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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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682部分:第五十三話 孟獲、七度捕らえられるのこと九


第五十三話 孟獲、七度捕らえられるのこと九

「その御礼にゃ」
「それでなんですか」
「けれどにゃ」
 ここで孟獲の言葉と目が強いものになった。
「一つ条件があるにゃ」
「条件ですか」
「そうにゃ。南蛮象は南蛮の宝にゃ」
 孟獲が今言うのはこのことだった。
「その南蛮象がどうなるのか美以は確かめる必要があるにゃ」
「トラもにゃ」
「ミケもにゃ」
「やっぱりシャムもにゃ」
 三人もだというのだ。
「だからにゃ。ここはにゃ」
「ここは?」
「名前は何といったにゃ?」
 劉備に対してそれを問うた。
「そういえば聞いていなかったにゃ」
「劉備といいます」
 そのまま素直に答える劉備だった。
「そういえばまだ名前はお話していませんでしたっけ」
「そうだったにゃ。その劉備がにゃ」
 あらためて彼女に言うのであった。
「パヤパヤのヘソのゴマをどう使うか」
「剣に使ってもまだあまるからですね」
「それを見届けないといけないにゃ。だからにゃ」
 それでこう劉備に告げた。
「ここは一緒に行かせてもらうにゃ」
「同行、ですか」
「そうにゃ。それが条件にゃ」
 これがなのだった。彼女の言う条件であった。
「それでいいにゃか?」
「はい、それでは」 
 劉備はだ。孟獲のその条件に対して頷いたのだった。 
 そしてそのうえでだ。孟獲達の同行についても述べた。
「それなら。これから宜しく御願いしますね」
「うむ、頼むにゃ」
 こうしてだった。孟獲達も加わるのだった。
 タムタムとチャムチャムもだった。一行はその大人数で幽州に帰ることになった。
 南蛮を発つ時にだ。ふと神楽が言うのだった。
「ここから幽州はかなり遠いけれど」
「どうしたのにゃ?」
「貴女達はそこまで言ったことはないわね」
 彼女が言うのはこのことだった。
「それはそうね」
「これでも美以達も旅をしたことがあるにゃ」
 しかし孟獲は神楽に対してこう言うのだった。
「だから大丈夫にゃ」
「あら、そうだったの」
「成都まで出たことがあるにゃ」
「ほう、あの街にか」
 それを聞いてだ。関羽がその目を動かした。
「思ったより遠出しているな」
「だからにゃ。外に出るのも慣れてるにゃ」
 こう話すのである、
「その北のところはまだにゃが」
「一つ言っておくのだ」
 張飛ガ話してきた。
「寒いのは覚悟しておくのだ」
「寒い?」
 寒いと聞いてだ。孟獲はきょとんとなった。そのうえでの言葉は。
「寒いって何にゃ?美味いにゃ?」
「あれっ、ひょっとして」
 劉備は孟獲のその言葉を聞いてあることに気付いた。
「孟獲さんって寒いという言葉は」
「寒いって本当に何にゃか?」
「ミケ知らないにゃ」
「シャムもにゃ」
 三人もであった。寒いとは何かを知らないのだった。
「食べ物にゃか?」
「お魚にゃ?」
「それとも果物にゃ?」
「どうやら孟獲さん達は南蛮にずっとおられるので」
「そうしたことは御存知ないみたいです」
 孔明と鳳統がこう指摘した。
「寒いという感覚自体も」
「そうみたいです」
「そうなのか。だが北に行けばだ」
「多分わかるのだ」
 関羽と張飛も今はそれでいいとした。そしてであった。
 タムタムとチャムチャムもであった。二人も言う。
「ではタムタム達も」
「一緒にね」
「そうにゃ。タムタム達も大切な仲間にゃ」
 孟獲も二人の申し出に笑顔で応える。
「じゃあ一緒に幽州に行くにゃ」
「ではいざ」
「北に行こう」
「はい、わかりました」
 劉備は二人も受け入れてだ。そうして笑顔になってだった。
 一行は幽州に戻る。それもまた旅であった。そしてその旅から帰るとだ。戦いが彼女達を待っていた。だが彼女達はそのことを知らなかった。


第五十三話   完


               2010・12・22
 
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