Re:童話姫たちの殺し合いゲーム
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Яお菓子な塔の物語(3)
―ある日 世界は赤に染まったの
―ある日 世界は静かになったの
―ある日 世界から音が 声が消えたの
―ある日 世界から生命が消えたの
『コワイコワイ~赤ずきんちゃんがやって来たど~♪』
『コワイ~ミナゴロシ~♪』
『赤ずきんちゃんが通った後は~♪』
『草木ひとつ残っちゃいない~♪』
『死体の山~♪ 死体の山~♪』
「ハグハグハグッ! ハグハグハグッハグハグハグッハグハグハグッハグハグハグッハグハグハグッハグハグハグッハグハグハグッハグハグハグッハグハグハグッハグハグハグッハグハグハグッハグハグハグッハグハグハグッハグハグハグッハグハグハグッハグハグハグッハグハグハグッ!!」
『ラプンツェル様! お逃げ下さい! この塔はもう駄目です!!』
隊長がなにか…言ってるの。…でもいいの、カンケイないの。
だってアタチは今、目の前に山積みされたカップケーキを食べるので忙しいの。
『ァァァアア!! ギャアアアアア!!』
ダレかの断末魔なの。
『く、もうここまで来たか…ラプンツェル様! 俺が時間を稼ぐので、その間にお逃げ下さい!!』
ギィィとダレも開けていないのに扉がゆっくりと開かれようとするの。
体長は剣を構え、振り下ろそうと…
『貴様っ何奴! ギャアアアアア!!』
する前に真っ赤なイチゴジャムを噴き出したの、あれ? 体が半分しかないの 上半分なの?
ニヤリ
赤い 真っ赤な頭巾を被った少女と目があったの あってしまったの
あの子の金色の瞳が紅色に光るの 極上の獲物を見つけたハンターのような瞳なの
「モグモグ…アナタ…モグッ、たち、ハグッモグ…ダレなの?」
―コワイ
赤い頭巾の子の両サ隣にいる 金髪ショートの子 全身ツギハギだらけの少年
『やっと会えたね♪ お姉さま』
「モグモグッお姉サマ? それはダレ? アナタはダレ? アタチは知らないの」
アタチは姉妹の末っ子。、アタチが一番下の妹なの。
妹がいるなんて知らないの、聞いていないの。
「ハグハグ……ぁ」
カップケーキがなくなってしまったの、全部食べちゃったの。
あーあ…つまらないの。
カラの大皿なんか見てもつまらないの。
「ダレかー ダレかー いないのー!?
お菓子がなくなったのー。 お腹がすいて死んでしまうのー」
食べ物がないの、そう思っただけで急激にお腹が空いてくるの。
「ダレか…いないの? ううっ…お腹…すいたの」
『お腹、空いたんですか?』
ビックリなの、扉の所にいたはずの赤い頭巾の子がすぐ近くに居たの。
でもいいの、この際ダレでもいいの、お菓子を持ってきてくれるのなら
「そうなの。今日はまだ、七回しかお菓子食べてないの」
『それは大変ですね。じゃあボクがその空腹を満たしてあげますよ♪』
「本当なの? アタチ今度はあま~いキャラメルソースのかかった…」
シュッ
「…え なの?」
何が…起きたの?
赤い頭巾の子の拳がアタチの顔スレスレを掠めたの。
寝転んでいた玉座の端が崩れているの、どうして…どうして崩れているの
赤い頭巾の子の顔を見上げると
『ゴメンなさい。外してしまいました、でも次は当てるので安心してください♪』
あの子は笑顔に 愉快そうに言うの
「…どう…して…なの? なんで…アタチ……死んじゃうの…」
『だって、死ねばもうお腹は空きませんよ? アハハハッ♪
これでもう空腹で悩むことがなくなりますね♪』
死―
死―?
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死アタチ…死んじゃうの…?
イヤなのー!!
「そんなこと頼んでないの! そんなのイラナイの!!」
『わっと♪』
あの子を突き飛ばすの でも全然効いてないの ビクともしてないの
逃げないと―
早く 少しでも早く あの子から逃げないと
死―
あの子に コロされてしまうの―
隊長がもしもの時に、と作ってくれた玉座の後ろに隠してあった塔の頂上へと続く階段を駆け上がるの。
嗚呼― 早くアタチに食べ物をちょうだいなの! なんでもいいから 早くちょうだいなの!
このままじゃ アタチ…… あの子にコロされちゃうの―
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