異世界に転生したら、強くてニューゲームでした。(編集中)
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慈愛に満ちた脅し()
前書き
2017/8/30 題名を「慈愛に満ちた脅し()」へ。
2017/9/12 細部を編集しました。
その後、天使の話をよく聞くと、どうやら僕は高校の帰り道に、幼稚園児の誘拐事件に巻き込まれたみたい。
誘拐犯を殴って気絶させ、男の子を助けたはいいんだけど、もう1人の誘拐犯に後ろから刺された、と。幸いにも、男の子には傷はなく、その誘拐犯2人も、異常に気づいた近所の人によって110番通報され、捕まったらしい。
「よかった、あの子は無事なんだね」
聞いているうちに記憶は戻り、男の子が無事なことに安心した。同時に、普段は臆病な僕がそんな行動をしたことに驚く。思い出したはずなのに、誰か別の人の話を聞いているみたいだ。
『ええ、あなたのおかげで。…で、これからのことなのですが』
いきなり深刻なトーンに、少し緊張してしまう。
『死んだ人間は、我々天使により、鑑定を受けます。今まで行ってきたことや、将来性を見るのです。その中で、生かしておいた方が良いと判断される者もいます。そういう人間は、天使により生きていた頃の状態に全てリセットされ、下界に戻されるのです。リセットされる部分は、下界に残った肉体や、周囲の人間の記憶、本人の記憶です。これをしておかないと、下界に戻っても肉体を失った浮遊霊になったり、周囲の人間に混乱を招いてしまいますからね。……あなたも、その1人です。本来なら、今頃はリセットされ、下界に戻っているはずでした。しかし、不具合が生じてしまい…。 慢性的な人材不足で、鑑定が遅れてしまい、リセットできる期限を超えてしまったのです。申し訳ありm…』
「ちょ、ストップストップ!」
僕は、天使の謝罪をぶった切った。なんだ、僕生き返れるの!?わぁぁいとか思ってたのに…。
「じゃあ、僕はこれからどうなるの?」
『ええ、カイくんがそう思うのも最もです。本来ならあなたは生きられるのですから。しかし、こうなってしまっては我々にもどうしようもないのです』
oh…まぁ、生き返られる、なんてそれこそ降って湧いたような話だし…仕方ないか。
『変わりと言ってはなんですが…。カイくん、異世界に転生しませんか?』
「……はい?」
『あ、いえ別に強制ではないのですが…。ここに残って、他の死者達と同じように消滅するか、転生するか。どっちが良いですか?』
ニコニコと笑みを浮かべて言う天使。その顔は慈愛に満ち溢れているけど、僕に選択肢は一択しかないよね!?((泣
普通、生きるか死ぬかって聞かれたら、誰でも生きるって方を選ぶじゃん?
そんな訳で、僕、清水開は、異世界に転生することになりました。
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