ハイスクールD×D 異界黙示録の機晶神
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第五章:冥界合宿のヘルキャット/導き手のスレイヴ
Change11:開始直前~twilight~
「失態ですね」
俺―――アザゼルは今、『禍の団』の襲撃により今三大勢力で緊急会談をしていた。
よりにもよって襲撃者は、冥界指名手配中のSS級はぐれ悪魔『黒歌』と闘戦勝仏の末裔、美猴にかマンをつけた謎の男、それと聖王剣コールブランド所持者ときた。
っつ、たく…。ヴァーリの奴もとんでもないメンツを集め始めたな。
正直今回の襲撃の件はイッセーとシンが相手を撃退したところで最終的に丸く収まっている。
でもパーティーで虚を突かれあっさりと侵入を許してしまったことに関しては他の勢力にとって、悪魔の警戒心の有無を疑うものだろう。
まあ先ほどうちの隣にいる副総督のシェムハザが随分とご立腹だ。
本来なら俺もここで管理問題について進言すべきだが黙っておくか…。
まあ、パーティー中に酒を飲みながらギャンブルにはまっていたなんて言えないからな。
そのことがシェムハザにばれでもしたら、あとでなんて言われるかたまったもんじゃない。
「相手は『禍の団』独立特殊部隊『ヴァーリチーム』の孫悟空の孫『美猴』と猫魈『黒歌』、更に聖王剣コールブランド所持者…そしてヴァーリチームではありませんが未確認の仮面の男。一人一人が危ない力を有する者を四人も侵入を許すとは…。だいたい悪魔の管理能力は―――」
あーまた始まったよ。シェムハザの小言交じりのお説教。
こいつが一回口走りはじめると長いんだよな…。
それにしてもヴァーリの奴はまたとんでもないメンツをチームにいれたもんだ。
確認されているメンバーは全員少なくとも最上級悪魔クラス、しかも全員まだ若い。
ヴァーリ自体も結構やばい実力を持っているときた。
まあ正直そのメンバーの一人美猴を簡単に無力化し、黒歌がつく言った仙術の空間結界をあっさりと解除するシンはそれ以上にやばい。
しかもシンに近い実力を持つ『壊 拳 の 轟 雷 姫』テュール。
伝説の妖怪の羽衣狐の羽衣九狐。
シンたちのメンツもおそらくは最上級悪魔をとんでもないな。
まあ、シンたちを敵とは思っちゃいな相手にできるほどの猛者ぞろい、いがいざ敵に回ったとなると末恐ろしい。
あとイッセーも黒歌相手にかなり善戦したっていうしな。
しかも進化形態を使わずに。
イッセーは禁手を進化させ、ヴァーリはある意味ほぼノーリスクで覇龍を使えると来た。
しかもシンに関しては今の時点でも実力は少なくとも最上級悪魔を超えているのは確かだが、あいつの限界がいまだに不明と来たもんだ。
まあ、歌姫に関しては存在は確認されているが詳しい素性は不明、だが実力はかなりあるらしい。
それに報告にあった仮面の男…。
奴に関しては何もわからないままだしな。
正直今回の若い世代はとんでもない猛者が勢ぞろいだ。
これはかなり近いうちに世代交代になるか?
それと会談にタンニーンも参加している。
タンニーンはイッセーたちがいなくなったのを察知し追いかけたみたいだが数手遅れて黒歌が作った結界に阻まれたらしい。
話していた時は悔しそうだったが、今はほかの上役達ともうすぐ開かれるリアスとソーナ・シトリーの戦いに関しての話で盛り上がっている。
「それにしても今回のゲームは面白いことになりそうだな」
「ああ、何せあの青年が鍛えたリアス嬢のチーム。それぞれがおもしろいことになっているそうだしな」
「そうですね、彼がグレモリー眷属にもたらした物、大変楽しみにしています」
「ええ、あの御方はリアスさんたちにかなり尽力しているのでできれば勝ってほしいですね」
なんか同盟組んでからこいつら緊張感がまるでなくなったな…。
つい数十日まえまでは冷戦状態だったのによ。
ま、俺が言えたことじゃないしな。
こうしてゲームに関して雑談していると部屋の扉が開かれる。
しかも入ってきた人物が相乗以上のものでこの場の全員が度肝を抜かれた
「ふん。若造どもは老体の出迎えもできんのか」
古ぼけた帽子をかぶり片目に水晶のような目の隻眼の爺さん。
白く長い髭を生やしており、それは床につきそうなぐらい長い。
服装は質素なローブで、杖をしている。
「―――オーディン」
そう、現れたのは北欧の神々の主神でありリーダー核ともいえる、オーディン。
鎧を着た戦乙女のヴァルキリーを引き連れてのご来場だ。
「おーおー、久しぶりじゃねぇか、北の田舎クソジジイ」
「久しいの、悪ガキ堕天使。長年敵対していた者と仲睦まじいようじゃが、また何かよからぬことでも考えているのだろう?」
「うっせーな。変なしきたりや過去にしばれれた考えで古臭い縛りを重んじる田舎神族と違って、俺ら若輩者は思考が柔軟なんだよ。煩わしいい古い考えや他勢力の敵対意識よりも、同盟組んで各々の発展のほうがいいのさ」
「弱者どもらしい負け犬の精神じゃのう。所詮は親となる神と魔王を失った小童の集まり」
やっぱこのジジイ相変わらず嫌味と口数だけは幾年月を経てもも変わらねえな。
「まったく…若者の成長とかほかにもことばはあるだろうよ」
「こううるさいガキどもの遊びにしか見えんのでのう」
まったくらちが明かないぜ。
「お久しゅうございます、北の主神オーディン殿」
「……サーゼクスか。ゲーム観戦の招待来てやったぞい。しかし、おぬしも難儀よな…本来の血筋であるルシファーが白龍皇とは。しかもテロリストとなっている始末、悪魔の未来は容易ではないのぉ」
「まそうですがこちらには頼もしい配下や眷属、それにとても心強い友人がいるのでね、そう簡単にはテロリストには屈しませんよ」
流石サーゼクス。
ああいう皮肉を言ってくるタイプには相当手馴れているな。
そしてオーディーンのジジィの視線がセラフォルーに移る。
「時にセラフォルー。その格好はなんじゃな?」
そうだった今のセラフォルーの格好は日本のアニメの魔法少女のような格好だった。
あいつパーティーが中止になったと聞いた瞬間即着替えたからな。
さらにはコスプレ好きでよくあの格好でうろついている始末。
そのせいで妹のソーナが苦労しているしな。
「あら、オーディンさま、ご存知ないのですか?これは魔法少女ですわよ☆」
ピースサインを横向きにしながら魔法少女がとるようなポーズをとっていやがる。
「ふむぅ。最近の若い者にはこういうのが流行っておるのかいの。なかなか、悪くないのぅ。ふむふむ、これはこれは。こういうのは我が北欧でも取り入れていこうかのぅ」
うわ、このジジイ…。ポーズの途中であらわになるパンツや足や揺れるおっぱいをまじまじと見ていやがる。
てか、この魔法少女を北欧でも取り入れるのか?
それを知ったヴァルキリーどもは即ストライキを起こしそうだが…。
そこにお付きのヴァルキリーが介入する。
「オーディンさま、卑猥なことはいけません!ヴァルハラの名が泣きます!」
「まったく、おまえは堅いのぉ。そんなんだから彼氏ができんのじゃ」
オーディンのその一言にヴァルキリーは泣きだす。
一体どうしたんだ?
「ど、どうせ、私は彼氏いない歴=年齢の戦乙女ですよ!私だって、か、彼氏ほしいのにぃ!うぅぅ!」
オーディンは嘆息する。
「すまんの。こやつはわしの現お付きじゃ。器量は良いんじゃが、いかせん堅くての。男の一つもできん」
なんか、ジジイもジジイで、御付きのヴァルキリーもあれだな。
正直北欧の主神があれでいいかたまに迷うことがあるぜ。
「おぬしも人のことをいえんじゃろう?アザゼル」
ちっ…さり気に心を読むなよ…まったく。
そして再び話はレーティングゲームの話題に移った。
「それにしても聞いたぞサーゼクス、セラフォルー、おぬしらの妹が戦うそうじゃな?まったく大事な妹たちが親友同士というのにぶつけおってからに。流石悪魔、考えることがタチが悪いのぉ」
「これぐらいは突破してもらわねば、悪魔の未来に希望が生まれません」
「うちのソーナちゃんが勝つに決まっているわ☆」
魔王様は自分の妹が勝つと信じているようで。
まぁ、この二人は究極のシスコンだからな。
「まあ俺にはすでに勝敗は見えているけどな」
『??!!』
すると俺たちの後ろから突然声が聞こえてきた。
そして全員が後ろを向くとそこには歩いていたシンがいた。
「シン君、どうしてここに?」
「いや、侵入現場を少し調べていただけだ。それにしても事件があったのに直ぐにゲームのダービーとはな」
てか、俺たちが接近に気づかないってどういう移動方法しているんだよ…。
「それにしてもシン君、ゲームの勝敗はすでに見えているとは一体どういうことだい?」
「言った通りさ。まあ、当日見ればわかることだがな。それでは、会話の邪魔をしてすまなかったな」
そしてシンは扉を開きどこかへ行ってしまった。
「あ奴なんというかどこかつかめない男だのう。しかもわしを見て怖気ずく気配も微塵もない。しかも挨拶もしないとはとんだ奴よのう」
ジジイの言葉に全員が苦笑する。
まあ、こんなことで起こるような爺じゃないしな。
「まあ、奴とは今度じっくり話してみるがのう…。それとわしはレーティングゲームを観に来たんじゃよ。日取りはいつか聞いてもいいかの?」
そして俺はオーディーンのジジイと一通り会話した後サーゼクスとと共に近くの椅子に座り休んでいた。
やっぱりえらい奴との会話は方が凝って仕方ないぜ。
隣に座っているサーゼクスなんて首を回しているしな。
「アザゼル、君は今回のリアスとソーナのゲームをどう見ている?リアスに関しては正直シン君に頼っていた部分が多くあるが…?」
「まあ、たいていリアスの周りで起こった厄介ごとはシンがほとんど片付けているのが事実だしな。だが今回はシンは一切関与できない戦いだ、別の視点をとればシン抜きでリアスたちがどこまでやれるかが気になるってところか」
「まあ、確かにそうだが私はどうしても気になっていることがある」
「ん、もしかしてシンのあの言葉か?」
「ああ、『俺にはすでに勝敗は見えている』…。シン君は一体どこまで今回のゲームを予想しているのか…。正直我々には理解できない」
確かに奴は戦いの強者でありながら、策士でもある。
「まあ、シンがどこまで先を見据えているのかなんて俺らにはいいじゃないか、それにしてもどうやら『禍の団』の連中はシンの事を奇妙な二つ名をふたつ言っていたそうだな?」
「ああ、リアスの報告だと一つ目は『旧王殺しの機兵』そして『革命の悪魔』だったな」
「ああ、正直一つ目はおそらく会談襲撃に関して旧魔王派のカテレアを殺したことで着いた二つ名だろう。だが二つ目の『革命の悪魔』は…」
「ああ、シン君になぜその名前が付いたのかはわからない。だが『革命の悪魔』おそらくシン君の正体を確かめるキーワードになるのはまず間違いないだろう」
「まあ、そうだな。だがそれしか情報がないんじゃ今はどうにもできないさ。だから今はゲームにお互い集中しようや」
「そうだな」
―○●●●●○―
「す~う…。はぁ~」
俺―――神無月進は今グレモリー本邸の裏庭にある森の近くにあるベンチに座り煙草を吸っていた。
イッセーたちは明日行なわれるゲームの最終確認、テュールと羽衣は自室でゆっくり休んでいる。
正直、リアス部長から最終確認に俺も参加してほしいと言われたが俺は断った。
今回のレーティングゲームはリアス部長たちの実力が試されるゲーム。
部外者の俺が最後に口出ししては意味がないからな。
まあ、結果に関しては99%きまっているものだがな。
『それにしても、こうも事態が早く進んでいるわね』
俺が黄昏ているとスカーレットハートが実体化して話しかけてきた。
以前まではあまりなれなかったが今はもう慣れた。
「ああ、しかもあいつ…今はヴィダールだったか、奴がこの世界にいることはおそらくあの二人も来ているだろう」
『確か以前見せてもらったあの二人?貴方の話を聞く限りだと結構あの二人は手強いわね』
「ああ、しかもあの愚か者までいる可能性まで出てきている。正直ここまで事態が進みすぎるとこっちの対応が間に合わない」
『まあ、そこは同感ね。だけど敵さんは私たちが望むとおりに動かないわ。だから今後の展開を見て相手の真意と動きを予測するしかないわよ?』
「ああ、わかっている。だから早く完成させなければならないな。『真なるスレイヴ』を」
『ええ、今のところデータ収集率は60%ってところね、あとは残り二つの試験兵装の運用とデータ、そして基礎的な戦闘データね』
まあ、折り返し地点は過ぎたってことか…。
とりあえずあと数日過ぎればようやく試験兵装を運用できる。
頑張っていくしかないか。
それはそれとして…。
「今更なんだが、お前がこうして俺の目の前にいる…。だが、イッセーたちには見えていなかった。一体なぜなんだ?」
そう、あの時スカーレットハートが俺の体から実体化したときイッセーたちとテュールや羽衣はスカーレットハートの実体が見えていなかった。
『言ったでしょう?私には一切わからないわ。正直実体化した理由もわからないのよ?』
「そうだったな……」
正直俺も自分自身の体のことはすべて把握していない。
しかも俺は自分が生まれたときの記憶がない。
自分が元生身の人間だってことは分かっているがその後の記憶が思い出せない。
おそらく主任も知らないだろう。
あくまでも雇用されただけ。
だが、今は自分自身の目的を果たすほうが先決だ。
まあ、力の謎はおいおい探求していこう。
『その考えが妥当だと思うわ。あとあなたも気づいているでしょうけど…』
「ああ、『禍の団』の美猴と戦っているとき明かに第三者に見られていた」
そう、あの時確かに誰かに俺は見られていた。
しかもそいつがいたであろう場所を調べたがあったのは気に掘られた一つの英文だけだった。
「―――Thank you for yesterday. So, until the day we can meet you ...―――」
先日はありがとう…もしかして俺はもうこの堀置きを残した人物にに会っているのか?
『まあ、文章から察するに敵じゃないわね』
「確証は持てないがな。まあ、今回話はイッセーやリアス部長たちの晴れ舞台を見ようじゃないか」
『そうね、それとあなたの予想通りにゲームは決まるのかしら?』
「まあ、99%の確立で当たるってことは確かだがな。この世には100%なんて存在しないからな」
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