恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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743部分:第六十話 楽進、辛い料理を作るのことその三
第六十話 楽進、辛い料理を作るのことその三
「怪物が急に出て来た様な」
「そんなことがあったわね」
「そうだったか?」
華陀は二人にも平然として返す。
「まあとにかくだ。大事なのはあの書のことだ」
「天下泰平の書なのだ?」
張飛が名前を間違えて言った。
「何か凄い書みたいなのだ」
「凄いなんてものじゃない」
こう張飛に話す。
「あの書があれば天下を左右することもできる」
「えっ、そんなに凄いのかよ」
それを聞いた馬超が思わず声をあげた。
「その書って」
「だからだ。俺もあの書の力を封じておきたいのだ」
「それでその書はあの三姉妹が持っているね」
黄忠が話す。
「そうなのね」
「そうだ。だから歌には歌で対して」
それからだとだ。華陀は話す。
「あの書の力を一時抑えてその間にだ」
「華陀さんが書の力を完全に封じられるんですね」
「そうするつもりだ。それでいいか」
「はい、いいと思います」
「それで」
孔明と鳳統が華陀の案に賛成の言葉を述べた。
「ただ。問題は」
「あの三姉妹の力は尋常なものではありません」
このことがだ。問題だというのだ。
「袁術さん達が勝たれればいいですが」
「三姉妹に」
「あの三人の歌もかなりのものだけれど」
今言ったのは荀彧だった。
「けれど。それでもね」
「万全ではない」
「互角といったところか」
夏侯姉妹は双方の力を冷静に見て述べた。
「確実に勝つ為にはだ」
「まだ足りないな」
「あっ、それなら」
ここでだ。劉備はふとした感じでこう話した。
「テリーさん達がいますよ」
「テリー?あの異界から来た面々ね」
「あの人達楽器の演奏ができますから」
こう曹操に話すのだった。
「だからあの人達も加えて」
「そうね。それじゃあね」
それに頷く曹操だった。劉備はその曹操にさらに話した。
「後はですね」
「後は?」
「それぞれの楽器を決めましょう」
「ああ、俺も楽器できるからな」
草薙がここで言った。彼等もいるのだ。
「俺はギターだ」
「その俺はドラムできるからな」
草薙に続いてテリーが述べた。
「後は他には」
「アテナも歌できたよな」
「はい、ですが私は」
アテナはいささか謙遜した様子で述べた。
「今回は袁術さん達がおられますから」
「歌わないか」
「そうするんだな」
「はい、そうさせてもらいます」
こう話すのだった。
「ですがギターとドラムだけだと」
「ベースにキーボードだな」
「その二つも必要だな」
草薙とテリーは話しながら難しい顔になっていた。
「ベースか」
「誰かいないか?」
二人がこんな話をしているとだった。アテナがここで言った。
「あっ、キーボードでしたら」
「誰かいるか?」
「それで」
「ナコルルちゃんがいますけれど」
彼女だというのである。
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