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魔法少女リリカルなのはエトランゼ番外編1 FATAL FURY

作者:南條 綾
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2部 KOF
開催
  3回戦

 まぁ義理堅いというか、レディファーストの国柄なのだろうか対戦相手は必ず先に来ているのがすごいなぁと思った。
今回の舞台はハッピーパーク
モダンな住宅街が並ぶ公園の広場だ。
人が沢山いて、まるで人のリングに見える

俺は人垣のリングに入るときにこういった。

「待たせたかしら」

「手前が倒れてジョーの野郎が悲しむ姿を考えてたら至福だったぜ」

「妄想は寝てからにしたら」

「こらぁジョー約束は覚えてるんだろうなぁ」

 ホアの声の方向を見るとバンダナをしてマントを装着している男がこちらに向かって歩いていた。
ジョー・東であった。

「あぁ約束なぁタイトルマッチのだろ、やだやだ。大の男が恨み辛みと。
大体、あんたが弱ぇから負けたんだろうがよ、約束は守るけどな」

 大きくかぶりを振って言うジョーの態度に身体をさらに真っ赤にしたホアは、
黒服に詰め寄って試合開始を急がせた。

「代理の戦いよね」

 俺はは軽く両手を握って胸の前で揺らし、
右足を高く上げながらリズムを取る。
俺独特の独特の構えである。

一方のホアは、頭の上辺りで軽く握った手を揺らす、大胆かつ迫力のある構えを取った。
病的に開け放たれた口からは不気味な酒臭が漂って来る。
生前綾自身もお酒は好きだったのだが、ここまで酒におぼれた人間はり荒れ腕は知らなかった。
映画等では見たことあるぐらいだ

ハッピー・パークはかつてない大歓声に包まれた。

「ジョー てめぇに俺の技をパクられた後、俺がその技をさらに磨いたのは知ってっか?」

「ああ? 誰がパクったってんだよ。知らねぇなぁ」

「――こいつの事だぁ!!」

 言うや否や、矢のようなホアの跳び膝蹴りが、
身をよじった綾の脇腹に赤い線を走らせて、
そのまま貫通したかのように遥か後方へと着地した。

「ドラゴンキックだ、ジョー! キヘヘヘ!」

 大歓声の中、

「何がパクリだ! てめぇが俺のタイガーキックのパクリじゃねぇか!」

 ジョーは広場にいるホアにそう言い切った。
綾自身少しだけうんざりしていた。
確かに必殺の技だと思うのだがこれだけで倒せるわけがないのと
自分蚊帳の外という思いからかなりのフラストレーションを抱えていた。
だが、流石元とは言ってもジョーがチャンプになるまで不敗のチャンプだけあって綾自身も決定打を決めれない状態だった。

 何度も激突し、顔をしかめながら打ち続けていた。
そこで小休止し、間合いが離れる。
ホアが肩で息をしながら「ブッ殺す」「ブッ殺す」とうわ言のように言っている。
対して綾はただ汗をかいているだけで、息は乱していない。
いくら綾が女性の体力とはいっても酒に溺れているホア・ジャイとはスタミナで雲泥の差があった。

「――ホントにくだらねぇなぁ、ホア」

「んだとぉ……」

「恨みとか、憎しみとかそんなんじゃねぇだろ! 熱くなるバトルってのはよ!
あんたとタイで闘った時は、もっと燃えるものがあったぜ、メラメラとなぁ!」

 ジョーの哀れむような眼が、ホア・ジャイには屈辱だった。
だが、心のどこかで、彼は自分が間違っていることに気付いている。

「ホア、そこで面白くするための提案だ。もう一つ賭けをしよう、KOFらしくな。
綾に勝って俺と戦って、
負けた方が勝った方のセコンドをやる。どうだ?
恨みなんて理由より、よっぽど闘い甲斐があると思うぜ?」

 綾自身もう金輪際代理戦いはしないことをこの時に誓った。


「残念ながらその賭けは成立しねぇ!
俺が勝つってことは、こいつが倒れ、テメェが死ぬってことだからだぁー!」

 最後の体力を振り絞った、ドラゴンキック

「女なんかに負けてられるか~」

「男か女とか大の男がうだうだとぉ~」

 後から繰り出された綾の飛び蹴りはその上を行き、
ホアの顔面へと、その膝を突き刺した。

「私にはアンタラの技は出来ないけれど、こうも馬鹿の一つ覚えが来たのなら馬鹿でもタイミングは取れる」

「くそったれ~」

 仰向けに倒れながらそうつぶやいた

「俺様が・・・小娘にやられるなんてな」

「あんたが以前のあんたなら立場は反対だったかもね」

 俺はホアにそう言い今度はジョーの方に向いた。

「流石だな綾」

「何が流石よ、この借りは大きいんだからね、次の戦い首を洗って待ってなさい」

「楽しませてくれよ」

「友人にプレゼントしたいんだけど、今日の代金でいいよね」

「はぁ~好きにしろ」

 日本にいる可愛い友人たちのプレゼントを贈りたいと日々思っていた綾はこれを幸いにムエタイチャンプを財布としてこれでもかと買い物をしてジョーの持ち金をほぼ空っぽにし尽くした。

 買い物ってストレス解消になるわ~


 次の戦いは
テリーVSジョー
綾VSアンディ
という風になっていた。

これが事実上の準決勝となる
俺たちの勝者がビリーと戦うという風になっている。
次に勝てば俺自身は決勝進出ってわけだな  
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