【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。
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0131話『狭霧と天霧の歓迎』
前書き
更新します。
天霧が先日にE―3海域で救出された。
その件で綾波型の面々は綾波の部屋に集まって歓迎会を開いていた。
別の場所では神風型による旗風の歓迎会も開かれているので私達も開いてもいいだろうという話である。
綾波がジュースが入ったコップを持ちながら、
「それではまだまだ大規模作戦は終わっていませんけど、こうして天霧ちゃんがうちの鎮守府に来てくれたのは綾波型にとって一同にとってとても嬉しい事なので狭霧ちゃんと一緒に天霧ちゃんの二人の歓迎会を開きたいと思います!」
「さすが綾波姉!」
「わー!」
「キタコレ!」
「楽しくしようね」
「ま、せっかくの歓迎会だから楽しみなさいな」
上から敷波、潮、漣、朧、曙。
それで歓迎されている狭霧と天霧はというと、
「その、いいのでしょうか……? まだ作戦中ですけど……」
「いいんじゃないか狭霧。綾波姉たちに歓迎されるんだ。素直に楽しんでおこうぜ」
少し対照的な狭霧と天霧の二人。
そんな二人を見て漣が、
「狭霧ちゃんは少し大人し目で天霧ちゃんは少しばかり喋りが男の子っぽいですねぇ」
「狭霧に関してはそんな感じだけどあたしはそんな評価なのか、漣……?」
「そうですね。天霧ちゃんはその喋り方はもう素なのだそうですからこのままいかせてもらいましょう」
漣のさんざんな評価に天霧は少しイラッと来たのは内緒である。
しかし、まぁいいかと流せるくらいには天霧も子供ではないという事だ。
「でもこれで綾波型も後は『朝霧』、『夕霧』の二人を残すだけだね。うちに来るのが楽しみだね……」
朧がそう話す。
それに綾波が「そうですねぇ」と言葉を零しながら、
「朧ちゃん。二人が来るのが楽しみなのはいいですけど今回は狭霧ちゃんと天霧ちゃんの歓迎会ですから二人の事を話しましょう?」
「綾波姉さんの言う通りだと思います。潮、狭霧姉さんと天霧姉さんがうちに来ることが出来てとても嬉しいです」
「おっ! 潮も嬉しい事を言ってくれるじゃないか! うりゃうりゃ!」
「天霧姉さん! や、やめてください!」
天霧が潮の頭を少し強引に撫でていたのであった。
そんな天霧の姿を見て曙が呟く。
「……天霧姉ってなんかやっぱり姐御肌っぽいわね」
「ふふ……そうですね、曙ちゃん」
それに同意したのか狭霧が笑みを浮かべながらそう言葉を返した。
そして敷波が、
「まぁいいじゃん。今回は綾波型だけの歓迎会なんだから楽しもうよ。どうせ司令官が全員揃ったら一気に全員での歓迎会を開くと思うし……」
「そうだね。きっと司令官なら開くね」
朧もそう頷いていた。
それに狭霧が少し不思議そうに首を傾げながら、
「敷波姉さんは提督の事をとても信頼しているんですね。とても見ていて嬉しそうです……」
「ばっ!? そんなわけないだろ狭霧! だいたいアタシは司令官の事をどうも思って、思ってなんか……その、ごにょごにょ……」
最後の方ではもう顔を赤くして小声になっている感じなので説得力は皆無だった。
そんな敷波の姿に綾波が嬉しそうな笑顔を浮かべながら、
「あ~……敷波ちゃんの照れてる姿、癒されますねー、感謝です」
「あ。綾波姉が少しトリップしちゃった……恍惚とした表情を浮かべていますね」
「綾波姉さんは敷波姉さんの事となるとネジが緩んじゃいますからね……」
「キタコレ! さっすが敷波姉、綾波姉を落とすのが綾波型の中で一番のツンデレぶり!」
「漣、あんたねぇ……あとで覚えておきなよぉ……」
涙目でそう言う敷波はただただ可愛いだけであったというのは綾波型勢ん院の共通の認識となった。
「あはは! なかなか楽しいじゃないか!」
「う、うん……天霧ちゃん。こうして姉さん達とお話が出来るなんて思ってもなかったから狭霧も嬉しい……」
狭霧と天霧はそれでここに来ることが出来てよかったと心の底から思うようになっていた。
この世界に再び艦娘として深海棲艦と戦うために人型の形で生き返ったのだからてっきりもっと軍隊らしいことになっているのではないかと二人は少しばかり不安になっていたのだ。
だけどいざこの鎮守府に来てみれば確かに軍隊っぽさはあるけどみんながみんな楽しそうに色々と楽しんでいる姿を見たために二人の心の中ではもう不安は無くなっていた。
そしてこの鎮守府の長である提督自身が艦娘というのにも驚かされたのも言うまでもない事だった。
それで天霧は綾波に提督について聞いてみることにした。
「ところで綾波姉。ちょっと聞きたいんだけどどうして提督はその、なんだ? 榛名さんと一緒になっているんだ……?」
「あー、その件ですか……。そうですねー、そうするとまずは私達の生い立ちも語らないといけませんね」
それで綾波は天霧と狭霧の二人にこう話した。
前回の大規模作戦と今回の大規模作戦以外の艦娘達は全員もとはただのゲームのデータだったという事を。
「……え? ゲームのデータ、ですか……?」
「うん、そう。驚くのも分かる話だけど私達はもともと『艦隊これくしょん』というゲームのキャラクターだったんだよ。だけど、そうね……。あの謎の光が原因で私達はこうして本物の身体を得て司令官もこの世界に榛名さんと一体化して来てしまっていたの……」
綾波が少し懐かしそうに語る。
そう、春先の出来事だった。
謎の光によってこの世界に連れてこられた艦娘達は提督と一緒になってこの世界で生きていくためにいろいろと勉強をしたことを二人に語った。
その際にこの世界で分かった艦娘達の扱いなど……。
「なるほどな……それで提督にそれほどの信頼を置いているという事か」
「うん……提督はいつも潮たちの事を見てくれるからとても優しいんだよ」
「ま、うざくないくらいには構ってくれるからそんなに寂しくないわ」
「あやや。デレボノちゃんが久々にキタコレ……?」
「漣、うっさい!」
「まぁまぁ二人とも落ち着いて……。まぁそんな感じで朧たちは昔から司令官の事は見てきたから人としてのそれは大体は把握しているんだ」
「そそ。だから今更司令官の恥ずかしいことなんて掘り起こすこともないしね」
いつも画面の外でいろいろとやっていた提督の姿を見ていたので隠す事などないと敷波は言う。
実際その通りだと思う。
だから同等の距離感で話し合えるというのもこの鎮守府の個性ともいえる。
この世界の他の鎮守府ともなると結構ブラックな場所もあるらしいからこの鎮守府はとても居心地はいいだろうとみんなは話す。
「そうですか。狭霧も、早く馴染めるようになりたいです」
「そうだな狭霧。だから綾波姉たち、これから狭霧ともどもよろしくな」
「うん。とっても歓迎しますよ。ね、みんな」
「「「うん」」」
そんな感じで歓迎会は楽しく進められていくのであった。
後書き
今回は二人の歓迎会を開きました。
こんな感じで話を挟んでいきます。
まだまだ半月以上はイベント期間があるのですから有効に使いませんとネタ切れしちゃいますしね。
それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。
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