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第二章
「容易に陥としていけます」
「そうだな、では城攻めの道具も出してな」
「まずは他の城を攻めていきましょう」
「わかった」
袁紹もよしとした、こうしてだった。
まずは公孫賛の城が次々と攻め落とされていった、中には自分達から降る城もあり公孫賛は次第に追い詰められていった。
それでだ、公孫賛は苦い顔で配下の者達に言った。
「若しこの城までえ失えばな」
「その時はですね」
「我等は終わりです」
「進退極まり」
「滅ぶしかなくなりますね」
「そうだ、この城が攻め落とされればだ」
まさにとだ、公孫賛はまた言った。
「終わりだ、だからだ」
「ここはですね」
「何としても守らねばなりませんね」
「辛い状況ですが」
「それでも」
「その為には何でもしなければならない」
切羽詰まった顔での言葉だった。
「袁紹も後ろに敵を控えているしな」
「だからここは何とか踏ん張り」
「事態が変わるのを待ちましょう」
「曹操殿の勢いが強いですし」
「曹操殿が袁紹と戦えるまで」
配下の者達もわかっていた、袁紹も敵なしではない。曹操の存在がどうしても気になるのだ。
だからだ、彼等も今は耐えてというのだ。
「この城を守りましょう」
「幸い兵糧は多く備えてあります」
「城も堅固です」
「そう簡単に攻め落とされません」
「そうだ、守りだ」
公孫賛自身も言った。
「状況が変わるのを待つぞ」
「わかりました」
「それでは」
配下の者達も余裕のない顔で頷いた、この危機を何があっても乗り切ろうとしていた。そ中でだった。
城の外で戦があった、攻めてきた袁紹の軍勢と戦ったが。
ここでだ。公孫賛は戦局を見て命じた。
「今は退く」
「はい、これでですね」
「城の中に退きますか」
「そうしますか」
「そうする、これ以上戦っては無駄に兵を失う」
そうなってしまうからだというのだ。
「城の中まで戻るぞ」
「わかりました」
配下の者達頷いてだ、そしてだった。
公孫賛は軍勢を城の中まで退かせた、彼も城の中に下がりそのうえで守りを固めようとしたが。
ここでだ、兵の一人が白馬から降りようとする彼に言った。
「殿、まだ城の外に兵が残っていますが」
「五百程の者が残っております」
別の兵も言ってきた。
「多くの兵が残っております」
「それがしの弟もおります」
こういう兵もいた。
「門をお開け下さい」
「五百の兵をお助け下さい」
「どうか再びです」
「門をお開け下さい」
「ならん」
公孫賛は自分に頼む兵達に強い声で返した。
「門を開ける訳にはいかん」
「それは何故ですか?」
「まだ五百の兵が残っているというのに」
「それがしの弟がまだ残っていますが」
「五百の兵を見殺しにせよというのですか」
「そう言われるのですか」
「若し今門を開ければだ」
その時はというのだ。
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