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『廻廊』

作者:零那
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『鬼』



産まれついた時。いや、命と成った其の瞬間。人間では無くなってった。脈々と流れ来る毒々しい血液。鬼の子として産まれ堕ちたのかもしれない。

だからこんなに罰を受け続けるんだろう。悲しいわけじゃない。運命なんだろう。ただ強いて言うなら『こんな親なら要らなかった』ってことくらいかな。

手を引かれ連れてかれるのは酒屋か肉屋。全部アナタの口にするもの。鬼の子の口には何も入らない。

何も知らない何も解らないと思ってるだろう。哀れなヒトだ。親になりきれないんだろう。何故産み堕とした。何故殺さなかった。

産むなど、要らぬ事をしたせいで要らぬものを与えられた。此が鬼の役割なのだろう。


 
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