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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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737部分:第五十九話 張勲、袁術と郭嘉を取り合うのことその八


第五十九話 張勲、袁術と郭嘉を取り合うのことその八

 劉備達は今度はだ。歌手を選ぶのであった。
「さて、歌手ですね」
「そうね」
 紀霊と楽就がこのことを話す。
「三姉妹に対抗できる歌手をこちらも出しましょう」
「三人ですね」
「二人はもう決まっているわ」
 こう二人に述べる曹操だった。
「もうね」
「となると」
「それは」
 曹操の今の言葉を受けてだ。袁術と張勲が目を輝かせる。
「わらわ達じゃな」
「そうですよね」
「正直あんた達二人は外せないわ」
 まさにそうだという曹操だった。
「絶対にね」
「当然じゃな」
「頑張りますから」
「全く。袁家ってのは癖の強い娘ばかりだから」
「全くですね」
 曹操のその言葉に頷いたのは荀彧だった。
「どういう家なんでしょうか」
「麗羽がここにいたらもっとややこしかったわね」
「あの方なら絶対に御自身も出ようとされますね」
「間違いなく」
 夏侯姉妹が言う。
「絶対に」
「そうしますね」
「そうね。あの娘がいないのは結構寂しいけれどね」
 曹操はこんなことも言った。
「けれど言っても仕方ないわね」
「はい、また機会があればですね」
「共に」
 夏侯姉妹も何気に袁紹には好意を見せていた。そしてやはり寂しさも見せていた。
 そんな話をしているうちにだ。人選はというとだ。
 二人が決まった。残るは一人であった。
「さて、最後の一人だが」
「誰にするのだ?」
 関羽と張飛が話す。
「袁術殿と張勲殿と肩を並べる歌の歌い手となると」
「そしてあの三姉妹に対抗できる奴なのだ」
「かなり限られるが」
「誰なのだ」
「うむ、それなら」
 何気に出て来る夏侯惇だった。
「一人いい者がいるぞ」
「姉者、まさかと思うが」
「秋蘭、いいだろう?」
 咎めようとする妹にすがる目で訴える。
「私とて女だぞ。歌は好きだ」
「それは知っているが」
「だからだ。ここはだ」
「やれやれ。仕方ないな」
 妹に対して優しい笑顔を向けてだった。
「そこまで言うのならだ」
「済まない、秋蘭」
 二人で話を決めた。しかしであった。
 ここでだ。程昱が夏侯惇より先に言ってきたのだった。
「あっ、それでしたら」
「風、推挙ね」
「はい、凛ちゃんがいいです」
 彼女を推挙するのだった。
「凛ちゃん実は歌も凄く上手いんですよ」
「ちょ、ちょっと風」
 その推挙を受けてだ。郭嘉はあからさまに狼狽を見せて言うのだった。
「私はそんな」
「じゃあ試しに今ここで歌ってみたら」
「そうね。袁術も張勲もだけれど」
 曹操は二人も見て述べた。
「三人共ここで歌ってみて」
「わかったのじゃ」
「それでしたら」
 袁術達二人は早速それにかかるのだった。
 
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