恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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776部分:第六十三話 劉備、牧になるのことその一
第六十三話 劉備、牧になるのことその一
第六十三話 劉備、牧になるのこと
乱は終わった。しかしであった。
まだ最後の仕事が残っていた。朝になり華陀が言うのであった。
「それではこれからだ」
「あの書をだな」
「封印するのだ」
「そうだ。最後の大仕事だ」
こう関羽と張飛にも言う。
「このゴオオオオオオオッド!米道のな」
「だからどうしてそこで大声で伸ばすのよ」
突込みを入れたのは張梁だった。三姉妹が曹操の天幕の前に来てだ。そのうえで書を直接手渡すことになっているのだ。それで来ているのである。劉備や曹操、袁術、その家臣達も集まっている。
「やけに格好いいし」
「こう言うべきだから言うんだ」
こう張梁にも話す。
「重要だから忘れないでくれよ」
「何か納得できるよね」
「そうね」
張角と張宝が顔を見合わせて話す。
「それに何か言い方が」
「やけに楽しいし」
「さて、それでだ」
ここまで話してだ。また言う華陀だった。
「その書をな」
「ええ、そうね」
曹操もそれを言う。
「封印してなのね」
「そうだ。それではな」
張角からその書を受け取りだ。そのうえで。
「病魔よ!」
何故かここでも病魔であった。
「光になれーーーーーーーーーーっ!」
「ちょっと待った」
ところがであった。ここで、であった。こう言って今まさに針を書に繰り出そうとする華陀を呼び止める声がしてきた。その声の主は。
「病魔を封印するのにまた大袈裟ですね」
「いや、それが俺のやり方だからな」
「封印するのに光になれというのもおかしな話です」
「そうか?俺は別に」
「この場合解放するでは?光になれとは」
「それもそうか」
「さて」
そんな話をしているうちにだ。于吉が出て来たのだった。
その彼を見てだ。三姉妹が言った。
「あっ、于吉」
「何でここに出て来たの?」
「また急に」
「この書は返してもらいますよ」
于吉はその三姉妹に穏やかに話して述べた。
そしてそのうえでだ。書を華陀から取ってだ。そのうえでだ。
「ではこれで」
「待て、まさか御前は」
「さて。どうでしょうか」
華陀に言われてもだ。とぼけてだった。
姿を消してだ。彼はその中で一行に告げた。
「では皆さん、縁があればまた会いましょう」
「あいつ、ひょっとして」
「そうね」
「おそらくはね」
怪物二人が何処からか出て来て話す。
「彼はその一人ね」
「間違いないわね」
こう話してだ。何処かに姿を消したのであった。
その二人を見てからだ。袁術が顔を顰めさせて言う。
「今、物凄く気色悪いものが見えたのじゃ」
「はい、私もです」
「私も見ました」
紀霊と楽就も応える。
「正視に耐えないものが」
「確かに」
「今のは何だったのじゃ?」
袁術はそのことを言わずにはいられなかった。
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