恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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745部分:第六十話 楽進、辛い料理を作るのことその五
第六十話 楽進、辛い料理を作るのことその五
「赤い前が異常に長い髪で鋭い目の若い男の人が」
「んっ?赤い髪!?」
それを聞いてだ。草薙の顔がすぐに顰められた。
「そいつはまさか」
「御存知ですか?その人のこと」
「ああ、ひょっとしたらな」
こう前置きしてから答える彼だった。
「八神か。奴もここに来ていたのか」
「その人御呼びしますか?」
「いや、どうするべきかな」
草薙は真剣な顔でこう紀霊に答えた。
「あいつか」
「本当に知り合いみたいね」
曹操が草薙のその顔を見てそのことを見抜いた。
「貴方とその八神という人物は」
「ああ、そうだ」
その通りだとだ。その顔で答える草薙だった。
「正直なところな。因縁がある相手だ」
「因縁ね」
「俺達の家は何百年も前から殺し合ってきた」
その関係を話すのだった。
「そういう相手なんだ」
「宿敵ってことね」
「そうなるな」
そのことをだ。草薙は認めるしかなかった。
「あいつがか。本当に因果な話だな」
「しかしだ」
「そのベースを演奏できるのはだ」
関羽と趙雲が言う。
「その者しかいないのだな」
「ここにいる者では」
「色々と問題のある奴だ」
草薙はその彼のことをさらに話した。
「俺の命も常に狙っているしな」
「何か凄い物騒な人なんですね」
「そうみたいだね」
典韋と許緒も言う。
「草薙さんも大変ですね」
「そんなのにいつも狙われてるなんて」
「けれどその人がですか」
「一番ベースが上手なんだ」
「そのあいつがいるなら」
草薙はまた話す。
「ここは力を借りるのが一番なんだがな」
「じゃあ草薙さん死ぬな」
程昱の頭の上の人形がこんなことを言った。
「いい人なのに残念だな」
「これ、そんなことを言ってはいけません」
程昱がその人形を叱る。
「せめて殺し合うと言っておきなさい」
「おっと、俺としたことがこれは失言だったな」
「そもそも草薙さんの強さだと死なないのでは?」
「どっちも死ぬってことだよ」
「成程」
「おい、待てよ」
草薙が一応二人ということになっている彼女達に突っ込みを入れた。
「さらっと凄いこと言うな、あんたも」
「そうでしょうか」
「ああ。まあとにかくな」
「とにかく?」
「俺とその八神はそれこそ数百年の因縁がある相手なんだよ」
草薙は程昱にもこのことを話した。
「そういう相手と一緒だったらそれこそな」
「修羅場になると」
「これまで何度も闘ってきた」
草薙のその顔が鋭いものになる。
「けれどそれでもな。決着はついていないんだ」
「実力伯仲ですね」
「そうだな。そうした相手なんだ」
「ではここは」
程昱はここまで聞いたうえでこう草薙に話した。
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