恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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728部分:第五十八話 三姉妹、反乱を起こすのことその九
第五十八話 三姉妹、反乱を起こすのことその九
「その方が面白くなりそうだから」
「そうね。ただ兵を送って戦わせるよりはね」
「賑やかな面々に暴れてもらう方がいいのだからね」
「あの書にはね」
「だから」
「さて、後は」
ここで笑みを浮かべて言う司馬慰だった。
「その兵乱で書の力を高めて」
「ええ、その力も使って」
「オロチをね」
「オロチだけではないし」
また言う司馬慰だった。
「切り札が多いのはいいことね」
「ええ。ただ」
「貴女はまだ手を考えているようね」
バイスとマチュアは司馬慰にあらためて言った。
「そうなのね」
「これが失敗したら」
「ええ、そうよ」
その通りだと答える司馬慰だった。自信に満ちた笑みでだ。
「それはね」
「流石ね、失敗した場合も考えておくなんて」
「そうしているなんて」
「当然のことよ」
司馬慰はその笑みでまた話した。
「先の先を読んでそうしてね」
「動いていく」
「そうするのね」
「ええ。ただ一つ気になるのは」
ここでだった。司馬慰はその切れ長の流麗な目を顰めさせてだ。こう言うのだった。
「貴女達が来ているだけではなくて」
「他の面々もね」
「こちらの世界に来ていることね」
「ええ、それよ」
司馬慰が今言うのはまさにそのことだった。
「それは何故かしらね」
「私達がここに来たのは于吉によるものだけれど」
「それでだけれど」
「けれど彼等は」
また言う司馬慰だった。
「どうしてなのかしら」
「謎ね。けれどね」
「それでもね」
「来てしまったからにはね」
司馬慰が二人に言った。
「そういうことね」
「ええ、そうよ」
「会ったその時はね」
二人は司馬慰に対して不敵な笑みを浮かべた。そのうえでの言葉だった。
「任せておいて」
「倒させてもらうから」
「期待するわ。そして」
「そして、なのね」
「貴女もなのね」
「私はただの文官ではないわ」
冷たい美貌の顔に凄みを宿しての言葉だった。
「そう、術もね」
「妖術も使えるのね」
「それもなのね」
「そうよ。それもまた見せるわ」
こう話すのだった。
「時が来ればね」
「ええ、それじゃあね」
「それも楽しみにしておくわ」
また話す二人だった。
「戦いは大好きだし」
「それを見るのも」
「私はそれよりも」
その顔の凄みがさらに強まる。
「血や人が死ぬ姿を見る方が楽しいのだけれどね」
「あら、そうなの」
「それだったら」
「同じだというのね」
司馬慰は二人の言葉の先を既に読んでいた。そのうえでの言葉だった。
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