ジョジョの奇みょんな幻想郷
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第一部 ケイオスクルセイダーズ
名状しがたい幕間の物語のようなもの
17.お酒曰わく酔えよカオス(前編)
~夕方~博麗神社
「櫓だぁぁぁぁ!!」
「酒だぁぁぁぁ!!」
『宴だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
『うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!』
「「…………何?これ?」」
「早苗!さっきぶりなんだぜ!」
「あ!魔理沙さん!さっきぶりです!ではでは」
「「かんぱーい!」」ゴクッゴクッゴクッ
「「プハァー!!」」
「うめー!やっぱり櫓と喧騒に囲まれた宴の酒は最高だぜ!」
「って、二人ともちゃっかり酒飲んでるけど最初の何!?全く意味わからなかったんだけど!?何あの騒ぎ!?」
「あ、未成年飲酒は置いとくんだ」
最初の騒ぎようは宴慣れしている魔理沙や早苗からしても異様な騒ぎようだった。それもそのはず、この宴には今回の異変関係者だけではなく、それ以外の人たちも集められている。騒ぎたい奴、酒を飲みにきた奴、最近幻想入りしてきた二人を見に来た奴、生徒指導など来ている連中や理由は様々、幻想入り二人を唖然とさせるくらい騒げる奴らが大勢いる。
それはそうだろう。とすでに⑨かだれかに制裁を加えたのか額からシューと煙が出てる慧音が立っていた。
「何せ、今や一大勢力の一角と言っても過言ではない紅魔館を下し、その中に新入りが二人もいるんだからな」
「え?幻想郷に勢力なんてあったの?てか、その設定いつまで続くの?」
「そのメタ発言やめよっか丞一」
「いっとくがこれはお前らの歓迎会もかねているからな………………ところで迅、君も是非家の寺子屋でバイトを」
「うちの職場はそんなにも人手不足なのか」
迅は丁重にお断りしつつほかのところへ向かっていった。そこへ脱兎のごとく、いや獲物を見つけた隼のごとく丞一たちの元へ向かってくる人影が一人。
「おやおや丞一さん、ここであったが百年目。是非取材に」
「制裁を喰らいたいか?文」
「因みに、それはどんな内容で?」
「フォーク滅多刺しだ」
「わーお。なまらすんげーディープな処刑ですね」
彼女は射命丸 文。『文々。新聞』を刊行している、『清く正しく』というなまら胡散臭いモットーを掲げたマスゴm、ゲフンゲフン。マスコミだ。
鴉天狗という種族の天狗であり。妖怪である。
「おい、文。お前また変な記事上げやがって」
「間違ったことは言ってないじゃないですか!」
「尾ビレ背ビレ胸ビレがついて泳ぎ出してんじゃねーか!おかげでしばらく寺子屋で『せんせーって人外なのー?』純真無垢なる生徒たちに言われるハメになったんだぞ!案外来るからな!」
「確かに捏造はしないと言いました。ですが誇張はしないとは言っていません!まさに、言葉のマジック!」
丞一はフォークを取り出す。その速度は光を超えた。もはや丞一を止められるものはいない。
「magic(マジ)か」ドスッ!
「magic(マジ)で」ドスッ!
「magic(マジ)だ。ショーゥタァーイム」ドスドスドス!
「ガンド・ロワァァァァァァァァァ!」チーン
その時不思議なことが起きた。霊夢、魔理沙、早苗、そして文がくることを忠告すらせずに逃げた薄情な迅の心が重なったのだ。
((((ドンマイ、文。だが慈悲はない))))
と。
「おーい。早苗!丞一!楽しんでるかい?飲んでるかい?」
「二人もこっちで飲もうよぉ」
神奈子と諏訪子の呼びかけに二人は答えた。
「はーい!今行きまーす!行きましょう、ジョジョ」
「ああ、俺も今ゴミを片づけたところだ。今行く」
「せ、せめて、『マス』は、つけて、ほ、しい」ガクッ
文が力尽きた。そこに文と似たような服を着た白髪の獣耳っ子が呼びかけていた。
「ノックしてもしもーし。……ヘンジガナイタダノシカバネノヨウダ。丞一さん、すみませんねぇ。何時もうちのアホ上司が」
「まあ、言いたいことはわかるけど、椛さんや。一応それお前の上司だかんな。アホはよしてバカ扱いにしてやれ」
じゃあバカイザーにでもしとくか、という風にまともに思案していた。
この獣耳っ子は白狼天狗は犬走 椛。文の部下に値する人、いや天狗だ。──そもそも白狼天狗は鴉天狗より下の階級なのだが。部下ではあるが、文と椛はある意味険悪なのだ。それは椛が文を何かと暗殺しようとするからだ。後ろからの殴殺や毒殺、狙撃、トラップによる爆殺から何でもござれと、行ってきた。話に聞く限りだと藁人形でゴッスンゴッスンやったりもしたらしい。まあ、それでも今のように上司の後始末をしているのだから、上下関係が厳しい天狗の部下だろう。
「お前も大変だな。何時も何時も」
「そうなんですよ。聞いてくだせぇ。今日はここ博麗神社、その前は地霊殿、さらにその前は人里、そのまた前は紅魔館、さらにそのまた前はmo」
「お前が幻想郷を駆けめぐってるのはわかったから、はよ行け」
「それじゃ、私はこれで失礼するでさぁ」
そう言うと、椛は仲間内のところへ戻っていった。文を引きずって。あれだけやっても怒られないのだから、言うほど天狗の上下関係は緩いのかもしれない。
さて、今度こそ行くか、と方向転換したとき、目の前が真っ暗になった。
「だーれだ?」
丞一の耳元からとても幼い女の子の声が聞こえた。
見た目幼女は丞一の周りには駄神の片割れ諏訪子に、紅魔館のスカーレットシスターズや寺子屋の子供たちがいるが、この声は最近知り合った中の人ものだった。
「マジで能力使ってくるのは、反則だぜ。こいし」
古明地こいし。守矢神社が居を構えている妖怪の山の麓のさらに下、地下にある地霊殿の主である古明地さとりの妹。彼女は『無意識を操る程度の能力』を備えている。ビッグボスも驚きのステルスである。
「お姉ちゃんが少しでも良いから飲まないかー、だって。ジョジョ!一緒に行こー?」
丞一はどうするか迷い早苗の方をみた。早苗をすでに待たせているからだ。すると、話は聞こえていたみたいで、了承の合図をもらった。
「行くか。その前に俺の肩から降りよっか?」
「りょーかーい」ガシットカタヲツカム
聞いてくれなかった。渋々と丞一はこいしを肩車する形でさとりの元へ向かう。博麗神社の外れの森の方へ向かうこと数分。そこに、いた。
「─────────待たせたな!」
そして、丞一はスタンド『ダーク・ワン』を繰り出す。久々の出番である。
「ほう、向かってきたのですか」
さとりの元へ歩みを進める。さとりの首から下は宴の灯りによって所々照らされているが、顔の部分が陰っていて見えない。
「逃げずにこのさとりに近づいてくるのかぁ」
『近づかなきゃ、あんたをぶちのめせないんですよ』
誰もこの森など目も向けていなかった。それもそうだ。みんな楽しい宴に夢中だからだ。それに、宴に酔いはつきもの。つまり、酔った勢いで喧嘩など宴の華なのだ。神社を壊そうものならば即霊夢に退治されるが。
森の中に沈黙とシリアスが流れる。夜風や喧騒など、すでに二人の耳には届いていなかった。西部劇のガンマンの早撃ち様々の光景だ。木々の間から月明かりが漏れ、二人を照らした。それを合図に丞一が動いた。
「行け!」
「行きなさい」
丞一が侍らせていたスタンドを差し向けた。対し目の前の彼女もスタンドを出した。
「ニャル子!」
『あい、あい、サー!』
長髪で筋肉隆々のそれは屈強な戦士を彷彿させる。
これから丞一が挑戦するのは、最強への挑戦だ。
そのスタンドはカタログスペックはオールAクラスの能力を持ち、タロットカードで星を暗示するスタンド。その名も、
「──────────『スタープラチナ』!」
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