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『廻廊』

作者:零那
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『支離滅裂』



息を止めた。真っ白な息が形に成って、なんだか無性に虚しく思えたから。

エーデルワイスが見てみたくて山なんて来てみた。こんなとこに無いって解ってるのに何やってんだろ。今なら死ねるかな。

ふと流れた雫に気付く。何に対しての涙なのか解らない。何より大事なものなんてのはもう無いってのに。

忘れないよ。いつかどこかでまた逢えるって信じてるから。死んでしまったなんて信じない。

それなのに、こんなとこで貴女の好きなエーデルワイス吹いてるよ...。

だって此のリコーダーの音が好きって言ってたから。今迄になく真面目に吹いたりして笑えるよね。


 
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