恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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727部分:第五十八話 三姉妹、反乱を起こすのことその八
第五十八話 三姉妹、反乱を起こすのことその八
「その方はです」
「誰じゃ、それは」
何進は彼女に問うた。
「それで」
「はい、劉備玄徳殿です」
司馬慰はこの名前を出した。
「あの方です」
「ふむ。覚えておるぞ」
劉備という名前を聞いてだ。何進は実際に思い出した顔になった。そのうえでの言葉だった。
「あの烏丸討伐の時に活躍した娘じゃな」
「あの方のところには多くの軍師や名将が集まっています」
「そして豪傑もじゃな」
「はい、近頃よくいる他の世界から来た者達も」
「ならばじゃな」
「はい、ここはあの方に出陣してもらいましょう」
こう言うのであった。
「それに董卓殿は今は」
「長安で大掛かりな開拓をしておったな」
「それに専念してもらいましょう」
それで彼女は、というのである。
「あの方の好きな内政にです」
「そうじゃな。ではここは劉備じゃな」
「はい、そうです」
こうしてだった。劉備に出陣を要請することになったのであった。
そうした経緯があった。何進は司馬慰の言葉に満足していた。
「流石よのう」
「はい、全くです」
「流石は司馬慰殿です」
部下達も彼女の言葉に続いてこう言うのだった。
「切れ者ですね」
「いつもながら」
「ただ切れるだけではないしのう」
何進はその満足した顔でまた言った。
「名門司馬家の嫡流じゃしな」
「はい、清流の」
「まさに完璧ですね」
「何の落ち度もありません」
「しかも人柄もよい」
何進はそれも見ているのだった。
「切れ者で名門の出身だというのにじゃ」
「はい、謙虚で温厚で」
「しかも公平な方です」
「それでいて締める部分は締められますし」
「素晴しい方です」
部下達も彼女を口々に褒める。
「あの方が我等のところにいてくれる」
「それだけでも非常に有り難いです」
「全くです」
「まさにわしの懐刀じゃ」
そこまでだというのだった。何進もだ。
「何かあればすぐに知恵を出してくれるしのう」
「今回もですしね」
「劉備殿をあそこで話に出されるとは」
「意外です」
「それでいて的確です」
「その通りじゃな。ではじゃ」
ここまで話してであった。何進はだった。
司馬慰に対する信頼をさらに強いものにさせた。そうしたのであった。
しかしその司馬慰はだ。今は。
何故かバイス、マチュアと共に密室にいた。そこで三人で話していたのだ。
「そう、上手くいったのね」
「ええ、徐州の役人をね」
「洗脳してね」
バイスとマチュアは満足している顔で彼女に話すのだった。
「そうしてよ」
「あの三人にけしかけたらね」
「そして反乱が起こったのね」
このことも述べられる。
「上出来ね」
「それであの娘の出陣を進言したのね」
「そうしたのね」
「ええ、そうよ」
二人に答える司馬慰だった。
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