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詩集「棘」

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涙を流す空に抱かれ



人は争いを止めない
まるで止まない雨のように…
どれだけの想い散ったのか
祈ることさえ今は虚しく…

羨む心…妬む気持ち…
消せる程人は強くなく
恋しさも愛しささえも
きっと同じはずなのに…

涙を流す空に抱かれ
今も昔も恋に悩んで…
静かに眺めたざわめく川面
在るべき自分の姿を探す…


雨に霞んだ隅田川
遠い昔を映すように…
心が千々に乱れるのは
恋しい君を想う故かと…

潮の匂いの混じる風は
河辺に沿って吹き抜ける
悲しみも淋しささえも
拭い去ってゆくように…

涙を流す空に抱かれ
遥かな時さえ垣間見せる
僕や君が生まれる前から
想いは紡がれ散ってゆき…


灰色に染まる街…
どこからか響く海鳥の声…
辛すぎる現実に躓いて
立ち上がることさえ今は…

涙を流す空に抱かれ
叶わない願いを夢に見る
逃げる場所なんてどこにもなくて
流離うように街を彷徨う…

涙を流す空に抱かれ
今も昔も恋に悩んで…
静かに眺めたざわめく川面
在るべき自分の姿を探す…



 
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