【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。
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0130話『ステビア海、そして増える仲間達』
前書き
更新します。
先日にE―2……作戦名を『リランカを越えて』を攻略して本日はE―3……『ステビア海の先へ』の攻略を開始した。
そして先日のE―2の艦隊を天城を抜いた川内、高雄、霧島、初月、雲龍を内包しつつ新たなメンバーを加えて輸送連合と見せかけての水上打撃部隊を組む事にした。
第一艦隊のメンバーには旗艦を最上、続いて霧島、三隈、雲龍、睦月、如月の六名。
第二艦隊のメンバーには旗艦を川内、続いて高雄、古鷹、初月、叢雲、初春の六名。
この十二名で連合艦隊を組んでもらう。
「でも……ボク達で輸送連合を水上打撃部隊で組めるっていうのはある意味裏技だよねー」
「そうですわね、モガミン」
最上と三隈が二人でそんな事を呟いている。
そうなのである。
まさか水上打撃部隊で組めるとは思っていなかったんだよな。
だから霧島や雲龍などと言った大型艦もメンバーにできるというのはある意味すごい。
「まぁいいじゃない? 組めるモノは仕方がないのだから割り切りましょう!」
「そうじゃのう。叢雲のいう通りじゃ。わらわ達はただ提督の命令に従っていればなんとかなるというのはもう経験済みじゃからのう」
「そこまで過大評価をされていると後が怖いな……」
私は初春のその発言に少し及び腰になっていた。
そんな私の背中を睦月が足りない背ながらも撫でてきて、
「大丈夫にゃしぃ。提督はただ睦月達の事を信じてくれれば後はこっちでなんとかするよー」
「そうよ。だから司令官も如月達を信じていてね?」
睦月と如月にそう言われてしまって私はもういろいろと考えることを放棄した。
それならこのメンバーで頑張ってもらおうかな?
「それじゃみんな。まずは輸送エリアであるステビア海で輸送作戦を頑張ってもらいたい。
さらにはそこには綾波型五番艦の天霧の存在も確認されている。彼女もいっしょに救出してくれるとありがたい」
「わかりました。古鷹、救出作戦もはりきって挑みますね!」
古鷹がいの一番に拳を握ってやる気を出していた。
それに続けとばかりに川内が、
「綾波の妹が増えるんでしょ? 夜戦に連れていきたいからさっさと仲間にしようね、提督!」
「川内は相変わらずぶれないな。頼もしいからいいんだけど」
「そこが私の取り柄だからね!」
「いばらないの!」
「あいたっ! なにすんのさ、高雄ー!」
「少しは落ち着きなさい!」
それで高雄に頭を手で突かれている川内の姿があった。
二人して戯れているのは見ていて飽きないけど二人ってこんな関係だったんだな。
気苦労の絶えない高雄とお調子者の川内。
なんだかんだ言って二人は結局は意気が合うのかもしれないな。
そんなどうでもいい事を考えていたら、
「それで司令官。輸送でのボスの情報などは聞いているのかい……?」
「ああ。その件か初月。うん、輸送でのボスはどうにも脳筋な艦隊編成らしい。戦艦ル級が四体に駆逐艦が二隻というらしい」
「なるほど……だから雲龍で制空権を取って弾着で殴ろうという訳だね」
「そういうことだ。だけど道中が結構やはり危ないらしい。だから……霧島、雲龍」
「はい、司令」
「……うん、なに?」
それで自制していた霧島と雲龍を呼ぶ。
雲龍に関してはただぼうっとしていただけだとも思うけどね。反応が返ってくるのが微妙に遅かったから。
とにかく、
「大型艦の二人にはぜひとも頑張ってもらいたい。せっかく水上打撃で輸送作戦が出来るのだから暴れて来てくれ」
「わかりました、司令! この霧島、頑張らせていただきますね!」
「うん……雲龍も頑張る」
「うん。それじゃさっそくだけどみんなには出撃してもらいたい。健闘を祈っているよ」
「「「了解!」」」
それでみんなは私に敬礼をして出撃準備を済ませて出撃していった。
天霧もできれば早めに助けてくれるとありがたいしな。
……そう言えば今日の午後頃にはE―2の報酬艦である『旗風』もうちの鎮守府に配属されるために輸送トラックで送られてくるという。
それならみんなが出撃している間に神風たちに迎えにいってもらったほうがいいな。
それで私は神風の部屋へと連絡を入れる。
神風はすぐに出たようで、
『司令官? どうしたの?』
「ああ。神風、今日の午後頃には旗風がうちの鎮守府に贈られてくるという。だから正門前まで迎えに行ってもらいたい」
『ッ! わかったわ! どうせならみんなも連れて迎えに行ってくるわ』
どこか嬉しそうに声を弾ませている神風。
そうだよな、嬉しいに決まっている。
神風はともかく春風たちはついに第五駆逐隊が揃うのだからなおさら嬉しいだろうな。
もしかしたら天霧と着任はほぼ同時に行われるかもしれないという思いを抱きながらも出撃の報告を私は執務室で待っていた。
神風は提督から電話でその話を聞いていても立ってもいられなくなったのでさっそくとばかりに春風、朝風、松風の三人を食堂へと集めて、
「それじゃみんな! 旗風の歓迎会を開くわよ!」
「いい考えだな神風の姉貴」
「ええ、とてもいいと思いますわ。神風お姉さま」
「うん。ついに旗風が来るのね。朝風も歓迎するんだからね!」
「まぁまずは執務室へと案内しないといけないけどね」
「まぁ当然よね」
「はい」
「そうだな」
それで四人はさっさと食事を済ませて旗風を迎え入れるために正門へと足を運んでいた。
正門では一台の軍用トラックがすでに到着しており、運転手の軍服の男性が、
「ああ。君達はもしかして神風型のみんなかな……?」
「はい、そうです! 私の妹である旗風を迎えに来ました!」
「そうか、偉いな。それじゃすぐに車から出すから待っていてくれ」
そう言って男性は荷台の方へと足を運んでいって、
「さ、到着したぞ。あとのことはお姉さん達に色々と聞くと言い」
「はい。わざわざありがとうございました……感謝いたしますね」
荷台から一人の黄色い袴を着ている女の子が出てきた。
それを見て神風たちは嬉しそうな表情になって、
「旗風、着任しました……姉さん達、お久しぶりですね」
「旗風ー!」
朝風がすぐに旗風に抱きついていた。
それに続けとみんなが旗風の周りを占領しあっていた。
それで少し時間が経過して、
「それじゃ司令官の執務室に挨拶に向かいましょうか!」
「わかりました。司令に挨拶をするのですね。どんなお方でしょうか……?」
「安心していいわよ旗風。司令官はとってもいい人だから!」
「そうですよ。きっと旗風さんも安心すると思いますわ」
「そうね。私も安心するくらいだからね」
「ふふ……朝風の姉貴はボク達の中では一番司令官になついているからね」
「そ、そんなことはないわよ……?」
そんなやり取りを見て旗風は楽しそうに、
「姉さま達がそんな感じなのでしたらわたくしも安心ですね」
ニッコリと笑顔を浮かべていたのであった。
それから執務室へと向かう道中でどうやら艦隊が帰還したようでばたばたと騒がしい。
五人は何事かと思っていると、川内の姿が見えてそれと一緒に見知らぬ人物の姿も見えたために、
「……どうやら旗風が着任するタイミングでもう一人も救出できたみたいね。川内さーん」
「ん……?」
神風はそんな事を呟きながらも川内を呼び止める。
「ああ。神風か。それと一緒にいるのはもしかして……」
「はい。旗風です!」
「そっかー。それじゃこっちも一緒に執務室に一緒に連れてこうか」
見れば仙台の隣の子は物珍しそうに神風たちを眼鏡を直しながらも見てきて、
「あたしは綾波型五番艦の天霧だ。よろしく頼む」
「ええ。これから顔をよく合わせると思うからよろしくね」
それで新人の二人を連れて執務室へと向かっていった。
その際に執務室では二人を盛大に提督は歓迎したという。
後書き
旗風と天霧を同時に着任する形にしました。
天霧は十回以上は掘ったんですけどこんな感じに話を合わせてみるのもいいですよね。
明日は天霧の話を書こうかと思います。
それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。
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