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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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730部分:第五十九話 張勲、袁術と郭嘉を取り合うのことその一


第五十九話 張勲、袁術と郭嘉を取り合うのことその一

       第五十九話  張勲、袁術と郭嘉を取り合うのこと
 反乱平定の為に徐州に入った劉備達はだ。最初にあることに気付いた。
「あれっ、何か」
「そうだな。見たところ」
 軍の先頭に立つ劉備と関羽が最初に気付いた。
「若い男の人達だけが」
「異様にいないな」
 見ればだ。徐州の至る町や村でそうだったのだ。
「やっぱりこれって」
「反乱のせいか?」
「多分そうなのだ」
 二人の横で豚に乗る張飛も言う。二人は馬だが彼女は豚だ。しかもその背には大きなつづらがある。
「それでなのだ」
「ううん、だとすると」
「敵兵の数は多いか」
 二人は次にこのことを危惧した。
「私達数が少ないけれど」
「それは兵法で補うか」
「そうするしかないのだ」
 張飛も言う。
「戦は兵の多さが大事だけれどそれだけではないのだ」
「できれば」
 ここでだ。劉備は顔を曇らせて言うのだった。
「戦わなくて済んだらいいけれど」
「反乱軍が降伏してくれればか」
「うん、できればそれで」
「確かにそれで済めばいいな」
 関羽は姉のその言葉にまずは賛成した。
「だが。そうならないのが常だ」
「どうしてもなのね」
「話がそれで済めば苦労はしない」
 関羽も顔を曇らせていた。そのうえでの言葉だ。
「何ごともな」
「そうなのね。じゃあ」
「姉上、覚悟はしておいてくれ」
 劉備のその曇ってしまった横顔を見ての言葉だ。
「最悪の事態はな」
「ええ、それじゃあ」
 こんな話をしてだった。そのうえであった。
 一行は情報収集もした。その結果だ。
 野営の天幕の中でだ。孔明と鳳統が居並ぶ諸将に話した。
「敵の数は数十万です」
「その殆ど全てが若い男性です」
 まずは兵についての話だ。
「三姉妹の周りに集まってです」
「その数は日増しに増えています」
「若い男だけか?」
 皆卓に座っている。馬超はそこで言うのだった。
「敵の兵隊は」
「はい、十代から二十代前半のです」
「独身の者ばかりです」
「何か偏ってるな」
 馬超はその話を聞いて腕を組んでこう思った。
「普通反乱軍って後がないからな」
「そうだな。引っ張れる者は誰でも引き込む」
 趙雲も言う。
「しかしこの反乱はだ」
「若い奴ばかりってな」
「しかもです」
「その入っている人達ですが」
 ここでまた話す孔明と鳳統だった。
「自分達からどんどん入っています」
「まるで引き寄せられるようにです」
「そこも変わっているわね」
 黄忠は話を聞いてまた述べた。
「無理矢理入れられるっていう話もないのは」
「しかも三姉妹を中心にして絶叫しているだけで」
「今はこれといって動きがありません」
「役人達は寄せ付けませんが」
「凶暴さや残忍さもありません」
「何だ、そりゃ」
 ここまで話を聞いてテリーが言った。
「それじゃああれだな」
「そうだな、コンサートだな」
 リョウも言う。
「俺達の世界で言うな」
「こっちだと舞台だな」
「はい、そのままです」
「三姉妹の舞台そのままなんです」
 軍師二人もそうだというのだった。
「かなり特殊な反乱です」
「数は多いのですが」
「それならだけれどな」
 草薙は話の根本から考えて述べた。
「三姉妹を黙らせたら話は終わるだろ」
「はい、その通りです」
「あの三姉妹がこの反乱の中心に他なりません」
 また言う孔明と鳳統だった。
 
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