チーズを。
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