世界をめぐる、銀白の翼
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第六章 Perfect Breaker
開催前日
ビスコッティ・ガレット両国付近の、広大な戦場。
そこで、今日は一大イベントが開催されていた。
「さぁー!はじまりましたビスコッティVSガレット!!今日は解説席に、特別ゲストもお招きしております!!」
ここ数か月にわたってプロデュースし、ようやっと開催に持ち込むことになったこの戦興行。
眼下の大地では、いままさに壮大な戦が行われていた。
数日前。
戦興行の日程や参加者の登録も終えたころ。
当初の予定とは少し変え、ちょっと変更して日程を進めることとなったのだ。
まず、第一日目はガレットとビスコッティの戦興行だ。
それが今行われている戦である。
とはいっても、本格的なものではない。
特別に設けられた観戦席には、「EARTH」からの参加メンバーの面々がその様子を眺めている。
この戦はいわば、彼等に対してのチュートリアルのようなもので、この後両国にそれぞれ参加してもらい、戦の流れを再確認する、と言うことだ。
そして二日目。つまりは明日のことになる。
その時こそ、「EARTH」VSフロニャルド連合の戦興行が始まるのだ。
日程の変更はこれだけ。
だが、それ以上に変更されたことがある。
それは―――――
「ナナミーー!!楽しいだろぉーーー!?」
「うんっ!!もうさいっこーーーー!!」
結局のところ、シンク・イズミは従姉のナナミ・タカツキと、幼馴染のレベッカ・アンダーソンを連れてきてしまったのだ。
もともとシンクの予定では、もう少し前にもう一回ビスコッティに行くつもりだったのだが、思いのほか「EARTH」の準備が手間取ってしまったこともあり、それがかなわなかったのだ。
そして結局夏休みになだれ込み、約束していた通りに彼女らもつれてきた、と言うことだ。
シンクは前回同様、ビスコッティの勇者として再召喚。
一方ナナミは遠くロンドンより、ガレットの勇者として召喚されていた。
そしてレベッカ(通称ベッキー)は、シンクと共にビスコッティの客人としてやってきたのだが・・・・
「うわぁーっはっはっはっは!!レベッカは我がパスティヤージュ公国の勇者とするのじゃぁ!!」
これこそが、さらなる変更点その二(突発的)である。
ガレット・ビスコッティ両国ともに友好関係の「パスティヤージュ公国」。
その第一公女のクー様に、誘拐同然に連れ去らわれ、その勇者として契約してしまったのだ。
こうして、この戦興行もビスコッティ・ガレット同盟VS「EARTH」ではなく、三国同盟VS「EARTH」と言うわけになった。
ちなみにクー様、と言うのは本名「クーベル・エッシェンバッハ・パスティヤージュ」の愛称だ。
・・・・もうクー様でいいよ。
「EARTH」から見れば「敵が増えた」と言うことになる。
そのことを謝ろうと、ビスコッティ領主ミルヒオーレが、「EARTH」の観戦席にやってきた。
レオ閣下?
レオ閣下は戦場で高ぶっています。
だがそこがいい
話を戻して。
「EARTH」の観戦席は、風船のようなものに浮かべられた空中のボックス席だ。
そこにやってきたミルヒであるが、目の前の光景に唖然していたところである。
「うォォおおお!!ネコ耳!!ネコ耳さんや!!」
「耳がピクピクしててかわいいハァハァ・・・」
「おォォォオオオオオオオオッッ持ち帰WRYYYYYYYYYYYYYYY!!!」
「レナさんが人間をやめたぞーーーー!!」
「犬っ子もいる!!だが俺が犬になりたい!!」
「あのシッポモフモフしたい!!そしてあわよくばぺろぺろしたい(キリっ」
「姉御の表情が恍惚に染まってる!?」
「幼女!!幼女!!」
「勝ったらお持ち帰りできるのかな!?かな!?」
「レナ、決まってるじゃぁないか。敗者は勝者に従うのが鉄則ゥゥゥウウウウううう!!」
「おいお前ら絶対に勝つぞ!!!」
「「「「っシャァッッ!!やってやるぞらぁぁアアアアアアア!!!」」」」
「・・・・」
あ、引いた。
わりと形容しがたい表情でミルヒが引いた。
ちなみにこの集団を率いる局長の男は
「zzz・・・・・」
「ね、寝てるー!?」
連日の調整で寝不足気味。
完全に突っ伏して眠っていた。
目の前の異常な熱気。
この光景を目の当たりにしたミルヒの表情を無理矢理言い表すのならば・・・・
牛乳を吸った雑巾を、臭い思いして必死に処分した後に「牛乳のみなよ」と目の前に差し出されたときの顔
とでも言っておく。
「うォォォおおお・・・・お?あ、あのお方はまさかビスコッティのミルヒオーレ姫!?」
「なに!?」
「おぉ、本物だ!!」
「み、皆さん・・・こんにちは・・・・」
そしてやっぱり気づかれる。
だが、さっきまでの乱痴気騒ぎはどこへやら。
ヒャッハー状態だった彼らは一瞬で大人しく椅子に座り、まるで別人であるかのように穏やかな笑みを携えていた。
「どうも、こんにちは姫様(スッ」
「無礼があったらお許しください(スッ」
「でも、手加減はしないので覚悟してください(キリッ」
「「「そして結婚してください」」」
「三人とも女性なのに全員に求婚された!?」
頭の仲間では無理だったが。
ちなみに頭からレナ、来ヶ谷、はやてである。
「EARTH」の女性変態率は異常だ。
だがまあ彼等も(一応)常識も持っている。
一通りあいさつを済ませ、どうですか?というミルヒの質問に、みな意気揚々と答えて見せた。
「楽しそうですね!!」
「腕が鳴るな。楽しみだ」
「こんなに広大なものとは思いませんでした・・・・」
「これで怪我しないんだから、本当に楽しいんだろうな」
「じゃあ行って来い。お前らいい加減うるさいよ」
「「「「「「「「え?」」」」」」」
ガッコン!!
一言。そして何かが外れる音もした。
声の主は、蒔風だ。
目覚めたのか、何かのレバーを傾けている。
傾けられたレバーは、この観戦席に備え付けられていたものである。
効果は
・各席の席の前足ともいえる部分を倒す。
・観戦席のボックスになっている、前の壁を取り除く
つまり、この観客席を滑り台にする、と言うわけで。
「「「「「落ちるぅ~~~~!!!?」」」」」
「「「「「私たちはとばっちりだぁ~~~!?」」」」」
全員そろって、真っ逆さま。
当然、ミルヒと蒔風は無事である。
嵐のように過ぎ去って行った彼等を見て、唖然としてしまうミルヒだが、蒔風も立ち上がって会釈する。
「どうも。驚かせて悪いネ」
「いえ、大丈夫ですよ」
「あいつらも悪いやつらじゃ無いんだけどなぁ~」
席を戻し、再び観戦する蒔風。
眼下では、「EARTH」の面々が着地だったり空中に止まるなどして戦場へと放り込まれていた。
------------------------------------------------------------
『フゥーーーロニャルッドのみなッッさぁぁああああん!!こーんにーちはァ!!「EARTH」局長のぉォォォオオオオオ!!蒔風舜でございますッッ!!!』
上空から蒔風の声が聞こえてくる。
どうやら本当に目覚めたようで、とんでもない声量からそれが伺うことができた。
「おい・・・あいつマイク使ってないぞ」
「あー、テンションあがった蒔風の場合、使うと兵器だからな」
「マジか!?」
蒔風に落とされて、着地したり飛行したりする面々。
だが当然ながら今の戦では、彼らは非参加者である。
「俺たちをどうする気なんだー!?」
真上の蒔風に向かって、圭一が叫んだ。
かなり下からだが、蒔風の耳には届いたようで、顔を出してそれに応えてきた。
『アッチにーー!!今日泊まらせてもらうお城あるからー!!』
「だからー!!?」
『いやぁ・・・・行ってください!!』
「「「「考えなしかあのバカ野郎はァ!!!!」」」」
「と言うかパパ!!私たち完全に巻き添えだよ!?」
「そぅや!!自分の娘落して良くそう言うことが言えるもんやな!この外道!!」
「おねーさんも憤慨するぞ!!」
「はぅはぅ~!!ヴィヴィオちゃんいじめちゃダメだよぉう!」
『うっせ!!てか落された原因のお前らには言われたくないわーーー!!!』
「うう・・・私たちも巻き添え・・・・」
「仕方ないです。シュンはこういう場だと勢いだけなので」
「アッチだっけか?行こうか、みんな」
「ほら、立てますか?マミさん」
そんなこんなで。
この日は戦興行見学だけで過ぎていく事となる。
------------------------------------------------------------
ガサッ・・・・
「ふぅ・・・・探したぞ」
その夜
その戦場の茂みをかき分けて、男が現れた。
そう、様々な地で、様々なものを集めていたあの男である。
懐の中には様々なモノが収納されていて、それがカチャカチャと音を立てる。
綿毛のような光の入った小瓶。
ジッパーの着いたビニール袋に入った小枝。
少し大きめのカラスの羽根は、内ポケットに直接入っている。
反対の内ポケットには、四つ折りにされたあるデパートのパンフレット。
そして
「コイツを手に入れるのにも、相当手を焼いたな・・・・まさかあんなところで蒼青の翼人と出くわすとは」
男の手には、真っ赤なリボンが握られていた。
これこそ先日、この男が風祭市で手に入れた新たな物。
「さて・・・・仕上げだ。待っていろよ、最後の一つ―――!!」
そう呟くと、男の背後に四人の別の男が現れた。
「実行は明日。うまく誘導してくれ」
男の声に、頷くでも返答するでもなく、四人は再び夜の闇に消える。
「待っていろ・・・翼人!!」
翌日
空は輝く晴天。
大地のフロニャ力も安定している。
そして
「では!!今回のメインイベント!!「EARTH」VSフロニャルド連合の戦興行を開催したいと思います!!」
華々しく、最大世界とフロニャルドの交流戦興行が開催されたのだった。
to be continued
後書き
とりあえず開催。
一日目の描写がグダグダになってしまったなぁ・・・・
今回参加したメンバーは
蒔風舜
神尾観鈴
国崎往人
直枝理樹
棗林
井ノ原真人
来ヶ谷唯子
三枝葉留佳
雛見沢部活メンバー(悟史・詩音除く)
SOS団
セイバー・士郎
まど☆マギの五人
八神家(はやて・ヴォルケンズ・リィン&アギト)
ヴィヴィオズ(ミウラ含め)
泉戸夫婦
五代雄介・火野映司
ですね。
翼刀もショウもいません。
さて
男にも配下がいるようですが、こちらも強そうです。
翼人クラスかどうかは、相性次第ですが。
ミルヒ
「次回は、ついに対決!「EARTH」とフロニャルドですよ~」
羽入
「あぅあぅ!!血沸き肉躍るのですよ~!」
二人
「「・・・・うぐぅ?」」
ではまた次回
ページ上へ戻る