恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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717部分:第五十七話 豪傑達、荘に戻るのことその七
第五十七話 豪傑達、荘に戻るのことその七
「絶対に会わないと」
「そうよね。それじゃあね」
「ええ、それじゃあ」
こうしてだった。劉備は馬岱に案内されて館の客室に向かった。無論関羽と張飛も一緒である。するとそこにいたのは。
「むっ、御主は」
「呂布なのだ」
「そう」
呂布がそこにいた。そして陳宮もだ。
「用事があって来た」
「しっかり聞くのです」
当然陳宮も言う。
「今日恋殿が来られたはです」
「用件があるとのことだが」
「何なのだ、それで」
「反乱が起こった」
三人にこう話す呂布だった。
「それで」
「反乱!?」
「では都でか」
「遂になのだ」
「だったら何でねね達がここまで来られるのです」
陳宮はむっとした顔で三人に返した。
「恋殿はその朝廷の使者として来たのです」
「恋実は」
その呂布の言葉である。
「朝廷の官位持っているから」
「だから朝廷の使者として来たのです」
「むっ、そうだったのか」
「呂布は官位持っていたのだ」
「そう」
その通りだとだ。関羽と張飛に話をするのだった。
「その通り」
「確かにその強さではな」
「官位を貰えるのも当然なのだ」
「恋殿は強いだけではないのです」
あくまで呂布を褒め称える陳宮だった。
「優しくて賢いのです」
「賢いのだ!?」
それには疑問符を投げかける張飛だった。
「あまり喋らないからわからないのだ」
「将棋で誰にも負けたことがないのです」
「むっ、将棋強いのだ」
「そうなのです。何をやっても一番強いのです」
「じゃあ兵法もなのだ」
「そうなのです。とにかく何でも強いのです」
ただ武勇が凄いだけではないというのである。
「それが恋殿なのです」
「呂布は想像以上に凄かったのだ」
「どうなのかです。恋殿こそは最高の武将なのです」
「じゃあ軍師は必要ないのだ!?」
あっさりと核心を言う張飛だった。
「御前はどうなるのだ?」
「うっ、それは」
「そこまで凄かったら軍師は必要ないのだ」
「それは違う」
陳宮が困っているとその呂布が言ってきた。
「恋、ねねが必要」
「けれど呂布は凄過ぎるのだ。それだったら」
「違う。人は誰かが絶対に必要だから」
こう言うのである。
「恋、ねねが傍にいないと」
「駄目なのだ!?」
「何時も傍にいて欲しい」
これが呂布の言葉だった。
「そういうもの」
「そうなのだ」
「そう。恋、ねねが好き」
ぽつりとだが確かな言葉だった。
「そのねね、いつも恋のことを考えてくれて」
「そうなのね」
「そして助けてくれる。ねね、とても大事」
こう言ってだ。その陳宮を見下ろす。
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