詩集「棘」
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恋に悩んで歩む侘しさ
揺蕩う光 波間に揺れる
永遠(トワ)のない今を哀れむように
自然はいつも時間と共に
流れ流れて消えてゆくだけ…
遠い影…棚引く雲…
僕は君を見つけられない
佇む人生の道すがら
ただ想い…馳せるだけ…
恋に悩んで歩む侘しさ
静かな波間は嘘をつく
たとえ穏やかに微笑もうとも
心は強く君へと流れ…
夕陽に霞む冷えた街並み
太古から建つ遺跡のようで…
絶え間なくさざめく人の波
世界はきっと水面の幻…
夢でさえ…ただ嘆いて
飛び起きてもまた嘆くだけ…
置き去りにした夕焼けの影
今の自分を嘲笑う…
恋に悩んで歩む侘しさ
散らばる想い掻き集める
生きるよすがと諦めようとも
恋の灯火消えることなく…
恋に悩んで歩む侘しさ
蝶の羽では羽搏けない
空は変わらず見ているだけで
僕も変わらず見上げるだけで…
恋に悩んで歩む侘しさ
静かな波間は嘘をつく
たとえ穏やかに微笑もうとも
心は強く君へと流れ…
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