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Re:童話姫たちの殺し合いゲーム

作者:猫丸
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(原作)ヘンゼルとグレーテル(アレンジ少々アリ)A

あるところにまずしい木こり家族が住んでいました


その家族は四人家族で、優しいお父さんとお母さん


そしてお兄ちゃんヘンデルと妹のグレーテルの四人家族でした


きこりの家族は貧しく食べるものも無く、いつもお腹を空かせていましたが、愛の溢れる家庭だったので家族は幸せでした


しかしある日



「お母さん……死なないでよ!」


「僕たちをおいて逝かないでよ」



優しかったお母さんが死んでしまったのです。過労死でした



そして数年後



『この人が新しいお母さんだよ』



『よろしくね、坊や達』


お父さんが新しいお母さんと名乗る女性を連れてきました



この継母が来たせいで兄妹の平和で幸せな家庭は崩れ去ってしまうのです



継母は我が強く意地悪な女性でした



『この大飯食らいが!!』


「いやー! やめてー痛い!!」


「やめろ! グレーテルを放せ!!」


『なんだよ、アンタには関係ないね。

 アンタは小屋の中にでも入ってな』


「わっ、うっぐ…」


「ヘンゼル兄さま!」


継母に苛められていた妹を庇い、殴られた上に物置に閉じ込められ食事を抜かれた事もありました。



ある日の夜のことでした。お父さんはため息をついて継母に、


『うちの暮らしはどうなるというのだ。食べ物もないのに、どうやって、あのかわいそうな子供たちを育てることができるのか?』


すると継母は


『いい方法がある。明日の朝早く、子供たちを森の一番奥へ連れて行き、そこでたき火をたいて、私たちはそのまま仕事にいっちまう。
 子供たちには帰る道も分からないし、私たちも助かるというわけよ』


『とんでもない。そんなことおれにはできない。自分の子供を森の中へ置き去りにするなんてひどすぎる。
 すぐに獣がやってきて、子供たちを食い殺すにちがいない』


お父さんがそういうと、継母が言い返しました。


『馬鹿だね。このままじゃ、四人とも飢え死にするんだよ。
 ふん、あんたなんか、私たちのかんおけの板でもけずっていればいいわ』


『でも、子供たちがかわいそう……』


そのとき子供たちはお腹が空いて眠れなかったので、継母の言った言葉を聞いてしまいました


グレーテルは、涙を流しながらヘンゼルにいいました


「私たち、もうおしまいだわ」


「しっ、静かに! なくのはやめるんだ。僕が何とか助けてあげるから」


ヘンゼルはお父さんと継母が寝静まるのを待ってベッドをおり、上着を着ました


戸を抜けて外へ出ると



「よいしょ…よいしょ…バレないように…コッソリと」


上着のポケットに詰め込めるだけの小石をひろい、部屋に戻りました



「グレーテル、安心して。神様はきっと、僕たちを守ってくださるよ」


次の日の朝、また太陽が昇っていないのに継母がやってきて、ヘンゼルとグレーテルをたたき起こしました。


『さあ、起きるんだよ。この怠け者たち。みんなで森へ薪を取りに行くんだから』


それから、ふたりにそれぞれ一切れずつのパンを渡していいました。


『このパンは、お前たちの昼ごはんだからね。決してお昼前に食べるんじゃないよ。
 もうこれっきりだということを忘れるんじゃないよ』


四人はそろって、森の中へ入っていきました


しばらく行くと、ヘンゼルは立ち止まって、家の方を振り返りました。同じ事を何度も続けるので、お父さんが尋ねました


『ヘンゼル、どうして何度も振り返っているんだい?』


「ああ、僕、白い猫を見ているんだ。
 僕の猫は屋根の上に座って、さよならを言おうとしているんだもの」


と、ヘンゼルが言いました


でも、本当はヘンゼルは猫を見ていたのではなく、立ち止まって振り返るたびに、ポケットから小石をひとっだし、道に投げていたもです


森も奥に来ると、お父さんが言いました


『お前たち、ここでたき火をするから、薪を拾っておいで』


「「はーい」」


ヘンゼルとグレーテルは薪を拾い集め、山のように積み重ね、薪に火がつき、炎が高く燃えがりました。


二人は長く座っているうちに疲れてしまい、居眠りを始めたかと思うと、そのままぐっすりと寝込んでしまいました。


目を覚ましたときには、もうあたりは真っ暗でした。


「どうしたら森から出られるの……」


グレーテルが泣き出しました


「もう少し我慢して。ちゃんと帰り道が分かるから」


まもなく満月が昇り始めました


ヘンゼルは、グレーテルの手を引いて歩き始めました


投げておいた小石が銀貨のように光って、二人の行く道を教えてくれました


二人は夜中じゅう歩き続けて、夜明けとともに家へたどり着きました。



『まったくじょうがない子達だね。どうしていまごろまで森で寝ていたのさ。
 お前たちはもう、家に戻りたくないのだと思っていたよ』


家へ戻ると継母が残念そうに出迎えました


そんなことがあってまもなく、継母がお父さんに話す言葉を、またも子供たちが聞いてしまったのです


『もう何もかも食べつくしまったわ。残っているのはパンが半分だけ。
 どうしてでも、子供たちに出て行ってもらわなきゃ。
 今度こそ、帰り道の分からないほど深い森に連れて行く。そうしないと、私たちおしまいよ』


これを知ったヘンゼルは、二人が寝るのを待って、小石を拾いに行こうとしましたが継母がドアに鍵をかけてしまい、外へでることもできません


それでも、ヘンゼルは泣いているグレーテルをなぐさめるためにこう言いました


「ないたりしちゃだめだよ。神様はきっと、僕たちを守ってくださるから。さあ、お休み」


二人は仲良く同じベットで眠りにつきました


次の日、朝早くやってきた継母はこの前のときよりずっと小さい一切れのパンを渡すと、森へ急がせました


行く道々、ヘンゼルは時々、立ち止まって後を振り返り、そのたびに、ポケットの中のパンを千切って地面へ投げました


『ヘンゼル、どうして立ち止まっては振り返るんだね?』


「ああ、僕、こばとを見ているんだ。
 僕のこばとは屋根にとまって、さよならを言おうとしているんだもの」

ヘンゼルが言うと、横から継母が口を挟みました。


『馬鹿だね、あれはこばとなんかじゃない。屋根の上の煙突に指しているお日様よ」


それでもヘンゼルはパンがなくなるまで、次々土地面へ投げ続けました


継母は、子供たちを今まできたこともない森の奥へ連れて行き、前と同じように、大きなたき火をさせました


『お前たち、ここに座っておいで。疲れたら少しぐらい眠ってもいいよ。
 お父さんとお母さんは、木を切りに言ってくるから。仕事がすんだら、迎えに来るからね』


二人は、一切れのパンを分け合って食べ、それからまた眠り込んでしまいました


夕方が着ても、子供たちを迎えに来るものはいませんでした


二人は、夜中になって、やっと目を覚ましました


「お月様が出たら、僕の投げてきたパンくずが見えるからね。
 そうすれば、ちゃんと帰り道を教えてくれる」


月が昇ると二人は歩き始めました。


でも、どうしたのか、パンくずはどこにも見当たりません


「大丈夫。きっと見つかるよ」


ヘンゼルはグレーテルを励ましました


いくら歩いても、やっぱりパンくずはありません。なぜなら、森や野原の鳥たちがひとつ残らずパンくずを食べてしまったからです


ふたりは夜じゅう歩き続けました



次の日も、朝から晩まで歩きましたがついに森からでることはできませんでした


道ばたで見つけたいちごのほかは、何一つ食べるものがありません



空腹とつかれのため、一歩も進めなくなり、木の下へ倒れこむと、たちまち眠り込んでしまいました



また歩き始めましたが、ますます森の奥へ入り込むばかりです



歩いていると、一羽の真っ白な雪のようにきれいな小鳥を見つけました


「ヘンゼル兄さまあの真っ白な小鳥!」



「追いかけてみよう、グレーテル」


二人が追いかけると、小鳥は一軒の小さな家の屋根にとまりました


近よってみると、なんと家はパン、屋根はお菓子でできていました。窓はすきとおったさとうです。


「さあ、すこしご馳走になろう。僕は屋根を一切れ、グレーテルは、窓を食べてもいいよ」


 いいながらも、ヘンゼルは我慢できずに屋根を一切れ千切りました

グレーテルは窓ガラスに近づき、ぽりぽりとかじりました


その時、家の中から、誰かきれいな大きな声で歌い始めました


『ぼりぼり かりかり 私の家をかじっているのはどこの誰かしら?』


「「それは風です。風です」」


二人は一緒に答えると、いらん顔で食べ続けました


そのおいしいこと、ヘンゼルは屋根を丸ごと一枚引き千切りました


グレーテルは窓ガラスを丸ごとはずすと、座り込み、二人で食べ始めました


不意にドアが開いて、よぼよぼのおばあさんがふわりと出てたので、ヘンゼルもグレーテルもびっくりして、手に持っていたものを思わず落としてしまいました。


『おや、まあ、なんてかわいい子供たち。さあ、家に入っておいで。何にも怖い事はないからね』


おばあさんは二人の手をとって、家の中へつれていきます


『おばあさんその子達は~?』


『もしかして新しいお友達かしら?』


家の中にはヘンゼルとグレーテルと同い年くらいの子供たちが沢山いました


『そうだよ、新しいお友達だよ。キヒヒヒ』


「僕はヘンゼル。こっちは妹のグレーテル」


「…よろしくお願いします」


『『ようこそ、お菓子の家へ♪』』


子供達は暖かく向かい入れてくれ、席に着くとミルクに、りんごやくるみなどのごちそうが運ばれてきました


ヘンゼルとグレーテルは、またまた夢中で食べ終わるとおばあさんは二人を寝室へ案内しました


ヘンゼルとグレーテルは、ベッドへ横たわりました。まるで天国に来ているような気分でした




『新しい犠牲者の誕生だ』


『可哀想に…』


『でもしょうがないさ、もう僕らは終わっているのだから』


『そうだよ、俺達はもう死んでいるのだから』


『おうちに帰りたいよー』


『パパとママに会いたいよー』


『泣くなばか。おばあさんに知られたら、また…』


『こんな生活いつまで続くのかな…?』


『『はやく…自由になりたいよ…。

  おうちに帰りたいよ……』』



ひそひそと子供達会話 


おばあさんに聞かれないようにひそひそと こっそりと


バレたら大変なことに………








―To be continued-
 
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