転生とらぶる
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ペルソナ3
1787話
お好み焼きは、荒垣が言うとおり普通に美味かった。
肉盛りMAXなんて高額なメニューを頼んだんだが、それでも高額だけあって十分に美味かった。
何種類もの肉を使っているって事だったから、てっきり肉の味が混ざり合ってしまうんじゃないかとか、脂っこくなりすぎるんじゃないかとか、そんな風に思ったんだが……キャベツや紅ショウガを始めとして生地の中に入っている具によって、そこまで脂っこいお好み焼きにはならなかった。
それどころか、ソースを掛けないで食べるとそれぞれの肉の味をしっかりと楽しめるし、ソースの方も専用の薄味のソースだったので、そちらでも肉の味が分からなくなるという事はなかった。
「ごちそうさん」
会計を済ませ、店を出る。
「どうやら、満足してくれたらしいな」
「ああ。美味いお好み焼きだった」
俺の言葉に嘘はないと判断したのか、荒垣は強面の顔に少しだけ笑みを浮かべる。
「じゃあ、飯も食ったし俺は行くぞ」
「もう行くのか?」
「ああ。俺はアルマーみたいに暇じゃないからな」
暇だと言われれば、それは否定出来なかったりする。
実際、今の俺は夜まで暇だし。
これが放課後なら、月光館学園に向かうという事も考えられたんだが……あと数時間、何をしていればいいのやら。
ネットカフェ辺りにでも行って時間を潰すか?
それとも、適当にポロニアンモールを歩き回るか。
まぁ、あのアパートには色々と足りない物も多い。
どうせならそっちを適当に買うとしよう。
コップとか食器とか箸とか、そんなのはある程度集めておいた方がいいだろうし。
適当にポロニアンモールを歩き回り、色々と買っていく。
普通なら、こんな風に買い物をすれば持てなくなるだろうが……幸いな事に、俺には空間倉庫という非常に便利な物があった。
こういう時には、非常に役立つよな。
まぁ、もし空間倉庫が具体的にどんな性能を持っているのかを誰かが知ったら、恐らく……いや、間違いなく何でそんなに勿体ない使い方をしてるんだって怒るだろうけど。
ともあれ、そんな風に時間を潰していると、やがて数時間がすぎる。
途中で小腹が空いたので、ポロニアンモールにあったハンバーガー屋で適当に食べたりもしたので、思った程に疲れてはいないが。
ともあれ……時間はもう放課後くらいだ。
ゆかりも、そろそろ部活に向かっている頃だろう。
となると、当然俺がやるべき事は決まっていた。
人のいない、当然監視カメラの類もない建物の隙間に入ると、そのまま自分の影に沈んでいく。
やがて次に姿を現したのは、月光館学園のすぐ側にある建物の物陰だった。
既に授業が終わっているらしく、何人もの生徒達が帰っているのが分かる。
そうして生徒達を見ていると、当然ながら生徒達も俺の方に視線を向けてくる。
当然だろう。別に気配遮断のスキルとかを使っている訳じゃないんだから。
だが、そんな俺に向かって声を掛けてくる者はいない。
色々と理由はあるのだろうが、俺が月光館学園の制服を着ていないというのも大きいんだと思う。
何だかんだと、制服の中で私服というのは目立つし。
……それと、やっぱりゆかりとの関係が掲示板で色々と知られているというのも大きいんだろう。
ともあれ、こうして校門前で待っていると、ふと思う。
あれ? 今日ってゆかりは部活だったか?
その辺の事情は昨日聞いてなかったな。
「あ、あの……」
そんな風に考えていると、不意に声を掛けられる。
声のした方に視線を向けると、そこにいたのは数人の女だった。
俺に対する興味を隠そうとし、それでも隠しきれない様子でこっちに視線を向けていた。
特にこっちに対する敵意のようなものはないので、純粋に好奇心や善意から声を掛けてきたのだろう。
「どうした? えっと、初対面だよな?」
「あ、はい。ただ、その……私達、ゆかりの友達なんです。で、貴方の事は色々と本人や噂で聞いてたから」
「あー……なるほど」
ノリが良く、人付き合いのいい性格のゆかりは、友人が多い。
勿論、その外見も友人の多さにはかなり関係しているだろう。
そんなゆかりの友人が、そのゆかりと噂になっている俺を見て声を掛けてくるのは不思議な話はなかった。
「それで、今は何をしてるですか?」
「そんなの、決まってるじゃない。ゆかりを待ってるんですよね? きゃーっ!」
女の1人が何かを言うと、それに対して俺が何かを言うよりも前に他の女が突っ込む。
……うん。この辺り、分かっていたけどやっぱりちょっと手に負えないな。
女子高生パワーに押し込まれている感じがする。
このまま話に付き合っても構わないような……それでいて何だか面倒な事になりそうな、微妙な感じがする。
ともあれ、そんな得体の知れないパワーに押されながらも会話をしていると……
「あーっ!」
周囲にそんな大声が響き渡る。
当然大勢の生徒が帰っている状況でそんな風に叫べば、注目を集めるのは当然だった。
それは、俺と話していたゆかりの友人達も同様で、声のした方に視線を向け……
「あ、ゆかり!」
そんな声が周囲に響く。
ゆかりの友人達が見ている方に視線を向けると、そこにいたのは予想通りゆかりの姿だった。
何故か……そう、何故か驚愕の表情を浮かべて。
「ちょっ、アクセル!? 何でアクセルがここにいるのよ!」
「何でって言われてもな。まさかここで俺とゆかりの秘密を言う訳にもいかないだろ?」
『きゃーっ!』
どういう訳か、周囲にいたゆかりの友人達が俺の言葉を聞いた途端そんな声を上げる。
悲鳴は悲鳴でも、どちらかと言えば歓喜の悲鳴とでも呼ぶべき声。
そしてゆかりは……何故か顔を真っ赤にしながら、俺の方を睨んでいる。
何だ? 何で急にあんな声を出したんだ?
その事に疑問を抱いていると、顔を真っ赤にしたゆかりが俺の方に近づいてくると、そのまま俺の腕を引っ張ってその場から離れていく。
周囲からは色々と視線を向けられているのだが、何故そんな視線を向けられているのかが分からない。
ともあれ、こちらとしてはゆかりと一緒に移動するしかない訳で……であれば、ここで下手に暴れても無意味に被害が広がるだけだ。
そう考え、特に抵抗する事もないまま、ゆかりに引っ張られていく。
やがて到着したのは、月光館学園から少し離れた場所。
ちょうど近くにある建物の隙間になっているような、そんな場所だった。
「どうしたんだよ、いきなりこんな場所に連れてきたりして」
「……あのね、何で私がこうして怒っているのか、それは理解出来るわよね? なら、さっさと移動するわよ! ほら、影のゲートを出して」
そんなゆかりに促され、俺は影のゲートを展開する。
そこに身体を沈めていくと……やがて到着したのは俺の部屋だった。
靴を脱いで部屋の中に上がると、ゆかりは昨日見たとのはまるで違う様子に驚いた。
実際、幾つもの家電製品があるのを見れば、狭いながらもきちんと生活感のある部屋と表現するのは、決して間違っている訳ではない。
……まぁ、電化製品は全て新品である以上、本当に生活感があるのかと聞かれれば、軽く首を傾げる者も出てくるだろうが。
「へぇ……午前中だけで、随分と準備が早いわね。……じゃなくて! いい、アクセル。私が必死に学校の中に流れている噂を消そうとしているのに、何だってアクセルが堂々と私を迎えに来るような真似をするのよ。それだと、噂を消そうにも消せないでしょ」
不満そうに告げてくるゆかりに、空間倉庫の中から取りだしたミルクティーを渡す。
点けたばかりの電気ストーブの前で、暖かいミルクティーを飲むゆかり。
……まぁ、ミルクティーと言ってペットボトルのミルクティーだから、正確にはミルクティーじゃないんだろうけど。
だが、それでもミルクティーだと言い張れば、それはミルクティーとなる。
「……って、この程度で誤魔化される筈がないでしょ! 大体ね……」
ミルクティーを飲んで一段落した様子のゆかりだったが、やっぱりこの程度の事で誤魔化されてはくれないらしい。
だが、そんなゆかりが更に何かを言うよりも前に、俺は空間倉庫の中から宝玉輪を取り出す。
「これ、やっぱり宝石の類って事で間違いないらしいぞ。眞宵堂だったか? あそこの店主はいい知識を持っている」
「……で、これにどんな魔法が封じ込められているのかは分かったの?」
不服そうな様子ではあったが、宝石の一件は塔を攻略する上で重要な意味を持つと理解しているのか、ゆかりは俺が渡した宝玉輪を手に尋ねてくる。
「いや。具体的にどんな効果を持つかまでは分からない。ただ、触った感触から考えると、多分この前スライムもどきに使ったように、回復系の魔法だとは思う。少なくても、アギ、ブフ、ガルといったような攻撃系の魔法じゃない……といいなぁ」
「……あのね。どうせなら最後まで言い切ってよね。そんな様子だと、迂闊にこれを使えないじゃない」
溜息を吐きながら、ゆかりは手に持った宝玉輪を俺に返してくる。
それを空間倉庫に収納しながら、俺は首を横に振る。
「確実なのは、実際にこれを使ってみる事だな。そうすれば、次から入手した時にこれがどんな効果を持つのか分かる」
ゆかりには一応そう言ったが、実際のところ同じ宝石を塔で見つけても、それが他の宝石と同じ効果を持っているとは限らないんだよな。
実際、宝石魔術を使う凛だって、同じ宝石であっても全く別の効果を発揮させたりとか、普通に出来るし。
ただ……もしかしたら、この世界の魔法とか、あの塔の中では機械的にこの宝石にはこの魔法といった具合にやっている可能性はある。
いや、可能性はあるというよりも、かなり高いと俺自身は思っている。
もしこれが、誰か特定の人間がやっているようであれば、宝石によってランダムになる可能性は十分にある。
だが、毎日自動的に前日とは違う造りになる以上、半ば自動的にその辺りは行われていると考えてもいい筈だ。
そうだとすると、宝石に込められている魔法とかも、固定されている可能性は高い。
勿論、レア物とか、そういうのは別になっている可能性はあるが。
「けど、これはあの影の鳥から手に入れた物なんでしょ? だとすれば、次からはそう簡単に手に入らないんじゃない?」
「だろうな」
ゆかりの言葉に頷きを返す。
小ボスを倒した階層に、1つだけあった宝箱。
そこから入手した物である以上、これから先の宝箱にもこれと同じ物があると考えるのは、難しい。
いや、皆無ということはないだろうが、もしあったとしても随分と先の事になる筈だった。
「……悩ましいわね。ああいう場所にあった以上、間違いなく強力な物なのは間違いないのに、それを迂闊に使う事が出来ないってのも……」
言葉通り一か八かでやるしかない。
もっとも、基本的にゆかりは後衛で、炎獣による護衛をつけている。
そうであるのを考えると、ゆかりがダメージを受けるといった事はまずない。
もし試すとすれば俺なんだが:……そうだな。なら、いっそ……
「今、ここで使ってみるか?」
「今!?」
「ああ。別にこのマジックアイテムを使うのは、あの塔の中じゃなくても構わない筈だ。であれば、ここで使ってみるのも1つの手だろ?」
「それは……そうだけど……」
俺の言葉を理解は出来るが、あまり試してみたいとは思わない。
そんな感じで告げてくるゆかりだったが、実際に塔の中で一か八かの状況で試すよりは、ここで試しておいた方が何かと都合がいい。
もしダメージを受けるとしても、周囲の戦闘を全く気にせずに回復出来るのだから。
その辺りの事情を説明すると、ゆかりは不承不承ではあるが、俺の言葉に頷く。
もしここで試さない場合、それは実戦の中で直接試すといった事になるのは間違いない。
いや、別に実戦の中じゃなくても、影に襲われていない場所で試せばいいんだろうが。
ともあれ、俺はそのまま宝玉輪を手にすると、使用するという意思を込めて軽く魔力を流す。
すると次の瞬間、俺の手を中心にして純白の……真っ白い光が部屋の中を照らした。
「きゃあっ!」
ゆかりが、突然変わった部屋の中の様子に小さく悲鳴を上げる。
そして部屋の中にあった光は、次の瞬間には完全に消えていた。
「……アクセル、何か異常はない?」
恐る恐るといった様子で尋ねてきたゆかりだったが、俺はその言葉に首を横に振る。
力が増しているようにも、身体の動きが普段より素早くなったりもしていない。
それ以外にも身体の調子を確認するが、特にどうという事はない。
……結局、この宝玉輪に関しては、恐らくだが傷を回復する為の物ではないのか、という結論に落ち着くのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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