恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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778部分:第六十三話 劉備、牧になるのことその三
第六十三話 劉備、牧になるのことその三
「オロチ一族っていってな。別の奴等だ」
「別の、ですか」
「じゃあ人の形をしているだけで」
孔明と鳳統もここでわかった。
「その存在は人ならぬもの」
「邪神の類なんですね」
「近いな」
草薙は鳳統の邪神という言葉に答えた。
「まあそういうところだ。どちらにしろあの連中も来てるとなるとな」
「はい、危険ですね」
「姿を消したといっても」
孔明と鳳統は目を伏せさせながらも強い声で述べた。
「ここはやはり」
「逃してはいけません」
「その通りね。それじゃあここはね」
曹操は劉備の軍師二人の言葉を受けてだ。すぐにこの断を下した。
「あの二人はお尋ね者ということでね」
「はい、では国中に」
「手配書や人相書きを配布しましょう」
夏侯姉妹も主にすぐに応えた。
「大将軍にもお話して」
「捕まえましょう」
「麗羽や孫策にも伝えておくわ」
曹操は彼女達にもだというのだった。
「美羽は丁度ここにいるし」
「任せてたも」
袁術は胸を張って曹操の言葉に応えた。
「わらわの治める地で勝手なことは許さん」
「とりあえずこれで殆どの州は大丈夫ね」
曹操は袁術に話してからこう述べた。
「ただ。徐州や益州は」
「誰か治めるに相応しい人物がいればです」
荀彧がその曹操に述べた。
「その人物を牧に推挙すべきかと」
「そうね。この二州の牧ね」
曹操は考える顔になっていた。そうしてだ。
とりあえず今ここにいる面々を見回した。そのうえでだった。
劉備を見てだ。こう話したのだった。
「この乱の平定は貴女の功績が大きいし」
「私ですか?」
「ええ。今貴女官位とかはないわよね」
「そういうのは」
「このまま幽州にいるままじゃね」
このことも話す曹操だった。
「人材も多いし勿体ないわね」
「といいますと?」
「貴女、牧をやってみる?」
微笑んでだ。劉備自身に話した。
「何なら推挙するけれど」
「えっ、私が徐州にですか」
「そうよ。どうかしら」
「むっ、劉備が牧か」
袁術もそのことを聞いて明るい顔になる。
「よいのう。そなたが隣にいれば楽しいぞよ」
「楽しいのですか?」
「そなたはいい奴じゃ」
明るい顔でだ。劉備を見ての言葉だった。
「少なくとも孫策の奴よりはよっぽどいい奴じゃ」
「いいか?」
関羽は袁術の今の言葉を聞いてだ。そっと張勲に尋ねた。
「袁術殿と孫策殿は上手くいっていないのか?」
「ついこの前まで領地のことでいがみ合っていまして」
そうだと話す張勲だった。
「それで今もそのことで」
「御互い仲がよくないのか」
「些細なことですので御気になさらずに」
「まあ早く仲直りしてもらいたいところだな」
「とりあえず時間が回復してくれます」
笑顔で話す張勲だった。袁術も袁術で牧としての問題を抱えているのだ。
そうした話も交えてだ。そのうえでだった。
劉備はだ。また曹操に告げられた。
「それでどう?徐州の牧にね」
「どうしよう」
曹操の言葉にだ。劉備はまず戸惑う顔を見せた。しかしその彼女にだ。
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