転生とらぶる
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ペルソナ3
1805話
「んん……ふわぁああああぁあ」
目が覚め、大きく伸びをしながら周囲を見回す。
以前までであれば、俺が目を覚ますのはレモン達との熱い夜が終わった後のベッドで……というのが普通だったし、W世界では凛や綾子と目を覚ます事が多かった。
それだけに、こうして誰もいない場所で俺だけが目覚めるというのは色々な意味で違和感があった。
レモン達が来るまで、こんな朝を迎えなければならないというのは、正直なところ気が進まない。
もっとも、だからといってそっち方面で何か行動を起こそうとは思っていないのだが。
枕元にあるリモコンに手を伸ばし、TVをつける。
そこでは、どこか見覚えのある光景が映し出されていた。
「ああ、桜か」
そう、それは俺が昨日ゆかりと一緒に花見に行った桜だ。
まだ2月だというのに、咲いてる桜。
「あ」
その映像を見ていて思わず声を出したのは、数秒だったがTVに俺とゆかりが映し出されていたからだ。
特に俺達に対してカメラがしっかりと撮影した訳ではなく、周囲の様子を纏めて撮った時に俺達が映し出されたというのが正しい。
……ちなみに、ゆかりの学校の教師の鳥海とかいう女とその友人達も俺達と同様に少しの間映ってたんだが……教師的に大丈夫なのか?
TVの左上に表示されている時間は、7:32分。
人にもよるが、高校生ならまだ食事中でもおかしくはない。
そう考えれば、このニュースを見て、俺とゆかり、それと鳥海に気が付く生徒がいてもおかしくはない。
まぁ、特に何か問題になるような行為をしている訳じゃないんだし、このくらいの事で特に処分を受けたり……とか、そういう事はまずないと考えてもいい。
ただ、噂話とかそういうのは結構されるかもしれないが。
そんな風に考えながら、TVのチャンネルを変えていく。
すると、そんな中でふと気になる特集をやっているニュース番組があった。
『この症状は、無気力症と言われており、身体にどこか異常がある訳でもないのに、自分から能動的に動くといった事をしなくなります』
『いわゆる、違法薬物の類が影響してるのでは?』
『いえ。事件性があるかもしれないという事で、無気力症の患者を病院や警察が調べてみたのですが……殆どの患者から、違法薬物の陽性反応は出なかったらしいです』
『殆どという事は、何人かからは出たのですか?』
『ええ。ですが人数的にはほんの少数です。とてもではないですが、違法薬物が影響してこのような感じになったとは思えません』
『ですが、この症状が起こっているのは東京の港区付近なのでしょう? そこだけで起きていると考えると、何らかの理由があるのでは?』
『その辺りの事情については、専門家をお呼びしています』
そこまで聞き、TVのチャンネルを再度変え、そこで流れているニュースを適当に見ながら考える。
港区という事であれば、この付近も入るのは間違いない。
そして俺は、この辺りで起きている決定的な要素を知っている。
……影時間が影響しているのか?
いや、けどそれでも影時間の最中、生き物は皆が棺になっている。
そう考えれば、影時間の影響でもないような気がするが……今日、荒垣にでも聞いてみるか。
そう判断すると、冷蔵庫の中からお茶を取り出す。
今の季節を考えれば、お茶を冷やす為に冷蔵庫に入れる必要はないような気もするが……まぁ、その辺は気分だろう。
ともあれ、俺はそのまま寝ている間の喉の渇きを癒やすと、空間倉庫からサンドイッチとおにぎりを幾つか取り出す。
朝食としては若干物足りないが、それでも出来たてで温かく、それでいて海苔がパリッとしているおにぎりは美味い。
ちなみにおにぎりは海苔がパリッとしている……いわゆるコンビニとかの後付け風か、家で作るようなしっとり風かで色々と騒動が起きたりするんだが、俺はどっちも許容出来る派だ。
このおにぎりは専門店で売ってるのを大量に買った後で空間倉庫に入れておいた奴だ。
……おにぎりを握るというのは、簡単そうに見えて難しい。
俺の家のメンバーだと、千鶴は綺麗な三角を作る事が出来る。
マリューは料理は上手いが、元々大西洋連邦……アメリカの出身だけに、おにぎりとかそういうのは食べる事はあっても、作る事は滅多になかったらしい。
それでも俺と一緒に暮らすようになり、食事でご飯が普通に出てくるようになったので、それなりにおにぎりとかも作れるようになっているが……やはり経験の差からか、千鶴のように綺麗な三角に握る事は出来ない。
他の面々は、丸とかならまだしも、三角にするのは難しい。
……握ってるのを見る限りだと、簡単そうに見えるんだけどな。
そんな風に考えながら、おにぎりを口に運ぶ。
海苔のパリッとした食感と、塩を塗された温かいご飯、そして中に入っている具はおかか。
鮭とか梅干しとか昆布の佃煮とか、そういうのも好きだけど、おかかもいいよな。
シーチキンとか、そういうのも好きだ。
名古屋とかにあるっていう天むすは、一度食べてみたいと思う。
そんな風に考えながらおにぎりを平らげていき、次に手を伸ばしたのはサンドイッチ。
このサンドイッチもパン屋で買った代物だから、コンビニやスーパーで売ってるサンドイッチに比べると数段上の味だろう。
いやまぁ、最近はコンビニとかで売ってるサンドイッチもかなり美味いんだが。
それでも、やっぱりパン屋のサンドイッチに比べれば劣っている……と思うのは、俺の気分的な問題か?
今日の猫ちゃんとかいうコーナーで土鍋に入って眠っている猫を見ながら、残りのサンドイッチを食べ終わる。
最後にペットボトルの紅茶を飲み終わり、TVを消す。
「……少し早く起きすぎたな」
昨日タルタロスから戻ってきたのはいいものの、結局ゆかりと荒垣を転移魔法で送った後、妙に眠くなってそのまま寝てしまったのだ。
本来なら、アクセサリー屋でマジックアイテムを物色してこようと思ってたんだが。
精神的な疲れか?
いや、けど自分だけで他の世界に行くというのは、これまで幾らでもやってきた事だ。
そう考えれば、精神的な疲れでどうこうなるとは思えなかったし、思いたくもない。
だとすれば、影時間やタルタロスを攻略している影響……ああ、もしかして死神か?
今のゆかりと荒垣では、それこそ死神に遭遇すれば間違いなく死ぬ。
俺は死神に負けないと思うが、あの2人を庇いながらだと色々と厳しいのも事実だ。
あの死神と渡り合っても大丈夫なように、ゆかりに戦闘経験を積ませているというのも事実だ。
実際、ゆかりに戦闘経験を積ませた事により、イオはガルという魔法の攻撃手段を覚えた。
……もっとも、イオの場合は普通に牛の頭蓋骨で相手を轢いたり、上から押し潰したりといった攻撃方法の方が威力は高いのだが。
ともあれ、いつもより早く起きてしまった今日は一体何をして時間を潰すか。
ホワイトスターと繋がったり出来るのなら、こっちも色々とやる事はあるんだが。
「取りあえず……」
呟き、テーブルの上に昨日タルタロスで入手したマジックアイテム……魔法が込められた宝石を置く。
どの宝石も、小さい宝石だ。
少なくても、宝石として売り出すのは無理なんじゃないかと思う程度の大きさ。
だが、この宝石の希少価値というのは、宝石そのものにあるのではなく、そこに封じられている魔法にあるのだから。
これは、眞宵堂に持って行ってもいいのか?
いや、けどな。向こうはあくまでも古美術商だ。
宝石に関してはそこまで詳しくなくてもおかしくはない。
そして何より、宝玉輪に続けてこうして何度も宝石を持って行くのは……色々と怪しまれかねない。
となると、やっぱりシャドウに使って実験をするしかないのか?
けど、それだとそれぞれ1個ずつ宝石が無駄になるんだよな。
タルタロスに潜ればある程度の宝石は入手出来るが、同じ魔法が封じ込められた宝石をまた入手出来るのかと言えば……否とは言わないだろうが、確実に入手出来るという訳ではないのも事実なんだよな。
「迷う」
思わず口に出してしまう。
ゲームとかだと、入手したアイテムがどんな効果を持っているのかってのは、説明文とかを見ればすぐに判明する。
もしくは、鑑定屋とかそういうのがあって、そこで鑑定して貰える。
だが、この世界にそんな便利な代物はないし、説明文とかを読める訳でもない。
そうなると、やっぱり自分達で確認するか……もしくは、桐条グループとかの影時間に関係している場所に鑑定を依頼するしかない。
けど、ここで俺達の方からタルタロスで入手した宝石を持って桐条グループに近づいていくのは、ゆかり的に色々と不味いだろう。
理由はまだ聞いていないが、ゆかりが桐条グループに対して抱いている気持ちは非常に複雑な代物なのだから。
なら……いっそ買収出来る人員を探して、そっちで秘密裏に鑑定してもらうか? もしくは、こっちの力を見せて脅す? この辺りが現実的だと思うんだが……いや、暴力は駄目だな。
ゆかりがいい顔をしないのもそうだが、桐条グループという存在は間違いなくこの世界の原作では重要な位置を占める筈だ。
もう原作が始まっているのか、それともまだ先なのか……その辺はちょっと分からないが、それでも俺の行動のせいでゆかりが桐条グループと敵対するという可能性は出来るだけ避けたい。
結局現在は特にやるべき事がないまま、TVを見たり空間倉庫から取り出した漫画を読んだりとやっていると、いつの間にか時間は昼近くになっていた。
どうやら、何だかんだで4時間以上ダラダラとしていたらしい。
「さて、どうするかな。夜までは暇だし……取りあえず食事でもしに行くか」
誰にともなく呟くと、そのまま着替えを済ませて影のゲートを使ってポロニアンモールまで向かう。
俺のアパートからでも電車を使えばそう時間は掛からない場所にあるんだが、それでもやっぱり影のゲートってのは便利だよな。
瞬時に移動出来るのだから。
そうしてポロニアンモールにやってくると、周囲を見回す。
桜が咲いていたというのに、やっぱりまだ春は遠いらしく、マフラーやコート、手袋といった物を身につけている者が多い。
どうやら、まだまだ春は遠いらしい。
一応もう2月も末だし、3月までもう数日といったところなんだが……ここが関東なら、そろそろ暖かくなってきてもいいと思うんだがな。
そんな風に考えつつ、何か適当に食べられるような店を探す。
出来れば多少高くても美味い店がいいんだが。
周囲を見回していると……ふと、視線の先にいる人物が、俺の顔を見ると驚愕の表情を浮かべ、そのまま踵を返そうとする。
俺を見てそんな態度を取るという事は、多分……いや、間違いなく俺と何らかの関わりがあった奴だろう。
見た感じ、思い切り不良といった様子をしている。
荒垣にナンパしていた女云々で逆恨みして絡んでいた奴か? それとも、ゆかりをナンパしようとして断られたが逆上して襲いかかって俺に叩きのめされた奴か? もしくは、俺に絡んできて返り討ちに遭った奴か……
うん、何だか俺はこの世界に来てから思い切り絡まれてばっかりなような気がするな。
戦争があったW世界に比べると、この世界はそこまで大きな騒乱の類がある訳でもない。
だが……いや、寧ろだからこそ、なのか?
何だかW世界にいた時よりも、こっちの世界の方が色々と厄介だな。
勿論、場所の影響とかもあるんだろうが……その辺りは、ちょっと微妙なところだな。
そんな風に考えつつ、俺はその相手を追う。
いや、別にわざわざそんな事をする必要もないんだろうが、この辺りを根城にしている不良であれば、当然美味い飯を食える店とかを知っていてもおかしくはない。
そう考えての行動だった。
「よう、いいところであったな」
「っ!? ……何だよ」
俺から逃げようとしていたのに、あっという間に掴まってしまった事に一瞬驚いた様子の男だったが、やがて俺からは逃げられないと観念したのかそう言葉を返す。
「いい事を教えてやろう。……大魔王からは逃げられない」
「は? いきなりなんだよ?」
「まぁ、俺からは逃げられないんだと思っておけばいい」
「じゃあ、お前が大魔王なのか?」
「否定はしない」
魔王と呼ばれたことはあるが、大魔王じゃない……とは思わないでもないが。
だが、俺がどんな存在なのかは分からない向こうは、やがてこれ以上気にしてもしょうがないと言わんばかりに口を開く。
「それで、何の用件だよ」
「どこかこの辺で美味い料理を食える場所を知らないか?」
「は? いきなり何だよ。……まぁ、昼近いし……ん? あー……そうだな。一件、美味くて大量に食えるラーメン屋があるぞ。少し歩くけど……行くか?」
予想外に素直な様子に、何かを企んでいるのではないかという思いを抱きつつ、そうなったらそれはそれだろうと考えながら男の案内に従ってラーメン屋に向かうのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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